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一兆年の夜 第百三十五話 終わりの始まり 最後の一名に成っても(序)

(俺の終着点は何処なのか? 其れは未だわからない。何せこうやって五体満足の気分で今迄の話をする時点で如何も生きているのか如何かさえもわからない。
 其れでも話は最後迄終わらせに行くか!)

 ICイマジナリーセンチュリー三百十四年百二十日午前二時一分二秒。

 場所は真古天神武大陸藤原大中臣地方迷宮の洞窟天同相武の地下部屋。薄明りの中で齢七十八にして六の月と三十日目に成る神武人族の老年天同相武は其処で誰かを待つ。
 例え眠気が襲っても決して眠る事はせずに書き物に何かを記してでも腕を動かす。急激な動きは選り眠気を招く。けれども、間隔を開けて僅かに動かす場合は眠気も感覚的にしか襲わない上に其れは穏やかな勢いでしかない。そうして午前零時から襲い掛かる急激な眠気を少しずつ分散させる事で二の時に成っても目を覚まし続ける事に成功。此れは老いで得た相武の細かい技法である。
「遅いぞ、ライデン」
 申し訳ありません、相武様--齢二十三にして九の月と二日目に成る菅原人族の成年菅原ライデンは沈んだ顔で遅れた事に頭を下げる。
「いや、謝罪する必要はない。死んでいった者達……特にライデンの場合は其れが巨大で如何しようもない事位は想像出来る」
「別に其処迄の気遣いは結構であります、相武様」
「幾らライデンが私に出来る限りの敬語で重んじても私は気遣いが何処なのかを知る程、相手と対話するのが得意じゃない。なので言わせて貰う」
「いや、結構です。今は相武様……俺に相武様の過去とは何なのかを教えて欲しいのです!」
「シシドやリリザースから聞かなかったか?」
「いいえ、相武様自身の口から相武様が其処迄強く成れた意味を知りたいのですよ!」
「成程。言いたい事は山程あるが一つだけ尋ねる」
「何でしょう?」
「何故に私の過去話を聞きたい?」
「……俺には戦う理由が靄が掛かったように見えないのですよ」
「そうか、其処迄戦いを忘れるのか。だが、今の日ではいけない。眠気が断続的に襲い来る。少し時間を置いてからで良いか?」
 ええ、其の間は俺達が相武様を命懸けで御守り致します--戦いを忘れたライデンには戦わない理由なんて何処にもない。
 其れから五の時より後……相武の過去話は始まる。

(其の話は語る必要がない。端的に言うと俺の戦う理由を思い出す為だ。付け焼刃でしかないが、此れで俺は戦いを思い出す事が少し位は叶った。其れから最後の戦いに赴く--)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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