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格付けの旅 デュアン、格付けの旅は此処から始まる アンダーモルゲッソヨの奇襲

 ワープ……其れは光が最速だと決定付けられた科学的現実に抗う為に編み出された代物。当時俺は孤児院にて其れに心揺さぶられた記憶がある。嫌な思い出ばかりの孤児院の生活だったが、ワープ航法と呼ばれた夢の移動術は光に支配された魔科学世界に一つの希望を齎していた。だが……大人に成るにつれて其の昂る思いは消え去るかのようにワープは現実には不可能である事が次々と知ってゆく。其れに詳しい学者評論家共と同じく俺はワープは絶対に無理だと確信。勿論、魔科学的な方法で現実性のあるやり方だったら理論上は可能だという話もある。だが、其れは固有魔法を連発するような物で平均的な人類が固有魔法などという効率が非常に悪い物を何発も放つ余裕があるなら上級魔法の効率化を最優先に考えるべきだというのが学者の総意。無論俺も其れには賛成だ。というか実際、上級魔法の連発も中級魔法の連発に比べれば余りにも虫食いだと感じるがな。兎に角、ワープは不可能な技術。故に人類は光に屈する。
 とまあそうゆう風にワープの非現実性を俺自身の偏った論評で語りながら惑星<ファーヴォ>に到着。其処は何といっても俺が大地に着地するだけで地震が発生したかのように周囲の高層ビルが何故か倒壊--そして俺は拘束される羽目に!
 拘束先で俺は何やら何とも表現しようがない彫像を目にしてゆく。其れを尋ねようとしたら奴等は『解読不能な言語』で喚く、意味不明に持っていた警棒みたいな奴で殴る、最後は『泣く』。
 解読不能な言語……其れは『統一言語』が盛んではない世界では良くある話さ。というかデュアンロールの設定でも未だ未だ『翻訳機能』は未熟で何よりもパターン化も未成熟。故に俺は母星にはない言語パターンを解読するのに少々の苦労を強いられる。説明するとしたらそんな所か。
 翻訳機能……其れは機械文明の発展と共に『翻訳家』が要らなく成るオートメイションシステムの事。例えば古代ディー語で魔法の事を(マギ)と自動翻訳されるように静かにしろという単語は奴等の言葉で言うなら(シクロー)というらしい。だが、単語を一つ覚えたからといって翻訳が完全に為せる訳じゃない。翻訳に関しては詳しくは論じないが、兎に角翻訳機能は翻訳家の技術の結集に依って誕生した事は忘れずに。翻訳家の歴史無くして翻訳機能は実現せずってな。
 統一言語……其れは翻訳家のリストラを告げる単一国家にしか出来ない言語の理想郷。勿論、こんな夢のような言語は不可能。何故なら言語は性格と同じく統一するには独裁政権でないと無理。だが、俺みたいな奴も居ればラキのような奴も居るしマリックのような選民的で嫌な奴だって存在する。それと同じように言語も五十音式もあればアルファベイ式の最小で二十五音で済ませられる物もある。此れを無理矢理統一しようとすれば必ず基準言語を設けないといけない。だが、共通点のみに焦点を当てて統一しようとすれば反発が起こる。そうすると統治者がやりやすい言語を統一言語に設定して他の言語は消滅の危機に立たされる。言語の消滅は表現の自由の消滅を意味する。な、統一言語なんて不可能だろ? 此の様に統一言語を主張する連中は個の自由さえも制限する事に無知だ。故に言語の統一は独裁政権を支持するのと同義だと思え。
 とまあ『口呼吸』で色々と思考を巡らす俺だった。
