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一兆年の夜 第百三十一話 終わりの始まり 急激な氷解は惑星の水位を押し上げる(要)

 九月七十日午前七時四分一秒。
 場所は大陸藤原大中臣地方迷宮の洞窟前。
 其処は迷宮の洞窟以外ほぼ全てが水没寸前迄水位が上がっていた。此の侭進めば迷宮の洞窟入り口に水が入るのも時間の問題であった。そんな場所には数多の仮設民家が建てられており、其の中で迷宮の洞窟付近には最大で八つも二階建て仮設民家が建てられてある。
 其の中の老朽化した素材を使用して建てられた二階建て仮設民家の二階で目覚めるのはライデン。彼は二の日より前にサイ団とサンショウ丈に救出されて以降は暫く指令が下る迄は迷宮の洞窟付近で待機するよう命じられた。其れは首都ボルティーニの一部機能が完全じゃない事だけじゃない。
(六虎府の経済都市がやられてしまった。幾ら工業で何とか出来ても金を回す為の都市が水没してしまっては如何しようもない。幸い工業都市は半分機能している。暫く経済都市代わりを担うなあ……情報を聞いて驚いたが、其れだけじゃないだろうなあ。
 正直、俺が長い間漂流していたから全て聞き取るには体力も儘成らない。おまけに視力も宜しくない。とある鶴族が開発したツルドルト環の巨大な物は何とか口は見えるけど、其れ以下だと両眼でも見えやしない。そんな状態を含めて昨の日の俺は安静を優先されたしな。だが……今日は視力以外だと完全と言えなくとも聞き取りに関しては問題はない。戦いの場に復帰するのは又今度としても……だ!)
 ライデンは仕事に復帰したくて屈伸を何度もする。そんな彼の様子を眺める生命が一名。齢十四にして三の月と二十七日目に成る神武人族の少年レット・テンタウ。
「何だ、心配か?」
「ああ、此れから真古天神武は如何成るんだ?」
「こう成る事は既に予言された通りだ。俺達は其の予言した日に備えてずっと先者達が準備して来ただろう。今更弱音か?」
「弱い事は良くない事か?」
「強い方が全てを助けられるだろうが!」
 だが、俺様には其の答えを理解出来ない時が多々ある--レットは此の歳頃に良くある安定しない悩みに陥る。
「レット、お前も其の時期が来たんだな。実力では常に上を行くお前が如何して悩みを持つか」
「あんまりわかる辛い事を言うな。俺様は水の惑星がどんどん生命が住めない世界に成ってゆくのがとても憂う」
 大丈夫だ、レット……そうゆう嵐は俺達が堰き止めて行くからお前は其の先に在る希望を掴み取れ--ライデンはレットに思わない言葉を告げる。
「ライデン、お前は如何したいんだよ」
「さあ、な。親父や祖父さんみたいに考える事があったんだ。そんな経験をして俺は漸く道が切り開けた気がする」
「切り開いた先に在るのは何だろう?」
 さあ、な--ライデンはそう言いつつ、窓の近くに移動するライデンの隣に立つ。
(此の光景が何時迄続くかはわからない。迷宮の洞窟に水が流れ込んだらもう此処は無事では済まない。そう成れば俺達は--)

 九月七十七日午前九時零分一秒。
 場所は迷宮の洞窟。
 其処で五武将は全員集結する。其処には齢七十六にして十一の月と六日目に成る神武人族の老年天同相武も居た。
(久し振りなのに……随分年を摂られたな。こんなにも痛ましい姿に成って迄、相武様は其処迄戦い続ける宿命なのか!)
「わしのわしの事も心配するんだだ」齢五十にして十一の月と六日目に成るルケラオス獅子族のシシド・ミリエムは構って欲しい様子。「最近は最近は腰が痛くて目が霞んで……もう余命幾許もないなな」
「そう言ってるん内は大丈夫ですんな、シシド殿よ」齢三十五にして六の月と八日目に成るキュプロ栗鼠族の中年リリザース・リッサールは白髪が増えた己の方に注目を集めようとする。「白髪は活力が消え始めた証拠だと昔から言われるんそうんだが……本当か?」
「わからないですよ? 僕はそうゆうのあんまり詳しくない?」
「だが、寿命が短く成る証拠として死んだ父上が良く白髪を生やしていたそうだない」
「とはいえ、五武将全員無事で良かった」
「いや、真古天神武は最早国の体を為さなくなりつつある。支援物資も、各地に送る軍者の数も、そして継戦能力を維持する為の物資も……何もかも!」
「相武様……其れは自ら口にする事ではありません!」
 其れでも私は……希望を捨てない--相武の眼は未だ活力が溢れていた!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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