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一兆年の夜 第百三十四話 終わりの始まり 魅羅と生きる水の惑星(恋)

 午後十一時零分一秒。
 場所は迷宮の洞窟前仮設民家客員用二階二号室。
 私が、私が……私のせいで--窓から抜け出そうとする罪に苛まれる魅羅が其処に居た。
「よお」其処にライデンは通り掛かる。「心配で来てやったぞ」
「そんなの真実じゃありません、ライデンさん。ど、どうせ私の事を責めに、来たので、しょ?」
「未だ誰もお前の事を責めてはいない。正確には相武様がお前を責めないように通達を出したんだ……お前を部屋待機と同時に」
「や、やっぱり責めに行くんですか?」
 そうじゃないって言ってるのがわからんのか、魅羅あ--一っ跳びで二階二号室の窓の枠に乗っかるライデンは魅羅の瞼を逸らさずに本気の眼差しで見つめる。
「ライデン、さん?」
「其れに危ないぞ」ライデンは魅羅の両肩を掴むと勢い良く寝床迄突き飛ばす。「おっと……痛かったか?」
 何で……枕の上に乗るように、突き飛ばしたのですか--魅羅の言う通り、彼女の尻の下にやや柔らかい枕があった。
「どっち道突き飛ばすんだ……痛いだろう、枕は固く出来ているんだから」
「ライデンさん……此れは柔らかくて寝付けませんよ」
「何だよ、如何して客者に対しての扱いを徹底しないんだよ!」
「其れは如何でも良いです。其れよりも如何してライデンさんは、ライデンさんは説教しないのですか?」
「……フウ、済まなかった」
 な、謝る--魅羅にとって其の行動は理解し難い。
「土下座してやりたい、だが……頭を下げるだけで十分お互いのいけない部分を謝罪したと俺は思う」
「何で……まだ謝罪してないでしょ!」
「ああ、そうだったな。だが、俺に対して謝罪するべきじゃない」
「え--」
 正確にはウサールの遺族とハイラ道に対して……だろ--本当はチョー磨や他の生命の名前も出したかったが、其れ以上は責めているのと同じだと考えて敢えて重要な部分だけを抜き出す。
「何で貴方に謝罪の気持ちを、謝罪の気持ちを……じゃなくて!」
「何が?」
「惚けないで下さいよ、ライデンさん。何に謝罪するのですか、何か私に対していけない事があったのですか!」
「そうだな、俺は……手紙を返さなくて御免」其れから続けて罪を謝るライデン。「そして気遣いもせずにお前を連れて来て御免、更には自ら任務に逃げて見ようとしなかった事も御免……俺は、俺は其のせいでハイラ道を危険な目に遭わせてウサールを死なせてしまったんだ!」
 ラ、ライデンさん--そう叫んでしまう程にライデンは魅羅を抱き締める。
「済まない、許してはくれないとは思う。だが、今は……もう、何も考えたくない」
「恥ずかしいです、力が強いです!」
「強いさ、魅羅。何故なら俺は……初めて、異性に対して何をすれば良いか迷い惑うからさ」
「止めて、ライデンさん。此れ、恥ずかしい、恥ずか……ブブ!」
 フウ……俺はもう、君の事しか見れない--そしてライデンは生命本来の重要な儀式を無意識の内に始める。

(流石に其れは恥ずかしくて全てを紹介する事はない。というか紹介するだけでも恥ずかしいというのに……まあ、凄い事をしたな。たった一回だけで俺は参ってしまうんじゃないかって思ったさ。確かシシドが言ってたけど、急激に命が吸い取られるような感じでとてもではないが華奢な生命では長時間も耐え切れないと言ってた。
 然もあるやり過ぎな者の話をシシドは嬉しそうにも語っていたな。えっとシシドに依ると獅子族の筋肉隆々の雄は愛する雌との一の時も激しく交わったそうだ。其の結果、腰骨に罅が入る程に腰痛を起こした上に何と十の年も年を摂ったかのように痩せていたそうな。おまけに次の日には全身の毛が白くなったほど……幸い、其の獅子族の雄は四十八の年も生き抜いたと伝えられる。シシド曰く恐らくは二度と交わりをしないと誓って腰に重荷を掛けない生活や無理をしない生活を徹底して其処迄長く生きたのだろうってさ。そん位にこうゆうのは体力の要るもんさ。
 そんな物を俺は何と明くる日の二の時迄やっていた。時計を見て驚いたよ、時刻を。既に魅羅は疲れ果てて眠っているんだけど……魅羅も魅羅で体力のある雌だ。若さとかそうゆう問題じゃない。感情の昂ぶりが起こす物は時として通常の限界を超えるのだって驚く程に。
 もっと驚いたのは其の現場を見たあいつだ--)

 九十五日午前二時一分一秒。
(あれ……俺は何をしていたんだ? 魅羅がこんな幸せを尽くしたかのような表情で寝ている? つーか全裸? 何してたんだ? 俺は何をしていたんだ?)
 何か凄い悲鳴が聞こえたから登ってみると……ライデンは其の彼女と何しているんだ--そう伝えるのはライデンが良く知る生命。
「レット……お前は俺達の何かを知っているな!」
「いや知らんから尋ねて来たんだろうが。だって悲鳴が聞こえたから神武包丁を抜いて跳んで来たというのに……覗いてみれば其の、俺様にお前の萎んだ何とかかんとかを見せて楽しいか!」
「萎んでいる……何を言う? 俺はお前に勝てる唯一の……って!」ライデンは其処で気付く、自らの何とかかんとかが既に痩せ細っている事に。「ま、まさか……俺は遂に、遂に、一線を越えたというのか!」
「俺様の知らない所でお前は裏でとんでもない切り口を見付けやがって!」
「こ、此れは、き、気が付けば--」
 いや、もう良い……取り敢えずライデンはそっからさっさと逃げ出して自分の部屋に戻って早く寝ろ--レット成りの優しい言葉である。
 レットが去ってからライデンは直ぐに服を着込み始める。何も覚えていないライデンは思い出す事よりも此処で感情の赴く侭に果たしてしまった事を何とかしようと試みる--結果、三の時過ぎてから此の場を去る程に丁寧且つ物音一つ立てずに掃除を済ませ……此の場から急いで立ち去った!

(寝たのは四の時過ぎで睡眠時間は一の時すらない。全然寝足りない状態で朝の点呼を取って各々の激しくも忙しい作業に当たったよ。俺を気遣ってレットは迷宮の洞窟に挑むのを一旦止めて俺の代わりに諸々の作業を担当してくれた。俺は其の間に自分の部屋で睡眠を摂る事にした……すると--)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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