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一兆年の夜 第百三十一話 終わりの始まり 急激な氷解は惑星の水位を押し上げる(道)

 午前九時三分四秒。
 相武は五武将に向かって語り始める。
「先ずは火の将、藤原サイ団よ」
「は、何でしょうかい?」
「お前は全生命体の為に道を切り開く炎と成るのだ!」
 ……言われる迄もなくそうしますよい、相武様やい--サイ団にとって当たり前過ぎる言葉でしかない。
「いや、何度でも語るぞ。未だ未だ水没が本格化しない状況にあってもお前だけにしか出来ない事だ。だから忘れず炎の将と成るのだ!」
「繰り返し同じ事を……聞き飽きる事を僕に命じるのですねやい」
 ああ、お前にしか出来ない役目だ--相武は笑みを浮かべてサイ団の角を右掌で摩る。
(サイ団さんが炎と成る? 其れはつまり、サイ団さんに付き者を送る気なのか? だが、そんな者的資源が俺達にあるか?)
 ライデンは此れを合理的に解釈した--だが、結果として其れは大きな勘の違えに成ると此の後知る事に成ってゆく。
「次に水の将、山一サンショウ丈!」
「何でしょう?」
「お前は常に流れる水のように全生命を導くのだ!」
 そうゆう言葉は難しくてわかりませんと何度も言いますのに--サンショウ丈は言われる事が余り好まない生命だった。
「まあまあ、お前さん達山一一族は言葉よりも行動する方が良いという性分なのは既に知っている。だが、其れでも私は君にはそうゆう性分の侭に堰き止められぬ水の流れを描いて貰いたいから言うのだ!」
「今、水没しようとしているのに?」
「其処が君の良くない所だ。余り言いたい事を先に言葉として出すべきじゃない。考えてから出す方が良いだろう。或は--」
「いや、十分です? 僕には何度も口にするように言葉は用意する必要はありません? 言われなくとも相武様や真古天神武、そして全生命体の希望へと至る道を行動で示します?」
「次に木の将、リリザース・リッサール」
「はい、何なりと御命令を!」
「君には何も言う事はない。だが、一つあるとすれば……無理はするな」
 わかりました--リリザースは特に何も言う事がない。
「そして次は……一つ飛ばして金の将、シシド・ミリエム」
「何だい何だい?」
「お前は相変わらずだな。だが、こうして長年終期五武将金の将の御勤め御苦労」
「未だ未だ引退は早い早い。其れに若しいもわしが何かあっても菅原ライデンが新たな金の将を務めてくれるだろうささ!」
 ちょっと待て、俺はそんな話は聞いてない--其れは初耳だった。
「其処で、だ。土の将、菅原ライデン。君は後方支援向きの土の将としては余りにも支援を疎かにし過ぎた。此れからは金の将に内定しようと考える」
「ちょっと待ってくれないか? 其れは確か力自慢が成れる将じゃなかったのか? 俺よりもサイ団さんの方が適任だと--」
「僕は火の将の方が心地良いので頼まれても辞退させて貰いますやい」
「僕は絶対に成りたくない?」
 いや、サンショウ丈……お前に頼むんには心細い将だぞ、金の将というんのは--勿論、元々作戦参謀に相応しい木の将のリリザースも辞退するだろう。
「其れで俺なのか?」
「満足出来ないのか?」
「鬼族のように力強くもないんだぞ、人族って」
「其れでも土の将としては余りにも支援を疎かにし過ぎる。其れに二名の付き者も悉く君を支援に向ける事も出来なかった」
「あの二名は元々其の為に俺の所に寄越された物だったのですか!」
「いや、実は金の将として成長を促す為だった。そう成らなくとも少しは支援向きに成長するかと期待も込めたが……上手くは如何物だ」
 其れが世の中ですね--と覗き込むレットが扉の前に立つ。
「如何した、レット?」
「実は……迷宮の洞窟に、銀河連合が現れた!」
「……では出陣するぞ、皆の者よ!」
 相武の合図と共に彼とレットを含めた七名は迷宮の洞窟へと窓から飛び込むように進入してゆく!

(此れが最後の皆揃っての五武将の出陣だった。何故なら--)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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