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一兆年の夜 第百二十六話 終わりの始まり 其の名はテンタウ(後)

 未明。
 一旦、ニャレーダーは何かを取り出して其れを耳……ではなく、何故か舌に当てる。
「ゲホゲホ……尋ねようとしたら、又吐血か!」吐血の後に一瞬だけ眩みを起こすも、会話だけは止めないライデン。「其れよりも如何して其の通信装置らしき物を舌に当てたんだ?」
「……ふむふにゅ、そうですにゃ。そうですにぇ!」指令を受けたニャレーダーは其れを外すと自らの顔をライデンに向けて会話を再開する。「大変な事が発生しましにゃ」
「何だ、大分明くる時の流れでもう出迎えか?」
「いいえ、そうではありませにゅ。強制的に時を止めた為に本体が干渉を始めましにゃ!」
「干渉? 其れは?」
「時間がありにゃせん!」ニャレーダーは急かし始める。「さっさと話しを終わらせにぇ下さい!」
「出来たら苦労しない。だが、レットとの出会いの物語なら間に合う!」
 ライデンはレットとの出会いの物語の幕引きを急ぎ始める。
(確かあれは祖父さんの式を終えて一の月より後の話だったな。祖父さんの死んだ場所でもあり、レットが俺達の時代に亘って来るきっかけでもあったあの迷宮の洞窟にて--)

 ICイマジナリーセンチュリー三百十一年十一月九十五日午後十一時零分一秒。

 場所は真古天神武大陸藤原菅原地方迷宮の洞窟入り口前。
(あの野郎、何で俺の許可なくして其処へ向かったんだよ。幾ら成長が早く、革仙者の能力があっても未だ若い七つだろうが。俺が保護者に成った以上は勝手な行動を採るんじゃねえ……採るんじゃ、あ!
 あれは……レット!)
 齢十三にして七の月と十五日目に成るライデンは齢七にして一の月と十四日目に成る神武人族の男児レットが齢二十五にして八日目に成る菅原カンガルー族の青年菅原カン烈とカンガルー拳法を嗜んでいる所を目撃。
「レット……其処のおっさんと何やってんだよ!」
 おっさん言ウナ、ライデンノ坊主--カン烈は今の年齢でそう呼ばれるのが好きじゃない生命。
「俺様のせいだ。カン烈とは此処で稽古するって約束した」
「そうそう、レットノセイダ」カン烈は自分への転嫁を好まない性格を持つ。「全くこんな真夜中デ然モ一ノ月ヨリ前ニ立チ入リガ禁ジラレテイル筈ノ所ニ立テ看板を抜こうなんて……何考えるんだ!」
「お前のせいだろ、レットはそんな事しないぞ!」
「痛い痛イ痛イ……毛ガ数十本抜けソウ、痛い痛い!」
「止めて、ライデン」
「わかっているのか、カン烈。幾ら伸びしろが極めて高くても未だ俺と同じ若い生命なんだ。若造なんだよ、レットは!」
「だが、強サハ保障サレテ--」
 其れでも……俺達は自らの強さへの自信があり過ぎて、祖父さんを--ラディルの事を未だ引き摺るライデン。
 ライデンの心境は敢えて記さないでおくとして、彼は一の月経とうとも自らの強さへの過剰な期待から同じ年齢の九名を死なせ、更には助けに駆け付けたラディルを死なせてしまった。其れにより、若き日の驕りは其処で解消した物の悲しみは一の月の期間で拭える重さではない--いや、悲しみの余り後ろ向きに考え始める今日此の頃。
「ライデン、余り自分を責めるのは良くない」
「お前にわかるかよ、去る年に親父が死んで今の年に入って祖父さんが死んでお前以外に肉親一名も居ない此の状態が……わかるかよ!」
 わかるさ……俺様の場合は寧ろ、時代と永遠に離れてしまったと後で気付いた事を--ライデンから目を背けるように語るレットの一聞すると理解が困難な此の言葉。
「何だよ、時代ッテ? 全く未ダ齢七つだろ?」
「本当だったら齢千位あってもおかしくない前の時代から来たんだぞ、レットは」
 又々ソンナ……余リ大人ヲ揶揄ウンじゃないぞ--カン烈は空想話としてそうゆう類は信じない性格だった。
「だが、本当に--」
「いや良いよ、ライデン。如何せ相武様以外には信じて貰えない話だろうし」
「レット……わかった」ライデンは改めて言葉の真意を確かめる。「其れで俺と同じというのは如何ゆう意味だ?」
「わかったんだ、俺様が物心付く前に出たあの言葉の意味が?」
「……覚えてないな、如何ゆう訳か」
「そうじゃない。俺様の名前である『レット・テンタウ』の語源がわかったんだよ!」
「語源? 其れは何処で、だ?」
「藤原バッ戸の著した日記からわかったんだ」
「藤原バッ戸? ライデン、ワカルか?」
 いや、俺は其処迄博識じゃない--ライデンでさえも知らない名前は長い歴史の中に存在する。
「だろうな。だが、其処で俺様は天同烈闘れっとうという名前を見て何かを感じ--」
 危ない、レットオオ--レットの背後から何かが光るのに気付いて庇うようにレットの体に覆い被さる兄貴分のライデン。
「な、何だ此ノ変ナ動キヲスル物部刃は!」
「そりゃあ……銀河連合だ!」物部刃に変化した銀河連合は其の侭、蚯蚓型に変化して二名の体を乗っ取るべく蛇族みたいな移動を始める。「ってこっちに近付いてくる!」
 二名に乗り移らせて溜まるかあ--カン烈は右前足の前脚打ち下ろしで地面に自らの頭部程の大きさもの凹みを起こしながら蚯蚓型を叩き潰した!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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