FC2ブログ

一兆年の夜 第百三十四話 終わりの始まり 魅羅と生きる水の惑星(近)

 午前九時三十二分四十三秒。
 場所は工事現場乙区域二番回廊。ウサールが担当する区域であり、其処には様々な兵器開発の為の部屋が新設される予定だったとウサールは語る。だが--
「何だこりゃ!」
「此れは……獅子型なか?」
「背中に望遠砲……巨大な望遠砲を抱えたる獅子型?」
「気を付けて下さい、あいつは突然何もなっい所から……ウワッ!」説明する暇も与えない勢いでウサール達を攻撃する望遠砲装備の獅子型。「話を続けまっすと、あいつは何もない所から出現しました!」
 会話を寸断するように獅子型は弾丸のようなモノを詰めては五名を狙撃する。一発の威力は通常の連射可能な望遠砲に比べて重く、当たれば五名の周辺に散らばる現場員の肉片の如く飛び散る--其の分、巨大望遠弾並みの連射速度故に隙があるとすれば次弾を発射する迄の時間だけ!
「みんな、俺が惹き付けるから其の間にチョー磨さんとウサールはあれが届かない距離と死角の所迄避難しろ!」戦いに向かない者達には安全に非難するように指示しておき、其れ以外は攻勢に出るように指示を出すライデン。「其れ以外は一気に懐に飛び込んで一撃倒破で行け!」
「わかりまたああ!」
「ええ、そんな事をライデンさんは命じるのですかああ!」
「当たり前だ。今は戦いが先だ……奴を一撃で倒さなければ次は無いと思えい!」
 もう、雌心を弄ぶんですから--未だに怒りが収まらない魅羅!
(未だ怒っているなあ。いい加減に切り替えられないのか……全く雌って言う生命は如何してつまらない事に拘るのだよ!)
 雌心が何たるかが全然わからないライデンは魅羅への理解が遅れる--其れが後に大きな過ちを犯す事を彼は未だ知らない!
 其れが招いたのが魅羅がライデンの指示も聞かずにライデンの所に駆け込んでハイラ道を一名だけにしてしまう。此れに気付いた混合獅子型はライデンからハイラ道の方に砲身を向ける。
「何……な、魅羅!」自分自身が囮役を任される筈が結果的にハイラ道が囮に成ってしまうという事態に気付いたライデン。「だが、ハイラ道迄の距離と今の数だけじゃあ間に合わない!」
「ぼ、僕の方に……う、うあああ--」
 ハイラ道さんはやらせまっせん--避難していた筈のウサールが誰よりも速く駆け付けてハイラ道を突き飛ばした!
 そして、ウサールの体は自らの体格と同等の大きさの砲弾のような何かの直撃を受けて……遺言すら残せない程に肉片と砕けた骨が周辺に散らばった!
「ウサールさああああん!」
「クソウ、何で……うおおおお!」ライデンはウサールの死で襲い来る悲しみを怒りに変えて獅子型の懐に誰よりも速く入っては瞬く間に獅子型の首を天井に突き刺さる程の勢いで刎ね飛ばした。「クソウ……こんな事に成るなんて!」
「ああ、あある」左上羽に飛び散った肉片の重みに気付いて旋回しながら振り返ったチョー磨は其処で嘗ての部下だったウサールが既に無残な姿に成っているのを見て、驚きの余りに其の場に墜落。「ウグ……ううう、うううる」
「あ、チョー磨さん……だ、大丈夫でか!」
「う、痛みは……走るが、だ、大丈夫だる」
「あ、わ、私は、私は」自らの招いた行動で膝に力が入らずに座り込む魅羅。「私って……何でこんな、こんな行動を?」
「己を責めるのは此処じゃない。今は、ウサールの亡骸を丁寧に回収するぞ……同じく丁寧に弔う為に!」
「あ、あな、あれ? あ、えっと--」
 さっさと動け……自らを責めたり悲しむ前に--ライデンは魅羅に喝を入れる……すると魅羅は無言で這いずりながらウサールの亡骸を回収してゆくのだった。

(誰もが此の事態の責任を魅羅に向けるだろう。助けられたハイラ道に至っては魅羅に対して良い印象を持たない程に……だが、俺はそうは思わない。俺は彼女に対して何一つ返事を寄越さずに尚且つ雌心も理解する事もせずに其のような気遣いをしてしまった。俺のせいだ……俺があの時に少しは彼女の心を慰める一言や二言を考えていれば。任務の為だとか何とか言って俺は魅羅の心を大事にしようとしなかった。其の結果がハイラ道を危険な目に遭わせ、彼を庇ったウサールを死なせた。何だって如何してこんな目に……運命とは如何してウサールを死なせるのだ? 如何してチョー磨に過酷な悲しみを背負わせたんだ?
 さて、此の一件から真夜中の事だった。慰めるのは明くる日にするべきだと思っていた俺。だが、俺はある安心出来ない思いが駆け巡って彼女の所へと密かに入っていた。今でも其れが如何してそんな風に行動したのかを俺は知らない。いや、考察すればする程俺には理解出来ない事を考えてしまう。
 理解出来ない事……其れは運命だの、体内に存在する液状型がそう行動させたのだの……だが、今なら其の理由がわかるかも知れない。其れは--)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR