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一兆年の夜 第百二十七話 終わりの始まり 五武将として(会)

 五月百三日午後三時七分一秒。
 場所は鳳凰堂山南西出入り口前。其処に齢三十四にして二十九日目に成る雄略蛇族の中年スネッゾル八代の民間病院がある。
 藁に依る一階建てで収容容量が五名と少ない。其れで居ながらも移動式であり、普段は何処にあるのか誰にもわからない。
 そんな藁の民間病院を抜け出したライデン。彼の左腕と左足はまだ完治していない。動かすのも各節に痛みが走る程、辛い。にも拘らずライデンは抜け出す。其の先にポニー輝彦の姿があれば激痛に耐えて抜け出すしかない。
「来てくれるのは有難い、けど……痛いから此の痛みが少し大丈夫に成る迄は待ってくれるか?」
「何という情けない生命だあああい。痛みは武芸を嗜む者ならば日常茶飯事の話だああああろうがああん」
「大昔は医療技術も其処迄じゃない上に科学的な根拠が乏しい時代だったんだ。だが、今は其れも固まって容易に医者の介在出来る時代が訪れたんだよ。わかるだろうが」
「其れは医者の勝手な解釈を招くううううんね。如何して武者は一々戦う度に医者の言葉を聞かないといけないのだあああい!」
「それは話とは異なるだろうが」ライデンは話の脱線を此れ以上する事を止める。「其れよりも俺はこんな状態だからあんたの誘いには乗れない。なのに如何して此処にやって来た?」
「ああ、そうそおおおうん。実は君が五武将に成る為に少しだけ予習をして貰おうと思ってたあああんだ」
「予習って--」
 其処に居たかエエ、万全じゃない状態で抜け出すんじゃないエエ--当然、スネッゾルが追って来るのはわかり切っていた。
「じゃあ遠目で見て直ぐにわかるあの藁の病院で話の続きと行こうじゃなあああいかあ!」
 二名はスネッゾルに牽引されるように藁の病室内に入ってゆく。

 午後七時一分三十七秒。
 ライデンはポニー輝彦から五武将について聞かされる。其処には五武将其々の二つ名の他に歴代の五武将の名前もあった。主にに構成され、役割が其々異なる。
 先ずは火の将とは先陣を切る程の勢いのある生命が務める役割。天同相武を守る五武将の中で最も自由度と攻勢が激しい将である。
 次に水の将は足を固めての守りを重視する最も五武将の役割に近い将。主に防御力の高い生命が務まる役割。
 三つ目が木の将。此方は主に木の根の如く戦略及び戦術を構築する役割を担う特殊な将。戦いにはやり方もあり、此れを重視しないと戦いに勝てないことは多々ある。其の為に存在する。
 四つ目が歴代ではある鬼族の生命が後期五武将迄務めたという金の将。純粋な戦闘力が先行するが、実際は力自慢が務める役割。単純な力で押してゆく将として現在の五武将制度で漸く固まった段階。
 最後はポニー輝彦も務める土の将。主に土の如く支援優先の役割を担う。支援とは決して砲撃だけじゃない。補給も又支援の一つである。其の為、重要な補給線の為に此れは存在する。
 其れから歴代の五武将を説明しようとした所……突然、外で騒がしくなる。ライデンとポニー輝彦が藁の病室外に出ると其処には全長成人体型十にも上る巨大な犀型が五名の生命を突進だけで死なせながら食い散らかしながら此処迄運んで来たのが一目でわかる程だった。
「あいつは……銀河連合め、此の怒りで傷が治ればどれだけ晴らせるのか!」
「こんな時に……まあ良い、引退試合は未だ早あああい。けれどおおおおうも」ポニー輝彦は背に担いだ四足歩行用望遠刀を前右足迄降ろして素早く物部刃を一本咥えて構える。「よおく見ておれえええいよ。此れが五武将という奴だあああい!」

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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