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一兆年の夜 第百二十七話 終わりの始まり 五武将として(戦)

 午後七時三十二分四十四秒。
 戦いは僅か三十分足らずで終わりを迎えた。ライデンは圧倒される!
(たったの五本であんなにデカかった犀型を……翻弄するなんて!
 というか左眼に二発も綺麗に狙えるなんて。然も本当に物部刃の威力なのかよ!)
「フウ、疲れたああぜえい」ポニー輝彦は事を終えると腰を下ろして両前足だけで望遠刀の整備を始める。「少し精度が落ちいいいいたかあああんな?」
「何処が精度が落ちたんだよ。何であんなに無駄が無いんだ!」
「そうううんか? 全盛期に比べれば俺も大概、当てええええいる技術に衰えを感じるがな。あの程度……一発か或は三発程度で済むうううん筈だったんだけどな」
 技術の衰え……寧ろエエ、磨きが掛かっているように思われるエエ--スネッゾルは一部始終を眺めつつも巨大犀型で死んだ生命の埋葬を進める。
「あ、そうだ。犀型に依って死んでいった生命の……ウグッ!」
「無理な事はやあああうる物じゃない。後は俺達が何とかすううううううんるから病者は静養して居ろ!」
 そ、そうする--未だ未だ万全じゃないライデンだった。
(未だ未だ現役続けられそうな足前なのに……何故後継者に俺を指名したのだ? 其れが気に成るなあ)
 ライデンにとって腑に落ちない事がある。其れが前述したように真島ポニー輝彦が如何して自分を指名したのか? 足前から見てもポニー輝彦には未だ未だ現役を続けられるだけの体力と技術と胆力がある。其れだけじゃない。ライデンはスネッゾルにポニー輝彦の寿命が少ないのかも尋ねた。
 答えは合致せず。ポニー輝彦は酒を嗜む生命であっても癌一つ出来るような心配性の生命ではない。何よりも病気らしい病気も患わずに今日を生き抜いた。彼が死ぬとしたら老衰か或は戦いに依る死以外にない……スネッゾルはライデンに向かってそう断言する程である。
 そう成ると何が原因なのか? 其処でライデンはポニー輝彦が故郷のエウク県に帰還する前に尋ねた。

 五月百四日午前五時一分十八秒。
 ポニー輝彦は昨の日にライデンに約束された時間に藁の病室を訪れる。
「朝から老い耄れに此の時間帯は体に堪えるぞおおう」
「何処がだよ……聞いたぞ、先生からたっぷりな。あんたが死ぬ時というのは--」
 ああ、わかあああっている……俺には死ぬ予定の大切な息子が居るうううんだ--未だ尋ねても居ないのにそう答える訳ありなポニー輝彦だった。
「死ぬ予定? あんたには子供が居たのか?」
「正確には生まれた時から長生き出来ない最後の子供だあああい。あいつを除いて八名居た子供達はみんな銀河連合の隕石雨に巻き込まれて死んんんだ」
「銀河連合の雨かあ。確か今は無いとされる仁徳島の学者が唱えたという歪みの範囲で到来する流れ星の時期と規模が変化するという奴だな……名前は忘れたが」
「俺は学紋が詳しくないので其処は木の将を務めるプトレ縞馬族の紺柴ファウ一郎に聞くのだああああんな」
 あんたよりも年寄りの爺さんと聞くんだけど……俺が襲名した時迄生きているのか--言葉通り、ライデンが襲名した時既に故者に成った後。
「其れよりも如何して余命幾許もない最後の子供の話を出したか教えよおおおうんかあああい」
「頼む、何処迄心境に共感出来るかは自身が無いけど……あんたが将を誰かに譲る程の事だよ。出なければ俺は、望んであんたの跡を受け継げない!」
「わかったあああい、話そう……但し」銀河連合はどんな時でも必ず出て来る。「昨の日よりも更に巨大な犀型を菅原ライデンが倒す事が出来れば考えても良いぜえええんい!」
 ライデンは未だ完治していない状態。当然、そんな事が出来る筈もない。全長成人体型十二にも成る今回の巨大犀型は昨の日に五本も使用したポニー輝彦としては出来れば戦いたくない相手。其れでも相手にしないといけない時もある。
「駄目だ、おっさん。如何考えても無茶な状況だ!」
「状況が状況でも……相武様を守る為に選ばれた俺は刃を引くうううんのだ!」
「最愛の子供が待っているのに、か?」
 ああ、誇りの先にあいつが待つ……だから死ぬ事は絶対にないからなあああん--自身の生存を頑なに信じるポニー輝彦。
「あいつ……そうは言ってもエエ」物音に気付いて目覚めたスネッゾルはライデンと同じような意見だった。「昨の日よりも巨大な相手は……出来れば私が加勢して何とか出来れば良かったのにエエ!」
「クソウ、結果が変わらない。俺が万全でも……今の侭じゃあ無理だ!」
「無理か如何かはやってみなければわからない時もあるぞおおう」
 今の侭では……だったら僕が加勢しましょうかおい、真島さんよおい--何と巨大な犀型の左後ろ脚の付け根に体当たりを加える生命が一名……齢二十八にして九の月と十日目に成るエピクロ犀族の青年が加勢した!
「お前は……サイどんかああんんい!」
「やあい、燃え盛る火の将藤原サイ丼が居れば勝利条件に合致するだろおい!」

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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