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一兆年の夜 第百二十四話 天地相為す そして天同相武は赤き革新者と出会う(四)

 七月二十六日午前十一時十二分四十四秒。
 場所はテオディダクトス大陸サッカス地方サッカス県第二南地区。
 其の中で三番目に大きな建物内にてカバジンとメエジンは仲良く会話を楽しむ。
「--其れでだグバア、あいつは凄い暴れて暴れて僕達は大変だったグバア!」
「そりゃあ凄い暴れっぷりだなアアアーア!」
「そうだグバア、ところでグバア」カバジンはまだ酒が入っている……「真正面からの目でお前の事に入りたいグバア」だが、カバジンは親友の体を心配していた。「もう少し生きたいと思わないのか……メエジングバア」
「気付かれたかーイ」
「気付くさグバア、僕達は歳が離れているとはいえ長い付き合いだグバア。お前さんが五武将一の智将として地味だがグバア、真古天神武にあらゆる戦略理論を広めたお陰で凡そ国内に於ける戦いのほぼ全てが自力で何とか出来るように成ったグバア。各地に居る拠点型もお前さんは自らを評価しないようだがほぼ全て自力でやれるように成ったグバア。だから自信を持てグバア」
「あれは最初の時にライドを死なせてしーイまった事から、から……ゲホゲホッ!」
「だグバア、大丈夫かグバア!」
「はあ、銀河連合のせいーイに出来たらどれだけ心が晴れるのか。だが、此れは間違いなく自然の成りーイ行きだ。例え此れから医療が発展して此奴を払拭する様な薬や治療法が確立しても俺はライドと同じように医療の絶好の素体として死んでゆくーウだろう」
「相変わらず歴史学を学んでいるだけで自らに対しても其れかグバア。医療と言えども万能じゃないグバア」
「其れは戦略も同じーイだ。今の時代では後四十の年位か? 其れ位に訪れる物への対応が真古天神武には出来ない。未だ全生命は内側からの対処は大丈夫でも外側からの対処は余りにも知識が乏しいーイ。だが、戦略が間に合わないーイ事なんて何時だって戦術に重きを置いて何とか対処しようとして来たのが歴史ってもんだ。今度も結局其れーイだからな」
「其のお陰で相武様や僕達は念願の新心臓型を倒せたのだグバア。確かにライドや新心臓型に向かう迄に数多の死を目撃する羽目に成ったグバア」
「そうだイー、数多の死は避けては通れなイー。其の死を見て来たからこそ今後同じ事を繰り返さない為に戦略を練られるーウ。そう戦略とは準備でもあり、対策でもあルーう。だが、此れが歴史学を齧っただけでは全てに精通する戦略家は未だ一名も出ないーイ。歴代の天同家の知性派であろーウとも同じだからな、あ、ア……ゲホゲホッ!」
「メエジングバア、気を確かにグバア!」
「もう少し、酔っていーイろよ」とうとう口から血を出す余命幾許のメエジン。「ハアハア……既に後継者は指名した後だアー。問題はないーイ」
 問題なのはお前さんの体が後どれ位なのかだグバア、死に目迄僕はお前さんの事を看病しないといけないグバア--酔っているのか或はそうでなくともそうなのか……カバジンから出る涙は止まらない。
『--其れから二の日より後にメエジンは眠るように息を引き取った。其れから一の月
より後かな、カバジンも息を引き取ったそうだ。如何して其れを私が知っているのか?
藤原カナ文を知っているだろうか? 彼女から貰ったからな。裏もちゃんと取れた事実
だからな。其れがカバジンの足記だ。其の足記を巡って又一名、初期からお世話に成った
一将が旅立つ事に成るとは正直覚悟も出来なかった--』

 八月一日午後二時四分三秒。
 場所はテオディダクトス大陸未開の砂漠。
 未だテオディダクトス大陸には調べ尽くされない大地がまだ顕在する。然も一般生命が本格的に住み始めてもやはり一般生命が恐がって立ち入れない場所は山程ある。戸籍制度が急速に整備されてゆく中で漏れ出たのが此の最北端に位置する未開の砂漠。砂漠と呼称されたのは単純に砂漠のような色をした荒地から名付けられた。実際、テオディダクトス大陸に砂漠と呼べる場所は少ない。意外にも土地は育まれ辛い雨の少なく、熱射の大地ではある。其れでも降る時は勢いが激しく、そして晴れ出しても勢いは止まらない。余りにも寒暖の差が激しいからこそ大地は作物を育てるのにほぼ向かない。勿論、仙人掌だって生える事がない。
 と地政学的な話は其処迄にして此処には何と生える筈がない大樹が地元の軍者達の目にもそして視察の為に訪れた相武やカン十郎、そしてワンダローの目に飛び込む。
「相武様、アレハ銀河連合なのですか?」
「カバジンの足記ではそう記されている。そして、地元の軍者は原子望遠弾の許可を取らせる為に私を此処迄呼び寄せて早期解決を図りたいそうだ」
「カバジンさんのー足記では……だが、如何しーてずっと倒す事が出来なーかったのでしょうか?」
「お前ハソンナ事モ知らんのか?」
「知ってるーさ、植物の形をーした銀河連合は同様にあらゆる所ーに少しでも水が入れば根ーを張って生き延びる事位はーな。だからこそー草毟りは昔もー今も此れからも一般生命ーがやらなければいけない日課だといーう事もな!」
「此の犬メ、意地ニ成ッテ長文染みやがって。もっと簡潔ニ--」
 其処迄だ、二名共--大人として貫録を出し始めた相武は二名の口喧嘩をたった一言で止めた。
「も、申し訳アリマセン。はあ、此レジャア死ンダライドさんヤソレイユ十九代ニ笑われるぜ」
「ソレイユは正直まだ信じている部分があーるけど、ライドさんは確実に怒るーだろうな……僕達が喧嘩をしてーいる事には」
「わかったなら自らを省みて、今後に活かせ……死んだメエジンはそう言うだろう」其処でメエジンだけじゃなく、足記でお馴染みのカバジンの名前も挙げてこう伝える相武。「雄ならあらゆる事にも大きく受け止めていろ、と死んだカバジンなら口にするだろう」
「だなー」
 ああ……なので俺達モトットト大樹型ヲブッ倒しに行こうぜ--其れに火が点ったのか、視察目的だった筈の三名に大樹型へと向かわせる動機を作ってしまった!

(あの時程、私は自らの代弁を悔いた事が無かった。結果的に大樹型を倒せたのは良い。だが、先程のメエジンの言葉にもある通り成功の影には死が付き物だってな……そうだ、誰かが死んだんだよ!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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