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一兆年の夜 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新(二)

 六月七十七日午後九時四十一分十八秒。
 場所は真古天神武テオディダクトス大陸サッカス地方サッカス県第二南地区。
 其処は嘗て『カバオラの村』と呼ばれた地区。現在では最早誰も其の名称を呼ばなく成った……ある歴史学者を除いては。
(何で最も小さな建物内に凄脚の生命の話を聞きにいかなくちゃいけないんだよ。然も同行者がザルノスケではなく--)
「へえ、此処が例の歴史学者の家なんだあ」そう、ソレイユ十九代が付いて来る。「相武様にお願いする旅も良くない事ばかりじゃないんだねえ」
「だからお前は選ばんと言ってるだろうが」
「選んで下さいって。こう見えて地同翔和の業を引き継いで--」
 ないだろ、生前の翔和と一回も会った事がないお前が--相武の言う事は事実であり、ソレイユ十九代と彼女の双子の弟であるゼイン五世も翔和と生前会う事が無かった。
「全く……と思ったけど、居ないねえ」
 二名は既に誰も居ない其の南地区で最も小さな建物内に入った後。此れは決して許可なく入るのではない。実はとある歴史学者を良く知る生命が先に入って待つように頼んだそうである。
「其れにしても相武様。其のメヒイスト最後の生命が如何して五武将に相応しいと思ったのですか?」
「其れはな--」
 連れて来たグバア--齢二十八にして二十八日目に成るサッカス河馬族にしてカバレイと血縁上縁がある雄カバジン・ジョンソンが齢二十二にして二十一日目に成る今はサッカス羊族の青年にして歴史学者を務めるメエジン・メヒイストを連れて来た。
「勝足に俺の家に……って此れは此れはーイ!」
「如何も僕は神武人族にして真古天神武の王を務める天同相武と申す」
「私は地同ソレイユだ--」
 お前に地同の名は相応しくないって何故わからん--やはり認めない相武が其処にある。
「其れじゃあ僕はこの辺でグバア」
「待てーイ、我が友カバジン。此の方を俺の家に入らせた訳を知りイーたいから残れ!」
「全く何て劣友だグバア!」
「訳か……其れは僕直属の軍者に成ってくれないか、メエジン・メヒイスト!」
 答えは……俺は戦いが得意じゃないーイ--当然の答えであろう、少なくとも現時点では!
「ほら、やっぱりですよ」
「如何しても戦いは好きじゃないのか?」
「当たり前じゃないかアアーア、戦いは俺達生命体の魂を銀河連合に近付けルーうモノだぞ。何故お前達は何時迄も戦いに夢の中なんだアアーア!」
「其れは銀河連合を心の底から怒りで溢れるからだよ!」
「神武人族の祖である天同家の生命ともあろうーウ者が戦いに夢の中か。怒りなんて所詮は戦う為の口の実さアアーア!」
「何かさっきから戦いを如何しようもない物だという見方のようだけど」我慢出来ずに会話に割り込む若きソレイユ十九代。「じゃあさあ銀河連合を話し合いで分かり合えると思っている訳え?」
「こらグバア、相武様とメエジンの会話に割り込まないでくれるか?」
「わからない、翔和の第一子だよ」
 いやグバア、其れでも特別扱いする程僕達大人は甘くないグバア--カバジンは平等な生命だった模様。
「カバジンの言う通りだ、ソレイユ。幾ら翔和と縁があっても其れと此れとは別の話だから……さ、五武将に迎え入れた後にゆっくりと意見を言ったら良い!」
 ちょっと待てえーイ、何勝足に話を進めるかアアーア--流石に勝手な進捗だけは抗がい異なる議を唱えるメエジン。
「実はあんたの父親が生前に翔和と口約束していたそうだ。翔和は死ぬ前にザルノスケに其れを告げていたそうだ……あんたが五武将入りするのは避けて通れない!」
 其の親父……メエゼリ・メヒイストは銀河連合にーイ喰われて死んだんだ、液状化した銀河連合から俺達を守るーウ為に--メエジンは死に様を告げて生前の約束は受け付けない理由を固める。
「え、そりゃあ確かに……でも其れは最近の話じゃないの?」
「小娘は幾つーイだ?」
「小娘じゃないよ、其れにもう十五歳の成者だよ!」
 どっち道グバア、まだ子供だな--少女の域から離れない内は大人ではないと主張するカバジン。
ICイマジナリーセンチュリーにしいーイて四年前だ。当時俺は六歳だった時に兄貴分だった此奴と一緒に遊んでイーる時に親父が突然銀河連合に襲われて……襲われて、よおーア。わかルーか、此の痛みが!」
 ああ、わかるさ……僕だって未だに痛みから解放出来ない、身だ--相武は何時の間にか包帯で巻かれた左腕の状態をメエジン達に示してゆく!
「何……此れは、何だこりゃアアーア!」
「相武様グバア、まさか……此れが翔和様を亡くした代償ですかグバア!」
「ううう、お父さんの……まさかお父さんの腕?」
「未だに完全な状態で動かせない。お椀を持たずに食べるのは馴れたけど、自力で服に着替える事も出来はしないさ。風呂に入れば依り痛みとの戦いは鮮烈に成る」相武は三名の前で其の痛みを告白する。「一体何に例えたら此の激痛を表現出来るのかを僕は知らない。だが、風呂に入る度に包帯は湿って其の湿りが皮膚に浸透して痛みを走らせる。其の痛みは左腕から来るのではなく、左肩に或る接続部に直接起こったかと思ったら今度は全身に浸透する。特に肺に痛みが走ろう物なら呼吸が止まりさえしかねないさ!」
「何て痛みなんだーア……何故そんな痛みを担いーイで迄、俺を直属の部下にしようルーと思うんだ!」
「何故か? 亡き親父さんの甘い約束ではない。無き親父さんもかつては高名な戦略家と聞く。其の戦略は空論ではなく、実論としてテオディダクトス大陸を守って来たと伝わるぞ。そしてあんたも其の才能を受け継いでいる!」
「ヘンッ、戦いから去って歴史ばかり漁るーウ俺が--」
 いやグバア、お前は何時も戦史ばかりを読むじゃないかグバア--カバジンは正直過ぎた!
「はあ、言っておくが戦いはないーイに越した事がない。其れに相武様に比べて痛みは軽くても……あれだけは忘れられないーイ。重みの異なりだけで流して良い問題じゃないんだぞオオーオ……でも!」メエジンは棚にあった既に黒ずんだ冊子を取り出して咥えながら次のように答えた。「若しも俺が戦いを止める方法を編み出せるーウとしたら……戦ってみるしか道がないかも知れない!」
 つまりグバア、僕達は相武様の部下に成るって事なんだね--代弁したのは良いが、何故か勝手に五武将に成ると勘を違える部外者のカバジンだった。
「待ってよ、河馬族のおじさんは引っ込んでて!」
「まだ僕は齢三十にも届かん二十八だグバア!」
 其れでもおじさんだあ--と取っ組み合いを始めるソレイユとカバジンだった。
「全くカバジンは碌でもないーイな……けど」一方でメエジンはカバジンの力を次のように高く評価する。「此奴は中々守りいーイが固い奴だ……あんたの期待以上の強さを見せるーウぜ!」
「其れなら有り難い」
 こうしてメエジン及びカバジンは五武将として迎えられた……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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