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一兆年の夜 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く(死)

 午後二時四十五分十四秒。
 ライデン、翼、ポニー輝彦、サンショウ丈は成るべく第三者に入らないように戦闘区域周辺に禁止網を設ける。
(其れでも入って来る生命は入って来る。だが、其れは命知らずでなければ入る気も起こらないだろう)
 幾らサイ団が助かったとしても一般生命が二名も死ぬ事はあっては成らない。特に菅原の苗字を受け継ぐライデンにとって此処は隣近所同然--一名が助かる為に二名が死ぬのは耐え難い。
(なればこそ死ぬのは軍者が果たす。一般生命は寿命を迎えて死ぬか病に倒れて死ぬかの何れかだ。其れ以外の死を誰が受け入れるか!)
 死を覚悟するのは何時も軍者或は戦士の役目。戦士以外は戦いに於ける死は望めない。仮に望めたとしても其れは戦士の気質が歩かないかである。其れが無ければ戦いに巻き込まれて死ぬ事と変わりがない。成ればこそ四名は一般生命を守る為に死線を潜るのである!
 其れから四名は百獣型が伏兵を用意するかも知れないという僅かな可能性を懸念しながら接近。勿論、一般生命の性質上は奇襲という物は成功した試しがない。性質上、全生命は疚しい事を好まない。そうゆう性格が多いからそう成ったのではなく、其れが遺伝子いや魂の段階でそう作り込まれるが故に。だが、銀河連合は奇襲を好む。全生命には出来ない事を平気でやる事が出来るから。故に四名は伏兵の存在を疑う。伏兵の事が頭から離れない。
(とは言っても断言して良い事は百獣型は数多の歴史から踏まえても力に溺れる性質を持つ。俺も一度は溺れ、取り返しの付かない事をしてしまった。そして、其れは繰り返し続ける。歴史が同じ事を繰り返す様に奴等も又、繰り返し同じ間違いを繰り返す。なので伏兵の可能性が有り得ないとすれば力に溺れる事……位だな。
 最も力に溺れて呆気なく倒されるような奴だったら……俺達が接近している事に欠伸をしながら気付いている事だろう。時々、鋭い目線で睨むのは気付いている証拠だ。だが、此れ以上は気配を消して接近する事が出来ない。其れだけ俺達は奴にとって格が下方修正の位置にある証左だろう)
 ライデンよ、どんな根拠でも終わあああってみないとわあああからない物さああい--ポニー輝彦は突然、ライデンの心境を察して話し掛ける。
「いきなり何を言い出すんだ?」
「大声上げても伏兵は来なあああいんだろう。其れが百獣型が力に絶対の自信を持おおおつうん証拠……と少し力に自信を持つ者ならそう分析するだろう。だが、其れよりも重要な事が一つだああああけんあるだろう!」
「何だよ、重要な事って?」
「戦う迄何も考えええいるな。其の前に踏みいいい出せん……以上だ!」
 ……そうだったな--そうしてライデンはあらゆる可能性を仕舞って一つ……『戦って倒す』事だけに集約した!
 其れから周囲成人体型三十三より少し離れた所から包囲を始める四名。そして百獣型は四本足で立ち上がると四名すべてに剥き出しの眼球で睨み付ける--其れに押されたのが……翼だけ!
 其れに気付いた百獣型は翼に狙いを付けて一気に走り出す--だが、全速力に乗る前にポニー輝彦の先の先を打つ横方向からの突進を受けて横転!
「どんなに怪力自慢で見えなあああいん速度でも……最速に乗る前に打てば案外、交通事故を起こす物だぞおおう!」其れから両前足に取り付けた四足歩行用の雄略包丁で踏み付けに入る。「いざ、往かああンン!」
「拙いよ、百獣型の右後ろ脚が変な方向で立ち上がっているように見えるよ?」
「サンショウ丈さんよお、爺さんには其れが見えない方向だよ--」
 おっとおおう、俺は元土の将だぞ……足の使い方では一枚も二枚も上足だ--直前で左後ろ脚を支点にして百獣型の前左足の回し蹴りを紙一重で回避するポニー輝彦!
「摺り抜けたように……見える!」
「良く見てナアアい、坊主。継ぐ者はちゃんと先代の戦い方を学んで行けええい!」ポニー輝彦は更に首を砕く程の勢いで繰り出す百獣型の左前脚の突きを直前迄見切って回避しながら前右足に装着した包丁に依る斬撃で首の動脈を狙った。「惜しい……浅あああいいん!」
 既に三名が割って入れない戦いへと発展。誰もが如何したら超近距離で斬り合ったり叩き合ったりするのに致死量を見切って回避出来るのかが不思議に思える程だ!
「あんなに近いのに何で当たらない?」
「引退した身でありながらあの動きは……馬族なのに精細過ぎます!」
「いや、爺さんの方が……有利じゃない!」唯一、戦況を分析出来るライデンは安心出来ない思いを感じる。「サイ団さんでも太刀打ちが出来なかったんだ……経験値が幾ら高くても、最強の百獣型は其の穴さえも的確な攻略法を見付けて来やがる。後少しで爺さんは確実に攻撃が当たり続ける!」
 ライデンの分析と予測は正しかった。其れから一の分より後、ポニー輝彦の顔面に皮膚が剥がれる程の一撃が入り出してから攻撃が当たり始める。即死級或は流れを一気に引き寄せる致命の一打こそ避ける物の、徐々に痛みは蓄積してゆく。
(だからこそ爺さんは俺に見届けろって言ったんだ。見て学習するように促したんだ……でも相手が良く無さ過ぎる。何で依りにも依って最強の百獣型なんだよ。俺は……此れ以上俺の為に死ぬ生命を見たくない!
 左腕の傷が何だ……踏み出すしかない、今しか爺さんを助ける術は残されない!)
 ライデンはポニー輝彦に言われた事に従い、右足を……踏み出す!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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