FC2ブログ

一兆年の夜 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く(就)

 午後一時三分四十八秒。
 場所は客者食堂。其処は客者に食事させる為だ家に用意された部屋ではない。相武以外の聖堂の住者が毎の日三食ずっと食べる為に用意された食堂。本来ならば相武は其処で食事をしない筈だった。だが、彼は兄貴分にして人生の匠でもある地同翔和とわと食事を共にする内に以来此処でないと朝起きた時の朝食も摂らない習慣が付いた。
 そして、ライデンが此処で昼食を摂っている時に彼はやって来た。
「遅れて申し訳ない、君はラディルの孫であるライデン君だったね」齢七十三にして八の月に成ったばかりの神武人族の老年にして現在も王を務める天同相武が口元を覆う白髭と肩迄伸びる白髪、そして皺が溢れる状態でライデンの前に姿を現した。「随分成長したね」
「相武様……お目に掛かれない内に其処迄年を摂られましたか」
「ああ、最近は能力さえも出す方法がわからなくなった。其れと十の年より前に比べて更に体が思ったように動かなく成ったな。まあ、だからこそ君には命を懸けて貰うのじゃ」
「ハハ、では相武様。五武将土の将襲名式を--」
 其の必要はない……私と再会した時点で既に君は立派な五武将の一員だ--相武は儀式的なやり取りを余り好まない様子。
「ハハ、祖父さん……いや、祖父の言う通り面倒な事が余り好まない方ですね」
「敬語で言い合うのは余りにも私が高みに転がっているようで好まない。依って対等に語り合う事を許可する」
「心遣い有難う御座います。ですが、俺は敬語が上手く話せない質であります。幾ら相武様が許可為さっても貴方様以外でも敬語なしだと習慣上困る事もあります。ですので此れからも相武様の前では俺なりの敬語でお話しする事を貫かせて戴きます!」
 其処もラディルと良く似ているなあ、わかった……あいつの性格を知る私からすれば言い出したら止まらんので好きにするのだ--相武は左手で白髪を掻きながらも血は争えない性に呆れるのだった。
「全く相武様はいい加減過ぎますから部下が好き勝手しますよ」
「そうゆう翼も先祖の飛遊実兎みう同様に家を飛び出して此処に来たのだろうよ」
「勝手な縁談を私は好まないのです」
「縁談は将来を共にする為の必要な事だろう。恋愛で結ばれるにしても--」
「じゃあ菅原さんは好きな生命と結ばれるよりも自分にあった生命を親同士が決める事が最も意味ある事だとお考えですか?」
 近付けるな……俺は異性とまともに、顔すら、見れんのだ--特に年齢が近い翼から如何しても視線を合わせられない初心なライデンが其処にある。
「成程、菅原家代々の至らない所はやはりラディルも克服させなかったか。奴とはもう少し君の事で相談したかったが仕方ない」相武は次のように命じる。「五武将にはかつて雌も居たが、今では中々雄勝りの雌は見付からない……なので翼よ、彼の付き者と成りなさい!」
「はい……え?」翼は反射で了承の意を露わにして次のように前言撤回を始める。「ちょ、ちょっと待って下さい。今のは、無しです。こんな何処の馬族の骨とも知らない方の付き者なんて、わ、私にはと、とても荷が、重た過ぎ、ますよ!」
「前言の撤回は認められない。其れに何時も勝手な事ばかり言って困らせる翼にはしっかりと社会経験をして飛遊家に戻らせるように……と御両親からの提案があった」
「パパやママが……全く私の知らない所で勝手に話を進めてええ!」
「そうゆう訳だからな、ライデン君を如何か命懸けで頼んだぞ!」
「え、俺もいきなり雌の方と然も……こんな方と一緒だなんて、そ、そんなのは!」
 こうしてライデンに頼れる相棒が出来た。

(翼さんは生涯を共にする良き相棒として最後迄俺を支えた。まあ、彼女とは如何ゆう思い出と別れを経験したのかは正直言って語るのか迷う所だ。まあ、此の話は彼女だけの話じゃない。此れから俺達は最強の百獣型と相対してゆく話へと向かわないといけない。まあ、其処迄に至るまでは時間が大分掛かる事を容赦してくれ!)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR