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一兆年の夜 第百二十四話 天地相為す そして相武は赤き革新者と出会う(一)

『--此処から先の話は私の最後へと加速する為の物語であり、歴史的である。なので
今迄の話と同じように捉えては少々難しい話だろう。何しろ、場面場面で紹介しながら幕
を下ろしたいと考える。此処迄に至った理由、そして一般生命の平均寿命の記録更新、
五武将の移り変わり、真古天神武が終わってゆく様等々語ろうと思うとキリがない数々の
事態はやがて私に一の日に掛ける思いを薄めて行く。寿命の長さが一の日への思いを薄く
しようだなんて若い時は考えなかったが、今では漸く其の本質を理解し始めた。そして
此れが成長する事を諦めて行く。成長の諦めはやがて大きな変化への対応に対しても
鈍く成る。良く成らない事に関しては其れで良いかも知れない。だが、若い者達に対して
何という態度で臨むのか? そんな事もあってかある事件が起こった。其れは--』

 ICイマジナリーセンチュリー三百二年七月十八日午後十一時三十七分四十八秒。

 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区神武聖堂天同相武そうぶの間。
 齢三十二にして二の月と三日目に成る神武人族の中年天同相武は顔中汗だらけに成りながら苦しむ。
(行くな、ソレイユ……お前が行ったら誰が五武将の若い衆を引っ張るのだ!
 行くんじゃない、お前はまだまだ若い。青春だって十代の内にやるもんでもないし二十代中でもまだ間に合う。生物学的には二十代前半迄が雌にとって素晴らしい状態だと証明されている。なのに行くのか、ソレイユ!)
 眠りながら夢宇宙と対話をする相武。其の対話中に見た未来は齢二十三にして七の月と十五日目に成る雄略人族の女性ソレイユ十九代の姿を映し出す。其の映し出す姿に相武は思わず目を開けるのだった!
(何だ、今の明くる日は。私は其処迄彼女を気に入ったのか? いや、私にそんな事は余り感心がない。今は天同躯央くおうの提示の一つである地下拠点化法案を通す為の一押しに集中しないといけない。私は其の為に敢えて今日の鍛練を止めて睡眠を摂ろうとした!
 なのに……目覚めるとは情けない!)
 そんな目覚めの良くない相武の元に外庭側の襖から齢十八にして六日目に成る藤原金糸雀族の少女藤原カナ文が報告しに来た。
「何だ、カナ文。夜中遅くから報告か?」
「はい、相武様、ッテ。実はですね、ッサ。大変なんですよ、ッサ。そ、外を見てくれないと困るわよ、ッヘ!」
 外……あれは山火事、そして方角は--相武はマンドロス山がある方角に火事がある事を此の眼で見た!
「詳しい事がわからない。もう少し話してくれ、カナ文」
「じ、実は山火事で助けようと土の将ソレイユ十九代が単身火の多い場所に飛び込んで……って、待ってよ、かあ!」
 相武にとって其れは居ても立っても居られない情報だった!
(早過ぎるぞ……夢宇宙。まだ、予言から遠い筈なのにい!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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