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一兆年の夜 第百三十六話 終わりの始まり ライデンの終着点は始まる(二)

 双子島に到着してから三の日より後。
 ライデンは其処で暮らし始める。双子の島以外の島を確認する術もなく、尚且つライデンを乗せる為の船も小さな生命に建造させるには余りにも財政問題と絡む物である。
(其れだけじゃねえ。一応、一の日に一食で抑えているにも拘らず……余りにも食糧事情としては苦し過ぎる。仮に糞尿で返って来るとしても其れを何とか肥料にしたり濾過するのは余りにも此の島の技術では足りない。如何やら此の島には双子島ならではのつまらない問題が起きているみたいだ。
 其のつまらない問題が選りにも依って此れだからな)
 実は此の島は裏島と呼ばれ、表島に比べて言葉で日常を生活する。一方の表島では体で相手と会話する生活を送る。其れ故に表裏に於いて其れが原因で双子島では互いの島での交流は途絶えている。
「あんたが表の生命じゃなくて良かったし」最初に出会った小柄な鶏族の中年の名前はコケハジで裏島の中ではライデンにだけ友好的な生命。「表の生命はどいつも此奴も言葉すら持たずに此方の意見を聞き入れもしないさ」
「仲良くするべきだぞ、銀河連合が相手では何時奴等にその関係を利用されるかわからないんだぞ」
 其れだけはいけないっさ、そうするとライデンさんには出て行って貰うからっそ--其の関係が修復される事は難しい。
(何時の世からか表と裏は友好関係じゃないとされるそうだ。だが、銀河連合の襲来は此方の文献では……大変だったが、何とか読めたな。確か千の年以上より前にやはり流れ星に乗ってやって来たとされる。然も奴等の大きさは……如何やら文献通りならば双子島で暮らす生命と同じく小柄なのか?
 だが、俺のような大きさの生命でそいつ等を倒せるだろうか?)
 ライデンには巨大である事ならではの悩みもある。其れは先程紹介した食糧に於ける問題だけじゃない。此処で生命を喰らおうと襲い掛かる銀河連合を巨大さ故に倒して大丈夫なのか如何か? 其れがライデンにとって気掛かりで成らない。だが……「悩むなよ、そんな小さな事にっし」どの口が其れを出すのかを知らずに鶏族らしくコケハジはライデンの大きい故の悩みを見抜いて一蹴する。
「あのなあ、さっきの双子島に於ける事柄とどっちが大きいか小さいかを比べれば大してこっちを小さな悩みだと言ったら……納得する考えか、俺が?」
「表島の事を指っしな。止めっさよ、そうゆうのを持ち出っさのは。其れを俗に言う後ろめたいって言うんだっさ!」
 もう何も言い返す気も起きないや--ライデンが此処に滞在するのは双子島の問題を解決する為じゃない……海を渡れる術を模索する為に滞在するのである。
(故に此処でのやる事は適当に銀河連合を倒すだけ、だな。ンで……居た、うーん。こうして叩いて倒す事も可能だ。だが、俺の叩きに対抗して奴等は生命の近く迄寄って其れを阻んで来るなあ。そうすると取るべき手段は……コケハジさんに目で報せるだけ)
 だが、ライデンは裏島ならではのやってはいけない事柄に関して未だ未だ知ら無さ過ぎる。目で合図を送る事に対してコケハジは顔を真っ赤にして怒り出す……「何だ、其の言葉で報せずにやっしい行為は!」左右の足で跳ねるように怒るコケハジの姿を見てライデンは自らの犯した事柄に気付く。
「あ、済まない。そう言えば此れも無しだったな……じゃあ報せるぞ。あのリリパ山にて熊族の青年が獅子型や兎型と戦っている!」
「何、そうかっさ。有難う、報せてくれっし!」
 コケハジは部隊長として直ぐに「直ぐにリリパ山に集合するのだっさ、来る返っす。直ぐにリリパ山に集合するのっさ!」と大声で連絡を取るのだった--身振りで報せる事だけはやらずに全て言葉で報せて行くという裏島の掟に従って!
 其の姿を見てライデンは溜息を吐く。
(参ったな、此処まで徹底した掟だったとはな。兎に角、俺はさっさと此処から離れたい。余りにも自由度が少な過ぎるこんな所で時間を潰している暇はない。さっさと相武様の元に、レットの元に戻りたいぜ。其れに銀河連合を手で潰したり、足で踏み潰すのは如何もいただけない……未だやった事ないにしても、そうだ。こんなの銀河連合が普段からやる事だ。其れに如何も俺の存在が逆に銀河連合に対して細かい方法を仕掛けに来ると思うと何だか戴けないな。
 後は……あ、山火事。銀河連合め、リリパ山で山火事を起こしに掛かったな。仕方がない。今は唾を飛ばしても鎮火出来る段階だ。余り良い方法じゃないけど、未だ厠に行きたい気分でもないしな。エエイ、木々が穢れるのは罪に成るだろう……が、居ても立っても居られない!)
 ライデンは唾を飛ばして其れを鎮火--後に其れはライデンと裏島の生命との間で大変な事態を招く事は知る由もない。

(小柄な程に小さい事に拘るというのは何とも嬉しくない話だろうな。唾を飛ばしたのは此れ以上、火が燃え移らない為の取れるだけの行動だった。海水を使えば良いって? 実は俺が居た場所は海よりも成人体型にして五十も離れた場所に居たんだ。そして、リリパ山は成人体型にして十未満の辺りだよ。其処で少しでも海水の所迄駆け付けるにも此れが又難しい。通りに田畑や建物があれば更に難しい。飛び越えて危うく海に落っこちれば水滴が襲い掛かって要らぬ状況を招く事だってあるんだよ。結構大変なのだよ、此の島では此の大きさは。そんな訳で俺は唾を飛ばすしかない。尿を掛ける方法は逆に山を余計に穢れさせる以上は……そして--)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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