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一兆年の夜 第百二十五話 終わりの始まり 青年はまだ終わりを知らない(休)

 十一月六十三日午前十時二分一秒。
 場所は道真県第六南地区。
 其処で有名な陶芸場があった。其処へ齢十三にして六の月と十四日目に成る菅原ライデンは齢四十五にして六の月と十四日目に成る祖父のラディルの連れ添いをさせられて困り顔の様子。
(足が痛いし、或は全然興味も湧かない陶芸場に付き合わされたり……祖父さんも若い頃はこうゆうのに興味なかっただろう。何で俺がこんなもんに付き合わないといけないんだよ!)
 昨の年に父を亡くした少年とは思えない程に立ち直っていた少年ライデン。だが、ラディルは奥底にある悲しみ迄は見逃さない。其れはラディルも同じ気持ちで一杯だった。
「そろそろ休憩時間だ。少し話でもしようか」
「何だよ、俺に陶器の趣味は浮かばんぞ!」
 そうじゃなくて気付かぬ内に隠しているライゼルの事について話をしないとな--周り回るよりも先に本題を先に出すラディル。
(親父……そんなのとっくの昔に忘れた事だよ。何で今更--)
「ライゼルは五武将に成れなかった訳ではない。成りたくてもあいつには妻と第二子ライゾウの事があって其れ所ではなかった」
 何だよ、そりゃあ--ライゼルの妻にしてライデンの母に当たる当時のヘラルド家の当主の四女だったデーナはライデンさえも明白に思い出せない女性だった。
「ライゾウの事は知っている筈だが、実は其の時にデーナも其処に居たのだ」
「お袋が其の俺が物心つく前に死んだライゾウの傍に居たというのか!」
「ああ、デーナはヘラルド家に必ず出て来る家出娘の様な雌で俺も当時はライゼルと結ばれるべきか悩んでいた。結果、彼女が自らヘラルド家を捨てて菅原家に成る事を志願する事で俺は認める事にした。代々の菅原家はそうして恋愛よりも先に重要な血の誓約をする訳だ。其れは若くして結婚して子供を儲ける菅原の雄が緊迫出来るようにする為に、な。だが」
「でもお袋は二名目の子供を残して居なく成ったんだったな」ライデンが何時も一名で居る事が多い本当の理由が解明されてゆく。「全くとんでもないお袋だったよ……余り如何ゆう生命だったかはわからんかったけど」
「そうゆう余計な事は言わない方が大人として価値があるぞ。其れとデーナは如何にも放浪癖が強過ぎる生命で俺とライゼルは何度も彼女を探し回った。探す内に危うく新天地へと飛び立つ所でもあったな」
新天地……って何処にあるかもわからない様々な種族が分け隔てなく住めるあの地だよな!」
「ああ、まあ噂では黄金が沢山採れると言われるあの新天地だ。話は其処じゃない」此処で話しの腰を戻すラディル。「あの禄でもない雌を探す内に俺達はヘラルド家があると思われる旧ストテレスの地にも訪れた。だが、其処で知ったのは……デーナは只放浪していた訳じゃなかった!」
「如何ゆう事なんだ、祖父さん?」
「ああ、実は彼女は訃報を聞いて其れに依って自らの精神を病んでしまい……放浪をしてしまった事が後でわかった。俺もライゼルも其れに気付かずに何時も通り振舞う彼女を思って気遣いをしてしまった。気付いていれば俺達は彼女を救えたし、此の後に訪れる銀河連合に依る--」
 何だよ、結局親父の件と関係ないじゃないか……何時も何時も銀河連合銀河連合って、何だよ--急に怒り出す情緒が安定しないライデン。
「ライデン、やはりお前はライゼルの事を未だ--」
「そんなの如何でも良いんだよ。何で親父はあの時に刺し違えずに其の侭倒さなかったんだよ!」
「其れでは生命死なせの穢れを纏う事と成る。だが、あの時にはあいつ一名だった……俺が早く駆け付けていれば--」
「祖父さんが駆け付ければ解決していたのか、祖父さんが居たら今度は祖父さんが死ぬのか……俺はそんな責任感の無い使命だの主義だの聞くのが嬉しくないんだよ!」
「使命とかそうゆう問題じゃない。実際問題は生命が生命を死なせる事がどれ程心を痛めるか……其れは親や子が目の前で死ぬよりも、重たいのだぞ!」
「だからってもうあれは銀河連合じゃないか。一般生命である可能性はもう無い……何でそんな奴等の為に命を捨てなくちゃいけないんだよ!」
「一般生命だった者を死なせる事の重大さを理解してないというのか--」
「ええい、結局其れが祖父さんの狙いだったか……だったら俺が祖父さんに代わって一般生命に憑いた銀河連合を倒して来るよ!」
 ま、待て……未だ陶芸大会は始まったばかりだというのに--其の為に此れを選んだラディルの思惑は子供であるライデンには理解するには若過ぎた様子。

(俺は液状箍に乗っ取られた生命を絶対に命を懸けずに倒せる。そんな風に信じ込んでいた。頭も冴えるし、何でも出来る……そんな子供染みた全能感は誰だって経験する筈だし、歳を取ってもそう思い込みやすい。其の思い込みが、俺を余計で自覚のない自信へと駆り立てて過ちへと繋がる。そうだろう、祖父さん!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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