 口呼吸……其れは怒りっぽい奴や物覚えの悪い奴、更には独り言ばっかりの奴がやりがちな悪い呼吸法の事。別に俺達の世界だけの問題じゃない。どの世界でも口呼吸する奴は余計な思考をしやすい。確かに新たな思考をしたり、新しいアイデアを思い付く為には口呼吸をしてみるのも良いかも知れない。けれども、本来は鼻呼吸で呼吸するのが生物の正しい呼吸法。鼻呼吸は脳を冷やすだけじゃなく鼻詰まりで生じる鼻水の問題も解消する事に繋がるから絶対にやる事を勧める。尚、何故冒頭のような事をする奴にありがちなのかを説明すると先程も説明したように鼻呼吸すると脳は冷やされる。逆に言うと鼻呼吸しないから脳は冷えない。結果、脳は冷やされずに怒りっぽく成る。脳が冷やされないと過剰に脳を活発化させて物覚えしたい時に物を覚えられない時がある。独り言に至っては口呼吸するから如何しても思った事を口にし易くなる。だって口を開いて呼吸するのだから鼻呼吸と比べても独り言しやすいのも無理はないだろ? そうゆう訳で若しも口呼吸している諸君が居れば今直ぐに鼻呼吸に切り替えられるように口呼吸の回数を減らすように。でないと日常生活の様々な所で不便な思いを繰り返すぞ。
 そんな風に説明口調で口呼吸の解説を行った。理由は『喚き散らすように怒る』奴が俺の取調べをするからだよ。然も平然と暴力を振るって困っている。俺の母星だけじゃなくどの世界でも取り調べで暴力を振るうのは余程の『独裁国家』か或は『民主主義』が未熟な所だけだろう。だが、此奴等の場合は『泣く』ように取り調べしているようにも感じられる。まるで俺が加害者であるかのように被害者面で取り調べるのだから質が悪いったら如何しようもないぜ。
 泣く……其れは子供が持つ最終兵器。泣けば全てが許されるのは子供の特権と呼べるだろう。子供は泣くからあらゆる意味で有利に事を運ばせる事が出来る。俺だってやったさ、子供時代では散々。だが、此れが大人だとすれば……迷惑此の上ない。大人だぞ、保護者に同伴される事もない成熟した人格者だぞ。なのに泣くそうだ。特に酷いのが議員務める癖に号泣会見をする大人。最早不気味としか言いようがない。
 そんな訳で俺は取り締まりの末に閉じ込められる……「ヘヘヘ、若いの……『アンダーモルゲッソヨ』かい?」隣に閉じ込められる謎の囚人に良くわからん単語を尋ねられる羽目に。
「モルゲッソヨ? アンダー? えっと、モルゲモルゲのソヨ……わかりません、って意味か?」
「自覚ないのか、或は本当にそうではないって反応じゃねえか」
「ああ、そうだ。仮にも俺は其のわかりません存在ではあるが流石に下に見られるわかりませんってのは何か腹立たしいな」
「頭の回線が切れる位に苛立ちんじゃないのか?」
「其れは怒りだ、苛立ちとは根本から違うだろう」そう言いつつも俺は其の謎の単語について尋ねる。「其れよりも『アンダーモルゲッソヨ』とは一体何だ?」
「あれは……一体何処から来て何の為に生まれて来たのかを問いたくなる造形だった!」
「知ってるなら俺じゃないのはわかり切った事だろうが!」
「そうじゃない。『アンダーモルゲッソヨ』とは……ウワアアアア!」
「如何し……何、何だ此の卑猥な彫刻はあああ!」
 そう、俺は其処で女が生まれつき持って良そうな恐るべき卑猥に吸い込まれてゆく--気が付けば俺達は恐るべき卑猥な彫像が立ち並ぶ世界へと降り立つ!
「ああ、今のが『アンダーモルゲッソヨ』さ!」
「何だと、あんなふざけた奴が此の世に存在して堪るか!」
「そ、其れよりもあんたの名前を尋ねなかったのは悪い。まあ尋ねる前に先ずは俺から紹介する。俺は千鳥大吉だ」
「千鳥大吉……うーん、苗字は後ろの方か?」
「千鳥が俺の苗字だ、ンであんたは?」
「俺はデュアン・マイッダー……マイッダーが俺の苗字だ」
 宜しくな、マイッダーさんよお--俺は大吉と握手を交わす。
「にしても此の頭巾被った全裸共の像は?」
「其れはノーマルモルゲッソヨと言って正式名称はロケットマンと呼ぶそうだ」
 ロケットマンだったら何故、裸なんだよ……意味がわからん--そう口に出したくなる程、此の像の不気味さに堪忍袋の緒が切れる寸前の俺!
