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一兆年の夜 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新(六)

 午後零時一分二十一秒。
 場所は拠点型心臓型付近。
 ザルノスケ、メエジン、カバジン、ワンダローは既に一の日以上も戦い続けて限界が来ていた。彼等と共に付いて来た軍者達も既に力尽き、銀河連合に喰われ、もう亡骸すらない。そんな四名が相手をするのが新心臓型……ではなく、新心臓型の機能を取り込んだ一体の指揮官型。然も尋常じゃない速さを残した状態で新心臓型の複数者を同時に攻撃出来る術を持つ以上、従来の指揮官型を凌駕する存在と化していた。其の為、ザルノスケは其の指揮官型との戦いで両眼が見えなく成っていた--三名を守る為に指揮官型の攻撃を受け続けた為に!
「ザルノスケさーん、もう下がーって下さーい!」
「そうだそうだアーア。奴を倒す方法は既にーイ考案したが……余りにも数が少な過ぎるーウ!」
「メエジンがグバア、考案してもグバア……僕はもうグバア、戦いグバア、たくないグバア!」
「目牙見えない方牙却って……此乃足音端知らん那。二、いや三名」ザルノスケは他の五感で物を視る術を土壇場に於いて身に付ける。「気似成る乃端中央於走る乃端……少し動き科羅して恐らく相武様似違いない」
 ザルノスケの言葉を信じてメエジンは後ろを振り向く……「言う通りイーだ……其れから、勝ったぞーウ!」だが、何故勝利条件に繋がるのかは未だ誰も理解出来ない!
「ザルノスケ……其れにみんなもそんなに傷付いて!」
「もう無理だグバア、メエジンは自信満々に言ってるけどグバア。グバア、無理グバア!」
「何で心が折れてるのよ、カバジンさん!」
「道中で何名かの骨を見たな。そしてあれは」ライドは其の指揮官型を見て唾液を呑み込む。「フウ、如何やら人生の終わりは直ぐ其処迄来ているのかも知れないな」
 ライドの言葉に六名は六洋の反応を見せる。カバジンは依り後ろ向きに感じ、メエジンは既に覚悟を決めているような素振りを見せ、ワンダローは怒鳴り散らし、ザルノスケは表情の変化を見せず、ソレイユは悲壮感を露わにして相武は左腕を依り強く掴む!
「もう悔いはない……何て言うな。其れにまだ妻に看取られる未練は残っているだろ?」
「御心配有難う御座います、相武様」
「そうだよ、相武様の言う通りだよ……って--」
「摩亜待て」ザルノスケは折れ曲がった金棒を無理矢理矯正させながら指揮官型の初速を遮りながら先手を取る。「時間稼ぎ妥化端させろ!」
「ザルノスケは目が見えないグバア、なのに……何で己よりも早い相手に付いて来れるんだよグバア!」
「クソーウ、ザルノスケさんーを見ているーと己の鍛練の足りなさを痛感さーせられる!」
「だが、今のザルノスケではあの指揮官型を倒すーウ事は実現出来ないーイ……そうだろうーウ?」
 其乃通り、付けた刃照端未だ……ウググッ--たった一名の強力な生命でも今の指揮官型は遥か先を行くのを苦しそうな表情を浮かべて答えるザルノスケ。
「死んだら戻らないよ、ライド。まだ教えて欲しい事がたくさんあるんだから。入って何月経つのよ!」
「大丈夫、君が跡を継げば良いだけだ。其れに未練は既に無い」ライドは既に後継者を指名する。「其れに若しも生き残れたら私は後世の育成に邁進するとしよう」
 全くだよ、短い付き合い過ぎ、るよぅ--ソレイユは涙目でまともに言葉が話せなかった。
「本当に良いのか、本当に--」
 ウオオオ、相武様亜--相武の元に吹っ飛ばされたザルノスケが彼の上に乗っかった!
「イデデ……最早時間がないのか!」
「ウオオーオオ、相武様はやーらせ……ウワアアー!」
「ワンダローグバア!」
「急げーイ、俺達も時間稼ぎが出来ない……俺が作戦を伝えるから急いで配置に就けええーイ!」
「わかった、直ぐに」相武の眼は青い点滅が起こる。「お前の作戦案に付き合う!」
「此の……何、速い!」ライドは左手で物部刃に依る刺突を仕掛けるも簡単に回避され、背後を……「危ない、只でやられん!」素早く膝を曲げる事で屈んで回避するも新たな指揮官型に改めて力量の凄味を感じ取る。「速いだけじゃない……全霊を懸けて挑むしかない!」
「此の……キャアア!」
 屈んだライドを助けるべく、刺突に依る攻撃を仕掛けるも前蹴りが早く出て其れを腹に受けて成人体型十も吹っ飛びながら咳き込むソレイユ十九代!
(強過ぎる……勝つにはメエジンの作戦でみんなが協力するしかない。だが……そうするとライドが死ぬ!
 ……僕達はライドの命を捨てるしか道がないのか!)
 だが、ライドを助けようと行動すれば全員が食われて拠点型は再び始動。其の意味する所は即ち、真古天神武が食われて全生命体の明日はもう無くなる--四の五の別の道を考案する手立ては……真古天神武側に無い!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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