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一兆年の夜 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く(序)

 未明。
(やはり思い出せないな。思い出すのに時間が掛かる事もある。次の話は確かに百獣型との戦いだ。だが、其の前に銀河連合の種類について整理してゆこうと思う。御存知の通り、銀河連合は俺達の種類だけ居る他に特殊な姿をした銀河連合が居て、そいつ等が何かと脅威と成る。
 例えば純粋な強さでは最強に位置する指揮官型の存在。奴は六本の腕と二本の足、其れに加えて二本以上の隠し腕を内蔵した正に強さを突き詰めた技巧派且つ最強。最強と呼ばれるだけあって更には速度も通常では考えられない物と成る。実際、俺も体感して思い知らされたからな。まあ其の話は又今度にするとしてもだ。兎に角、指揮官型は天同生子の時代に現れ、猛威を振るい始めたのは彼女が死んでからの時代だからな。昔も今も厄介な銀河連合として君臨する。
 次が拠点型だろうな。最初の国として誕生した国家神武。其れを丸ごと呑み込んだ後に誕生した初めての銀河連合生産工場。尚且つ、内部では生命の臓器を表す数多の種類もの銀河連合が蠢く。おまけに内部の臭いは強烈だ。今みたいに全く気にしなく成ったのはきっと俺達も銀河連合に迫っているのか或は耐性が付いてしまったのかの何れかだろうな。生物学の観点でも……いや、其の話は今やるべき話と関係ないな。
 三つ目が獅子型の上位互換に等しい百獣型だ。此方は獅子型の姿をしておきながらも怪力では熊型に近く、瞬発力は象型に迫る勢い且つ技巧派としてはカンガルー型の其れに近い等々、百の獣の頂点に達するような凄味を持つ特殊な銀河連合。但し、指揮官型程の恐さを持ち合わせていないが為なのと素足に依る攻撃を主体とする為に其処迄苦戦はしない。だが、時たまとんでもない百獣型が存在する。其れが最強の百獣型と呼ばれ、今回の話では其れに関する物だ。俺にとって試練に等しい物さ。まさかあんなに強い銀河連合が此の世に存在しているのかって思うと如何しようもない気持ちに成ってしまう。
 では四つ目に移る。此処で一旦、話も思い出して来たので此れで終わりにしようと思う。混合型を忘れていた。此れは恐らく拠点方や指揮官型より前に姿を現した異形の銀河連合。要は何でも組み合わせれば強い銀河連合が出来るんじゃないかって思考が奴等の中にある。俺だって子供の頃は思ったな、象族の力とチーター族の速度、其れに鯨族みたいな意思伝達機能を備えれば最も強いのではないかってな。だが、利点は劣点と混在する法則があってチーター族の速度は旋回を困難にして旋回を含めるとチーター族は俺達人族に競争で勝てないという指摘があるそうだ。象族の力もそうで、幾ら怪力自慢でも象族は一旦屈むと起き上がるのに体力の浪費が激しいと聞く。怪力の代償が其処にあり、故にずっと立った状態を維持しないと難しい身体構造と成る。鯨族の方も紹介したいが、此処迄にしよう。兎に角、そうゆう事もあって混合型は数多登場しても組み合わせる度に組み合わせない方が強いという結論ばかりが目立つ。故に俺が生きた時代に成るとほぼ登場しなく成るのが正に奴等が気付き始めた証拠なのかも知れない。
 ……いや、良く考えれば混合型は未だ存在するのかも知れない。新たな銀河連合創造の為に奴等は表に出さないだけで。実際、拠点型及び大樹型の存在はあくまで生産工場という運用が正しい姿なのだとすれば!
 おっとそろそろ始めようか。最初は俺が相武そうぶ様と久方振りに会った時の話からだ--)










 ICイマジナリーセンチュリー三百十二年十一月百日午前九時一分七秒。

 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区神武聖堂第二客室。
 其処で齢十七にして七の月と二十日目に成る菅原人族の菅原ライデンは早朝八時に神武聖堂にやって来て約一の時も此の一室で正座をしながら待っていた。
(遅いなあ、相武様は。やっぱ多忙な生命と会うなんて予定表の隙間を縫うようでなかなか難しいのではないか? 最高官様だろうとそうだけど、基本的に忙しい身だろう。俺の為にわざわざ予定表の隙間に差し込む事も無かろうに。俺はそう思うんだけどなあ)
 そう思いつつも既に三杯目のボルティーニ産のお茶を一気飲みする落ち着きのないライデン。すると齢十九にして九日目に成るエウク人族の少女が顔を覗かせる。
「何だ、貴女か。又頼む」
「はいはい、そう来ると思いました。でも、話をする前に尿意が訪れたら責任は取りませんよ」
「其の時は君を……何でもない」
 あれ、何故其処で話を止めるのです--ライデンは性的な話が苦手であるのを少女は知らない。
(苦手なんだよな、昔から雌と話すのは。其れにもっと苦手なのは……はあ、俺には姉さんみたいな生命が居なかったんだよ。だから彼女を見ると如何も如何ゆう反応を採れば良いのか俺にはわからない。正式に五武将に成ろうという俺がこうして待つのも恥ずかしい話だよ。本当に此れで良かったのかなあって。
 如何も初めての場所に待ち合わせる感覚が此れだからな。本当に此れで正しいと思う事が多々あるんだよ)
 そう考えるライデン。自分が置き去りにされたと考えた少女は次のように声を掛ける。
「あのう、菅原ライデンさん?」
「何だい、お代わりは未だ注いでないだろ?」
「そうではありません。相武様が此処に来る迄の時間は中々、待つと思いますわ。其の前に厠に行かれては如何ですか?」
「別に其処迄気にするような尿意じゃないぞ」
「ですが、幾ら尿意を溜める事が施行を高める事に繋がるとしても限度があります」
「其れ本当なのか?」
「此の話を御知り為さらなかったのですね、菅原さん?」
「初めて聞いたぞ、尿意が思考を高めるって」
「はい、高めます。けれども、私達雌は雄みたいに尿を溜め続けられるような構造には成っておりません。其の点は羨ましく思います」
「わかった。じゃあ厠に行って来る」そう言って立ち上がるライデンは次の事も尋ねる。「ところで貴女のお名前を聞いておこう」
「飛遊翼と申します」
「翼か……良い名前だ」
 其れからライデンは翼に案内される形で厠に向かう……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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