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一兆年の夜 第百三十話 終わりの始まり キシェール最後の雄(初)

(そう言えば度々聞かされる単語がある。単語というよりも暦と呼ばれるのかな? 俺は地質でもなければ気象予報士でもないから暦については詳しくない。だが、詳しくない俺が知っている暦の中で俺達の歴史を表すモノがある。其れはICイマジナリーセンチュリーだ。此奴を提唱したのが確かあるキシェールの雄が言うにはプラトー燕族のストルム・ササーキーとの事。だが、後で何の許可も取らずに入って来たルドールに依るとストルムはあくまでICイマジナリーセンチュリーの原型と方向性を決定付けただけであってICイマジナリーセンチュリーの創始者はキッシャ・キシェール只一名だけ。故にキシェール家が本元と呼ばれても別に相違はないとの事。此れにはあるキシェールの雄は反発したそうだな。今回は其の話を含めてICイマジナリーセンチュリーとメデス蠍族最後の雄である一生を独身で貫いたキッシェル・キシェールの物語を俺の視点から振り返るのも良いかも知れない。
 まあ最初は俺が暴走してレットに止められてから一の日の昼頃だったな--)

 ICイマジナリーセンチュリー三百十三年三月十八日午後零時二分三十八秒。

 場所は真古天神武六虎府工業都市第三西地区菅原ライデン邸一階寝室。
(あれ、俺は如何して此処に?)
 齢十八にして八の月と二十三日目に成る菅原人族の少年にして家の主であるライデンは目を覚ます。見上げると齢十二にして二の月と二十四日目に成る神武人族の少年レット・テンタウが傍に居た。
「あれ、俺は?」
「良かった、言葉が出るなら間違いなくライデンだよ!」
「ああ……そうか、又やっちまったのか!」
 気にするな、ライデン……銀河連合はそう簡単に払拭出来ないさ--とレット成りに慰めの言葉を口にする。
「慰めかよ、まあ流す」慰められると益々情けなくなりそうでありながらもレットの性格を尊重して受け流しの対応をするライデン。「其れよりも結局お前からはあんまり勝ちを拾えなかったな」
「如何かな? 俺様は大層苦戦したさ。結構ライデンは強く成ってるし……イデデ」
 其処は流すか……此の生意気小僧め--レットの左頬を右人差し指と親指で挟みながら抓るライデンだった。
 そんな時、扉を叩く音が二名の耳に届く。レットには身に覚えがない叩く音だが、ライデンは其れに心当たりがある。
(やや軽い……リリザースさんだな!)
 起き立てでありながらも軽快な動きで玄関前迄駆け寄ると内側へと軽やかに開けるライデン。するとライデンの思った通り齢三十三にして四の月と四日目に成るキュプロ栗鼠族の中年リリザース・リッサールが背後で恥ずかしそうにしている齢十七にして五日目に成るプラトー人族の少女を連れてやって来た。
「やあ、リリザースさん。まさか子作りをさせる為に其処の雌の子を連れて来たのですか?」
「いきなり何を言い出すんだよ、ライデン。というか話は聞いたぞ、未だ……自らの銀河連合を制御出来ないそうんだな」
「言うな、彼女が怯えているぞ」
「ああ、済まない済まない。実は此のプラトー人族の少女にして春風家最後の雌である春風志乃を連れて来たのには訳があるん」
「どんな訳だよ」
「実はお前が謹慎中は土の将の代理としてレット君を招集するんようん相武様から命じられましたのでな……済まんな」
 俺様が……ライデンの代理を--レットにとって其れは想定外其の物だった!

(実は単なる代理だけじゃないんだ。相武様は本気でレットを次の王にしようとしていたんだよ。だからこそ敢えて五武将土の将として護衛をさせつつも国民全員に後継者を紹介しようとしたんだろうな。ま、其の話を語る事は余り少ない。
 何故なら此れは俺の物語であってレットの物語ではないからな。だから俺の物語ではレットを連れて首都ボルティーニへと向かったリリザース達の背中を見つめながら俺は恥ずかしがり屋の志乃と一体どんな話をすれば良いかに困ったな。そんな話から始まるICイマジナリーセンチュリーのお話。次は--)

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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