「怒るなよ、マイッダーさん。俺も此の惑星に不時着して心底うんざりしているんだよ」
「あんたも此の星の人間じゃないのか」
「元々は天の川銀河太陽系第三惑星地球から来たんだ」
「何だと、あの天の川銀河から」俺は其れは有り得ないと考えた。「有り得ん、光が放つ先の太陽系は死んだ筈の太陽系の光だろうが。何故天の川銀河から此処迄来れるんだ!」
「そうだったのか、じゃああんたはどっから来たんだ?」
「俺は--」
 ワレワレノホカニナニカイル--言おうとすると突然、俺達の方向に体を向ける十八体の卑猥なノーマルモルゲッソヨ!
 ノーマルモルゲッソヨの一斉落下攻撃が炸裂。後で聞いた話に依るとあれは『三跪九叩頭』らしい。
 三跪九叩頭……其れは属国が宗主国に対して忠誠を誓う為のマゾヒスティックな敬意の表明である。如何ゆう理由なのかを説明する前にどんな物かを先に説明する方が手っ取り早い。文字通りに受け取っても何のこっちゃかわからない。なのでアクションに示すと先ずは命令する側が「跪け」と号令を発する。すると命令される方は土下座する。但し、額は地面を強く叩き付けるようにする。然も此の土下座は何と号令して三回も行われる。即ち三回も額を叩き付けるのだから其の痛みは脳震盪を起こしかねないレベルだろう。三回も額を叩き付けながら土下座したら命令する側は「起きろ」と号令を出してされる側を立たせる。此れが一連の流れ。だが、此れで終わらないのが此の儀礼の恐ろしさ。何と再び「跪け」と命じて命じられた側は再び三回も額に叩き付ける土下座を敢行。そう、三セットも繰り返す事。最早命令される側の額は血塗れどころの騒ぎじゃない。下手すると骨が見えるのではないかって思える位だろう。脳なんて腫瘍でも出来るんじゃないかってレベルで揺らされていた筈だ。此れが三跪九叩頭……こんな敬意の表明を要求されたら俺は喜んで「断る」と言ってやるがな。正直、額に一回でも強く叩き付けられるのは痛くて敵わない。なのでこうゆうのを喜んでやろうとする奴等が恥を知れって思うね。
「クソウ、土下座しながら迫って来やがる!」
「あれがノーマルモルゲッソヨの三跪九叩頭だ!」
「どんな字だ?」
 今は逃げるのが先だろうがああ--大吉は必死に逃げて行く。
「--はあ……仕方ない、ギガフレア!」一方の俺は逃げるのを止めて超級魔法で早期決着を図る。「--未だ未だやるぜ……エンシエントシュトローム!」
 炎と水のコラボレーションは奴等の醜い造形を溶かし尽くし、更には押し流してゆく。最も大吉は俺の背後に避難していたので巻き込まれずに済んだがな。
「凄いやっちゃあなあ。ノーマルモルゲッソヨを全て倒しちまいやがった!」
「魔法使いだから、俺は」
「あんた凄いな、あんな凄い魔法を直ぐに唱えた上に二連射も出せるなんて!」
「零詠唱って奴だ。あんたの世界にもそんな芸当が出来る魔法使いは居るだろう?」
「いや、魔法使いってのは確かに短い詠唱とかで出せるような捜索キャラは居るけど……あんたみたいなスピード感溢れる魔法使いは想像出来ないぜ」
 そりゃあ……悪い事をしたな--俺の存在に謝罪をするのは此処迄にしとこう。
「そ、其れよりも……モルゲッソヨが、モルゲッソヨの残骸共が一ヶ所に集中し出したぞ!」
 本当だ--俺は流し切ったと思っていた下品の残骸共が本体に集中する事を知って最近開発した固有魔法の実験台として詠唱を始める。
 だが、零詠唱ではちと難しい魔法故に其れを解除して唱え出す。そんな俺に対して大吉は「何やってんだ?」と声を掛ける。そんな質問に俺は無視を決め込む。相手にしていると集中力が途切れるからな。
 やがて奴等の残骸が編み出した魔法の有効範囲迄近付くと一気に詠唱速度を速めて……「--さて、行くか……イリュージョンホール!」ブラックホールをベースにワームホールの原理を応用した固有魔法--とはいえ、オリジナリティに欠ける為に固有魔法として認定すべきかは別だ……が、風穴を開けて傷一つ付かない侭奴等は消滅してゆく!
