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一兆年の夜 第百三十話 終わりの始まり キシェール最後の雄(始)

 四十三日午後一時七分四十八秒。
 場所はアリスティッポス大陸七の地。
(どんだけ掛かる所に暮らしているんだよ。中心地とか代々の大王と法王が暮らす所じゃないか。こう思ってもいざと成ったら此処まで面倒な所だと思うと心苦しいぜ!)
 此処で言う心苦しいとは好まない苦しさを表す。さて、言葉の意味は兎も角としてもライデンは志乃とルドールを合わせて三名で来る訳ではない。五名で来るのである。齢二十三にして二の月と十六日目に成るラエルティオ山椒魚の山一サンショウ丈と齢三十三にして十一の月と十日目に成るエピクロ犀族の藤原サイ団も居る。現五武将の三将と志乃とルドールだけで齢四十一にして六の月と三十日目に成るメデス蠍族のキッシェル・キシェールが暮らす区画へと向かうのであるから何が起こるかわかった物ではない。
(銀河連合の事は考えるな。そうゆうのは頭では考えられない生命が担当するべき直感の物事だろう。俺がやるべきは志乃の後押しをする事だ。志乃が無事に後継者としての姿を……若しも此処迄生き延びているとわかれば無事にICイマジナリーセンチュリーは引き継がれるんだよ!
 俺達は万が一の為に志乃を守るんだよ!)
 ライデンの心配に対してサイ団は次のように言う。
「ライデン、余り考え過ぎるない」
「サイ団さん、如何ゆう事ですか?」
「いやい、僕が言うのも何だい。此れから生きているのか死んでいるのかもわからない其の有名な暦研究家の所に向かうんだい。何て言うかい、其の……あれだい!」
「何が言いたいんだよ、サイ団さん!」
 何があっても菅原ライデンは僕達と共にあるやい--サイ団はまるで先を見通すような事を告げるのであった!
(何を思うんだよ、サイ団さんらしくない一言だな。未だサイ丼さんでも現役を続けるシシドさんや参謀のリリザースさんに比べたら若手……若手でも良いな。俺やサンショウ丈さんはもっと若手だ。そんな未だ未だ若手のサイ団さんが如何していきなりこんな事を口にするのか俺には理解出来ないな!)
 そんな心配をしながらもライデンは一の分より後には話題をキッシェルの方に移す。サイ団の心配をする位なら何時死んでもおかしくないキッシェルの方が心配の種で溢れるのだから。
 そうしてライデンを含めた五名はキッシェルが暮らしているというかまくらに到着。其処で見たのは二の年より前と何ら変わりがしないが白殻を更に染め上げるキッシェルだった。
「来たかっち、既に鋏紙は読んだぞし!」
「又論破しに来たぜ、爺さんよお」
「碌に説明出来ない事を論破出来なし若造が……おや、其処の一名が例の--」
 はい、春風志乃と申します……早速ですが、キッシェルさんのICイマジナリーセンチュリーは私が引き継ぎます--目的を直ぐに告げる志乃。
「雌だなせ、余り受け継ぐ者としては相応しくない性別だせ」
「性別で判断するのは良くないよ?」
「いいえ、正しいのですよ……山一さん。私は勉強して雌雄の特徴について猛勉強もしました。たった一の年如きですが其れでわかった事もあります!」志乃は説明よりも先に結論を述べる。「何時も遺産を受け継ぐのは雄の務め、雌がやるのは生産……決して雌は工場ではありません。雌は知識の種を後の世代に渡す為にあるのです!」
「知識の種を後の世代に渡すとは何じゃし?」
「はい、雌は如何やっても雄のように強くも成れないし屈強であり続ける事も出来ません……ですが、子を思う心と帰るべき場所を整える強さと更には後の世代に渡す能力は雄より遥かに勝るのです。でないと子宮の存在もお腹を膨らませる意味も雄の悩ましい男性器がない理由も説明が付きません!」
「随分と心を耐える強さを持つなせ。通常、性別というのは意地が妨げる物だっさ。なのに其の意地と格闘しながら良くぞ心理を述べたっせ……弟子にはしないが、下らない知識を一つや二つ与える興味は抱いたじ!」
 オイオイ、死に掛けなのに意地貼って如何するんだよ--キッシェルのつまらない大人気なさに呆れるライデン。
「……ライデンにサンショウ丈だい」小声で二名に伝えるサイ団。「気配を感じなかったかい?」
 ……感じるね、無茶苦茶多そうな気配が--サンショウ丈は曖昧にしか答えられない。
 無論、サンショウ丈だけじゃない。ライデンも明白に其の殺気がどれ程の規模か正確な数を把握し切れないのか……「氷型か? 其れとも例の水型なのか? どっち道、銀河連合の手段は無数にあって断言を避けるぜ」と少々強気を崩して答えるしかなかった。
 五武将の三名だけじゃない。学問の道を歩んでいるとはいえ、かつては武芸者であった志乃が気付かないモノではない。彼女もキッシェルと話しながらも目線は左右に忙しく動かし回る。なので--
「オイ、わしの話が先か銀河連合の方が先か択一させるし!」
 そうですね……今の私は未だ菅原ライデンの付き者である春風志乃なのです--三つに分けて持ち運んでいた蛇腹式の蘇我鋭棒を組み立てて構える志乃!
 当然、志乃が構えを始めていれば他の三名だって既に構えをしている。何故構えるのかに気付かないルドールは尋ねる。
「ひょっとして銀河連合は既に接近しているのか? 自分は如何すれば良いのだ?」
「其処で大人しく--」
 来たぞやい、三名共やい--サイ団の声と同時に氷の大地から顔を出す土竜型と蚯蚓型と鼠型!
 いや、三体だけじゃない。何と蟻型が三体が顔を出した場所から一斉に飛び出して四名に向かって進軍を開始!
(道理で正確な数を測れない訳か……だが、此奴等は未だ今後の戦いの序でしかないかも知れない!
 だから素早く終わらせに……行く!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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