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一兆年の夜 第百三十三話 終わりの始まり たった一名だけの五武将(終)

(其処で何が起こったのかは当時の俺には考える余裕もない。だが、一つ断言出来る事がある。其れは今思い出すとあそこが代々の王が王名を襲名する地だったと。但し、何処にあったのかを俺が間抜けだった為に最早覚えても居ない。勿論、そうゆうのは相武様に尋ねろとか言う礼儀の知らない生命も居るだろう。そうゆうのは答える筈がない。事実、最後迄相武様は俺に其の場所が何処にあるのかを教えなかった。勿論、俺もそうゆう礼儀知らずな事を尋ねる事はしなかったさ。
 話を戻すと俺は意識を失っている間に幻を見た。其れを詳細にするような事は二度としない。但し、其の概要だけを簡単に纏めると次のように成る。先ずは初期の五武将金の将の鬼族の爺さんが出て来やがった。一度も会った事のない其の爺さんが俺の前に現れてこんな事を言ったそうだ。「俺模為し得なかった事於成し遂げた五武将乃雄余。此れ科羅端お前牙五武将乃魂於受け継げ!」ってな。過大評価も良い所さ。何、何か臨場感がないって? 俺は夢の中の出来事を物語の中に組み込むのは好きじゃないんだ。けれども、やっておかないといけないと思って此れを紹介するんだ。
 其れから段落を変えて続きを述べると未だ未だ幻が出て来る。次からは俺の良く知る五名が出て来る。最初は俺より前の土の将だった真島ポニー輝彦も現れた。あの爺さんはいきなり「良かったああい。此れで俺も喜んで魂を夢宇宙に溶け込めえええるぜい。有難う、お前を後継者にして良かったああい!」と言ってたな。そうだな、漸くあんたと肩を……足並みを揃える事が出来た。そう思うぜ、真島ポニー輝彦。
 そして、藤原サイ団も居たな。「烈火の如く命燃え尽きる迄戦う姿は確かに僕も目指した火の将だい。有難うやい、僕の分迄戦ってい!」何て言ってたがこんなの能々考えたらサイ団の言いそうな言葉じゃない。如何も俺が自ら言い聞かせてサイ団の口癖の真似をしていたような気がする。所詮、生命の魂を聞くとか実際は自分自身で描いた理想の他者を偶像化しているに過ぎないと今では思うからな。
 あ、後三名を未だ紹介していないな。金の将であるシシド・ミリエムとも会ったな。確か「幻とか幻とか抜かしいたなな。だがだが、幻とて其れは紛れもなくわしでもあるある。此れを此れを本者は絶対に言わないと思っても思い出の中の本者は決しいて本物じゃないと誰が言うう。其れを其れを絶対にい忘れない心こそが金の将の黄金為る精神の源じゃアア!」と暑苦しく語ったな。確かにそう言いそうだな、シシドならば。
 次にリリザース・リッサールが駆け付けた。「幻は幻でも私と君との間でどれだけ語られない事柄があろうんともどれだけ互いの事を少し宜しくない感情が芽生えようんとも受け継がれたモノは確実為るん本物。だが、君が唯死ねば其れは本当に幻と成るん。ならば誰かに受け継ぎ続けろ。其れが木の将と呼ばれる戦略的体系の真髄だ!」何て良くわからん事を言ったな。今ではわかるけど。
 最後は山一サンショウ丈さ。「僕達の命を悲しむのは一瞬だし、僕達のために頑張るのも結局一瞬だよ? 幾ら僕達の為に感情を籠めても津波で流すようにもう綺麗に取れちゃうんだ? でも其れが忘却の良い所でもある? 何時までも同じ事を気にしていては前に進めない? 前に進む為にはいったん津波で押し流される事も大事だ……でも忘れちゃいけない事もある? 其れが受け継ぐ者達が居る限りは最後迄其の波を堰き止める水と成る事だよ? 其れが水の将の辛い所だよ?」と言ってたな。此れを聞いて漸く今迄俺が対話した奴等は幻だと気付いたんだよ。道理でおかしいと思った……けど、良い幻だった。全生命体の希望とはこうして思い出を受け継ぎ続ける事なんだろうなあ、ッとな。
 おっと、俺が如何成ったかって? 其れは--)

 九月八十八日午前五時二十分。
 場所は不明。
(此処は……誰かの寝息が聞こえる。誰だ?)
 ライデンが上体を起こすと其処には自らが助けた少女が傍に居る。彼女を起こすライデン。
「お、起きたのですね!」
「ああ、雌の寝顔は余りにも恥ずかしいからな」
「貴方はそう言いますけど、私は心配しましたよ」
「心配はするな……って、左腕は何かできつく固定されているなあ。他にも怪我はあった筈だが」
「其れはもう既に完治しました。早いですね、雄の者の傷の治りって」
「異なるな。単純に軍者は傷付きやすいから其れに伴って細胞分裂が早く成っているだけだよ」
「そうは言っても治るのって結構掛かりますよ、掠り傷一つでも二の日は掛かるそうですから」
「だな。ところで如何して君は何時迄も俺の所に居るんだ……足尾魅羅?」

(そして五武将の終焉についてを描いた物語は終わりを告げて次は魅羅との生り初めから別離を大いにいや大袈裟に描いた恋愛物語が始まる。足尾魅羅は飛遊家と別れた足尾家最後の雌として生き、俺に助けられた事で一生を俺の為に捧げた雌。故に俺は魅羅達を守る事も出来ない己を今でも……いや、少し気が滅入ったな。気が向けば其の物語を大いに語ろう。
 今はもう休むとしようか--)

 ICイマジナリーセンチュリー三百十三年九月八十八日午前五時二十二分二十一秒。

 第百三十三話 終わりの始まり たった一名だけの五武将 完

 第百三十四話 終わりの始まり 魅羅と生きる水の惑星 に続く……

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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