「凄い、何か知らんけどあいつらは突然バラバラに分解されて--」
「今だ、其の穴に飛び込むぞ!」
「え、如何ゆう事だ?」
「あれは確実に倒す為に編み出した魔法じゃない。この異空間から脱出する為に編み出したんだ。あれに飛び込んでこんな下品な空間から脱出するぞ、捕まれ!」
 あ、ああ……って引っ張られるウウウウ--速度を制限していられないんでな……と言う訳で奴にとって命懸けな速度で俺達はこんな糞みたいな異空間から脱出する!

 脱出した俺達に待ち受けるのは……『泣き女』の集まり。
「よ、良くも私達の曾ばあちゃんを性奴隷にしてくれたなあ」
「許せないわ、謝罪を、謝罪を!」
「ひいいやああああひいやあああ!」
 俺には其の異様な光景を目の当たりにして如何ゆう反応をすれば良いかわからない。というか場所はあの牢獄で間違いない。然も俺達が寝ていた牢獄だ。勿論、其処に俺が看守に頼んで持って来た質の悪い紙と鉛筆は其の侭。なのに何故『泣き女』共が計百人規模も殺到しているのか俺には理解出来ない。理解出来ないから俺は大吉に事の経緯を尋ねる。
「あれが此の星で有名な『自称被害者』だ」
 自称被害者……其れは紛れもなく加害者に近い被害者。寧ろ、被害を偽っている時点で加害者よりも質が悪い最も極悪な被害者の事を指す。此の自称被害者の何処が酷いか? 其れは詐欺集団の如く他人に偽って金を巻き上げて更には都合が悪く成ると子供の言い訳の如く泣いて許しを乞おうとする所或は怒り狂って必死な様を周囲に見せ付けて被害者面をするという物だ。こんな連中に遭遇したら必ず真に受けずに適当にあしらう事を勧める。少しでも譲歩すると付け上がるから一切譲歩せずに徹底的な態度で臨むのが一番……最も効果があるのは無視する事、此れに限る。
「なので行くぞ、大吉」
 いや、お前は良くても俺は此奴等を突破する術がないぞ……助けてくれえええ--だから組んで行動するのは嫌だよ、一々助けなくちゃいけなくなるからさ。
 とまあこんな感じで『プリズンブレイク』を果たした俺達は其処で待ち受ける<ファーヴォ>の誇る軍隊と遭遇。だが……「お前等馬鹿だろ!」とツッコミをする俺だった。
「え、全然わからない。何処が此奴等が馬鹿だという証拠なのだ……デュアン?」
「口で説明するのが簡単だ。だが、先ずは説明が先だ」
 プリズンブレイク……簡単に言うと脱獄の事。詳しくは辞典で。
 泣き女……其れは自称被害者に見られる泣いたらポイントが稼げるだとか好かれるだとか思っている甘ったれの事。餓鬼が泣く分には良い……が、大人が其れをやるのは良くない。というか不気味過ぎるだろうが、大人がやると。此れと同義な意味で傍迷惑なのが噴火の如く怒る事だろう。怒りは誰にでもあるし、俺にだってある。だが、怒り方次第ではそいつの感情の付き合い方が浮かぶ。特に奇声を上げた後に怒り出すのは今一堪忍が下手糞な怒りっぽい奴に見られる事。というか奇声を上げるな……怒る時は怒るべき場所で怒れるように怒りを手足のように扱えってな。嫌いなんだよ、怒ってばかりの奴は。ま、俺の好みは此の際置いといて泣き女は相手にするな。相手にすると付け上がるからな。
「相変わらずお前は上から目線で物を言うな。誰もがお前みたいに出来る訳じゃないんだぞ、其処を忘れるな」
 わかっているさ、そんな事は--当時の俺は再び天狗に成っていたかも知れない……誰もが俺に届かず、更には俺の足下にも及ばない粕共だっていう驕り高さに溺れて、な!
 まあ、兎に角正面の馬鹿共については次回に語るとするか。何れにせよ、アンダーモルゲッソヨとの戦い、更には第六天魔王波旬へのリベンジが果たせぬまま……続く。


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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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