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一兆年の夜 第二十話 二つの星 接触篇

 ICイマジナリーセンチュリー六十三年七月七日午前七時一分二秒。

 場所は天同読五道。仙者である故天同壱生の第一子である天同読五よみごにちなんだ道路。
 そこに齢十四にして十一の月と二十三日目になる人族の少年が腰を屈めながら
歩いていた。
「腹が、減った」
 身長は成人体型一とコンマ一続く三と四の間。鶏量は十二以上。
「何で僕はマンドロス山に向かってるのだろうか?」
 灰色の髪は顎まで伸び、前髪は睫毛より僅かに下まで伸びる。
「足が、動かなく、なって、来る」
 生気がない以上はっきりしないが、両眼は人差し指の大きさより小さい。瞳は青黒
い。
「も、もうげん、かい」
 鼻は兎族のように可愛らしく、そして小さい。
「痛いよ。ただ、どうでもいいかな?」
 耳は普段は顎に上にあるくらい大きく、幸福そうな面持ちだ。
「死ぬかな? もう死んでいいかな?」
 口は拳が入るくらい大きいが、上下唇は小指より僅かに細い。
「えっと『もう死んでいいかな?』か。どう、似てた?」
 少年はどこからともなく物真似をするのを聞いて端整な顔立ちで驚く--うつ伏せ
のまま辺りを見回す!
「だ、誰の声?」
「顔を上げな、少年!」
 両手を地面に付ながらゆっくりと空の方角に顔を向けた!
「あ、誰?」
 少年が見た者は齢二十八にして七の月にして二十七日目になる盲目の青年が
立っていた!
「誰かって? そう、自分の名前はエリオット。名字はボルティーニ。かつてストテレス
人族だった者さ!」
(エリオット? ボルティーニ? どこかで聞いたことあるような?)
「ボルティーニについては知っているだろう? 自分達は代々生命の物真似が得意
なのだよ」
(得意? いやそうじゃない。
 けど、今は虫さんに食べものを与えないといけない)
 少年はエリオットと呼ばれる青年の事よりも食べ物を欲しがった。
「姿が見えないからどうゆう状況かはわからない。
 ただこれだけは当てられる! 腹の虫に食べ物を与えたいんだな、少年!」
 尻尾の部分をキュプロ枝製の紐で括った肩まで伸びる緑髪を右手で掻きながら
言った!
「ああ、そうだけど。よ、よくわからないけど、もしかしておにぎりはあるの?」
 少年はエリオットの方へ左手を挙げた!
「ない!」
 現実は赦しを容れるほど甘くはなかった!
「やっぱり死ぬのかな、僕は?」
「『やっぱり死ぬのかな、僕は?』か。どう、似てたか?」
「いいよ! そ、そうやって僕みたいなのを腰砕けに見るんなら自力で立ち上がって
食べ物を探しに行くよ!」
 少年は腰を砕けた対応に少しばかり意地を張る--両手を支えにして両足の力を
振り絞って、勢いよく立ち上がる!
 それを見たエリオットの顔に笑みが溢れた!
「フッ! 済まない!」
 それを見て少年は更に意地を張る--今度は早足になってでもエリオットを通り
過ぎる!
 しかし、身長が成人体型一とコンマ二はあるエリオットは右手で少年の左肩を
掴む!
「離して下さい!」
「離すのは少年が自己紹介した後にする!
 何て名前だ?」
「名乗ってどうするの?」
「決まってるだろ! ボルティーニ団の一員にしてやるんだ!」
「ボルティーニ団……!
 思い出した! あなたは傭兵軍団ボルティーニの団長を務める--」
「そんな事はどうでもいい! さっさと自己紹介しろ!」
「えっと僕の名前はて……んど」
 意地を張りすぎた反動で少年は勢いよく前に倒れ込もうとした!
 けれどもエリオットが左手で少年の右脇腹に絡める事で防ぐ!
「名を名乗らなくとも少年の……いやあなた様の御名前は御存知であります。
 今はゆっくりお眠り下さい、天同参花様!」
 参花と呼ばれる少年の意識は暗い洞窟の中に入り込んだ!
 こうして二名は出会う! その出会いは三日という短い付き合い。
 けれども二人の中では長く濃密なモノとなって征く……。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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