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一兆年の夜 第百二十四話 天地相為す そして天同相武は赤き革新者と出会う(七)

 ICイマジナリーセンチュリー三百五年八月四十八日午前二時七分一秒。

 場所は真古天神武応神諸島。
 突如として其処に隕石が降り注ぎ、千の年以上も続いて来た応神諸島の歴史に幕を閉じた。其れは黒煙を滾らせる内に諸島型銀河連合と化して真古天神武六虎府を目掛けて進軍。一の年を掛ければ食い散らかす事だって可能。
 そんな中で応神諸島に叩き込まれる三発の原子望遠弾--一般生命は遂に銀河連合に向けて原子望遠弾を敢行した!
(誰にも止める事は出来なかった。私だって本来ならば使用を踏み切る事は控えたかった。だが、空から降り注ぐ銀河連合の雨の前では為す術もない。ならば保管してある原子望遠弾を特殊な望炎砲台と呼ばれる発射装置に乗せて撃ち込み続ける以外にない。其の度に砲台は一発ずつ長距離弾道を実現させる度に使い物に成らなく成る。私は其れが悲しくて、そして真古天神武の……水の惑星の歴史の半分が終わりを迎えようとしているのを感じて行く!)
 齢四十四にして六の月と六日目に成る天同相武は三の日より前に撃ち込まれた三発目が今も黒い雨を降らせている事に心を痛めながら甲板の上より眺める。彼と同様に眺める生命が一名。齢三十六にして五の月と十九日目に成る応神鰐族の中年ヤマビコノアリゲーデンも心を痛める。
「相武様、俺はもっと心が痛いっがん!」
「やはり生まれ故郷が銀河連合と化した上にあのような末路を送る事に対してなのか?」
「当たり前っだが、俺は勝手な生命だと認めているし今でも頂点だと思っている生命っでん。だが、ああして自己を確立する故郷がああ成っては最早何を生き甲斐にすれば良かろうっだん!」
 全く成ッテナイナ、アリゲーデン--齢三十九にして四の月と十日目に成る菅原カンガルー族の老年菅原カン十郎は皺こそ増えた物の三十代初頭と変わらない熟練の動きをしながらやって来た。
「爺さんっかん、全く老いは既に齢三十中盤から来るのではなく齢四十前半からやって来そうな位に一般生命の生活力の向上を招いたかっだん!」
「爺さん一同はみんなして何してるんだか」齢二十にして五の月と二十七日目に成る菅原人族の青年菅原ラディルは望遠砲を担いで駆け上って来る。「観光目的で来たんじゃないんだぞ、わかってるかあ?」
「生意気な奴メ、若過ギル歳デ五武将ノ一名ニ成ッタ奴が偉そうに!」
 良いじゃないかぜえい、後期五武将にはこうゆう生意気小僧の一名位居てもぜえい--齢二十九にして十一の月と一日目に成る武内山羊族の青年エリフェアトゥは揺れる船の帆から帆に飛び移りながら相武達の前に着地する!
「器用だねえ、フェアトゥの兄貴さんは」
 何度模注意するよう似そ奴端貴様乃兄貴照端ない--齢四十九にして五の月と十七日目に成る神武鬼族の老年カゲヤマノザルノスケは老いを感じさせない足取りでやって来た。
「最も老い耄れは流石に趣味だけは時代から取り残されるだけか」
「余計那お世話妥。此れ照模精一杯砂。俺端腰痛似模苦しむ支、肩凝りだっ照異常那痛み信号於齎して正直引退したい気分妥!」
「だが、未だ引退する気はないのだろう……戦場が死に場所だと決めているお前にとっては」
「亜亜、俺妥化似成ったカゲヤマノ家端弥端履死ぬ時模戦場照なけれ芭納得牙如何!」
 益々アマテラス文字の解読が困難な字で話しているだろ、爺さんは--言語学にも興味を示すラディルは鬼族の発する言葉をそう解釈してゆく。
「さて、五武将全て集まった所で私語を慎め。此れから黒煙がましに成り次第、突入作戦が開始される。其の前に作戦会議としようか!」
「任せろ、其の為に俺は小さい年頃で木の将に任じられた。だがな……少し情が無くなる様な作戦案に成るぞ」
 才気活発なラディルは相武達に覚悟させるようにそう前置きを述べた。理由は相武が思った作戦案の概要だった!
(決して私達だけで島型銀河連合の中枢を叩くのではない。だが、死ぬ数は万を越えると試算する。此れは決して大目に見ての話じゃない。全てが上手く行ったとしてもラディルはそう算出した。そして、其れが良くないなら四発目の原子望遠弾を撃ち込む方が死ぬ数を大きく減らす事にも繋がる。だが……ラディル曰く却って原子望遠弾の機構を銀河連合に知らしめる事に繋がる。
 容赦を知らない奴等が使用を躊躇う筈もないし、機構を知ってさえすれば私達をどのように扱おうとも奴等が私達をどのように原子望遠弾に良く似た攻撃で苦しめようとも向こうに教育する余地はない。寧ろ、威力を益々知る為に様々な方法で奴等は駆使して来よう。
 成ればこそ私達が取るべき道は一つ……万の死者を出してでも遂行するしかない!)
「本気で突入作戦を実行するのかよう? ならば司令部に四度目の原子望遠弾を放つよう命じた方が良いのではないかぜえい!」
「そんなの反対っだん!」
「わかるさ、お前ノ気持チガ!」
「わかるかっがん、合理ではなく--」
 だからわかるんだ、島ガ此レ以上原子望遠弾デ変ワリ過ギル事が痛い程……な--カン十郎はアリゲーデンを抱き締める……少々、鰐皮で皮膚を擦ってしまっても!
「止め、ろっだが。鰐族の肌だけじゃなくっだが、一般生命の雄同士の抱き締め合いは……気持ちが良くないっだん!」
「済まない、如何しても俺自身が安心出来なくて仕方ないんだ--既にガン十郎は覚悟を決めている様子だった……勿論、酒に付き合ったザルノスケと他者の心理を読み解く才能に長け始める相武から見て!
(ニャレーダーを思い出す。あいつとの出会いが無ければ私は他者の心を読み解く才能に目覚める事もなかった。翔和の左腕の激痛と新仙者としての能力が私を……其処へ導いた!
 ……だから何だ、其れが。幾ら他者の心の変化を読めても……運命は変わらないってのに!)
 カン十郎、お前端必ず生きろ……軟那気於吐く那--ザルノスケは相武と異なり、カン十郎は己よりも生きて欲しいと願って念を押した。
「有難う、ダガ心配ハするな。爺さんよりモ長ク生キテヤルンダヨ……必ずなあ!」
 其れから一の週より後に晴れやかに成り始める時、島型銀河連合は姿を現す--同時に其れは相武と五武将を含めた総勢十万にも上る島型銀河連合突入部隊の決死の作戦の開始でもあった!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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