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一兆年の夜 第百三十二話 終わりの始まり エリオットの記憶は流れ星の中に(序)

 未明。
 謎の青年は自己紹介と共に此の秘境の事をこう呼んだ--勇者の成功物語--と。其の秘境の特徴や更には如何してそうゆう作りなのかを青年成りに考察し、そう結論付けた。
「--成程、君は今迄ずっとそんな激しい戦の世界で駆け抜けて来たんだ」
「そうゆうあんたこそ此処で良く生活出来るよなあ。俺には耐えられないぞ、こんな世界は!」
「僕だって最初は耐えられなかったさ。でも自らが既に此の世に居ず、魂だけが此処に漂着しているとわかれば魂があるべき姿に戻る前に如何してもやらねばいけないと感じてね」
「そうか、ならば俺の方こそもう少し話をしよう」
「未だあるのか、菅原ライデン君の話したい事は」
「ああ、次は首都ボルティーニが陥落する話をしよう。其れは--」
 そして本編へと移る……

ICイマジナリーセンチュリー三百十三年九月七十八日午後九時四十二分十八秒。

 場所は真古天神武大陸藤原大中臣地方迷宮の洞窟前仮設民家群。
 サイ団の通夜は無事終わり、簡素な葬式への準備に差し掛かる所にライデン達の元にとある情報が飛び込んで来た!
「ボルティーニに……隕石が!」齢二十歳にして十の月と二十八日目に成る菅原ライデンは齢三十七にして二の月と十日目に成るエウク蝙蝠族の中年逆崎さかざきコウモ助から届けられた情報に驚きを見せる。「こうしてはいられないじゃないか、通夜だけでサイ団さんの死を悼むしかないのか!」
「そう成るんどご、さっき届いた情報な伝達速度ころしてもう首都ボルティーニご無事ぢほ済まない筈ど。諦めてお前達ほ此処わ首都な代わりたして機能させる事ね目わ向けるべきどざ」
 向かっているのだよね、相武様を含めた四名は--齢十四にして四の月と五日目に成る神武人族の少年であるレット・テンタウは彼等の事を心配する。
「そんなね心配のなこ……わかる気ごする」
「お前にわかるのかよ、サイ団さんの通夜にさえも出席出来ない相武様やシシドの爺さん、其れにリリザースさんやサンショウ丈さんを思うレットの気持ちが!」
「わかるざ、特ねシシドさんほ風な便りね依るた背中ね銀河連合な狙撃わ受けて万全たほいかない状態ぢある事わ」
「なのにシシドは戦う事を諦めないんだ……何故戦う事を諦めようとしないんだよ!」
 其れはな……恐らく金の将としての見本を誰かの口から口に届けようとする為だ--金の将の候補に選ばれたライデンは其れが戦いと密接に繋がる事を理解し始めていた。
「たするたあれこ……最後なカゲヤマノ家なザルノスケご築き上げた金の将な見本わ如何してま守り通したい爺さんどの。そうするた他な五武将な苦労ほ絶えないざ」
「俺はあんたに苦労しているぞ、コウモ助さんよお」
 生意気だな、若造め--コウモ助は情報伝達者に良く見られる大きな態度で以て喋る為に情報を聞かされる者達から常に苛立ちの目線で見られるのだった。
「止めよう、ライデン。コウモ助に満足出来ない事をぶつけるのは俺様達が未だ未だ熟せていない証拠じゃないか」
「だな。俺達の任務は此処の留守を任される事……だったな。だが、其の留守は……お前がやれ、レット!」
 ……何--レットだけが驚かない事ではない!
「何わ考えているんど!」勿論、コウモ助だって蝙蝠族の低音が地面に向かわずに上昇気流に乗って重く圧し掛かる程である。「お前みたいの若造迄首都ボルティーニね向かったろ誰ご次世代な五武将な牽引役わ務められるんどおお!」
 大丈夫……留守は死んだサイ団さんが務めている--其れは魂に依頼するような行為に等しいライデンの理屈。
(死んだサイ団さんが留守を任される……か。死んだ生命が留守何て出来る訳がない。俺も如何しようもなく断りの屈し方が鈍ったな。此れじゃあ屁からの断りの屈し方だ。此れで根拠があるのかよ!)
 ライデンの思う通り、二名には其れが屁から出た理屈にしか聞こえない。根拠も何もない。だが--
「わかった、其処迄意地を張るなら……ライデン、此の先に数多の悲劇を目撃しようとも絶対に悔いたりしないでくれ!」
「付き合ってやるそ……如何し後三な年ますれぼ祖父さんな仲間入りど。けれどまのお……死んだりしとっち俺ほお前ころな苦情ほ一切受け付けんころな!」
 有難う、おっさんが居れば少しは寂しく無く成りそうだ--理由はわからないがライデンの眼から涙が流れる。

(其の涙は明くる日に対して流していたのかも知れない。此れから待つのはレットの言う通り数多の悲劇の始まりだった。首都ボルティーニ……エリオット・ボルティーニの魂を刻み込むように名付けられた新天神武から続く首都名。前期ボルティーニ最後の雄であるエリオットは前期ボルティーニ家の雄らしく真似事が得意な生命。そんな雄がまさか真似られる事に成るとは思わないな……其の衰亡へと至る悲劇迄もが--)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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