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一兆年の夜 第百二十一話 天地相為す 地同翔和の前に壁が立ちはだかる(四)

『--私には隠し事の一つや二つがある。敢えて此処で隠していた事としたら三つある。
 一つは翔和が席を外していた時に蘇我フク兵衛から外れた分家の流れを汲みある一名
がやって来た時。確か私が齢十二の時だったな。其れは--』

 十二月二十日午後二時七分三十一秒。
 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区神武聖堂天同相武の間。
 其処で勉強するのは一名。齢十二にして十の月と十日目に成る天同相武。家庭教師は二名。其の中に齢二十二にして五の月と十八日目に成る地同翔和は含まれない。担当するのは齢三十に成ったばかりのアデス九官族の中年である臨兵りんぴょうキューぞうと齢三十八に成ったばかりの蘇我梟族の老年である蘇我フク贈訝ぞうが。前者は文学関連の教育を担当し、後者は数学等論理学関連の教育を担当する。
「コクゴハムズカシイノダ。イツモワタシ、オレ、ボク、アタシ、オイラ……オノレヲサスシュゴダケデモタシュタヨウデアル」
「だかあああらこそ文を構成するうううううには慎重を要しなくては成らない。単純化は会話の効率化を促しいいいても会話の純度を底上げええええする事に必ずしも繋がらなああああい!」
 だから細かい事は良いからさっさと進んでよ--他者よりも倍は詰め込まないと一般生命並に成長しない相武は二名の挟まれて頭を抱える。
「トコロデフクゾウガヨ」
「ああ、遺伝子の話だあああろう。幾ら他家同士と言えどおおおも偶に同一遺伝子に近い生命同士が結ばれええええるという組み合わせも存在するからああああな」
「又、其の話……しつこいよ」
「ヤハリテンモンガクタンイデオコルトキハテバサキノホドコシヨウガナイゾ!」
「少し脱線すうううるけど、幾ら赤の他者同士で配合を続けえええても何れは同じ遺伝子同士のぶつかり合いが必ず起こるうううのだ」
「其れが僕が教わる『類似学講座』と如何一致するんだよ!」
「同じなああああんだよ、最近の作品はどれええええも世界が終わああある話ばかりで異なる点なのは登場生命の数や主役やら或は表現の仕方やらがあああな」
「オナジサクシャデモサクヒンヲダシツヅケルアルイハチョウキレンサイヲツヅケテイケバニタヨウナハナシガラレツスルノトオナジヨウニデスネ……イデンシモオナジナンデスヨ!」
「でも遺伝子の数はフク贈訝曰く二千か三千じゃないの? 然も組み合わせ次第だったら一億とか二億とか気が遠く成る数だよ。だったら類似するなんて難しいんじゃない?」
「其れが類似してしまうんだああよ、天文学のおおおお段階迄生命史が続けえええば、な!」
「セイメイノイデンシモルイジハサケテトオレナイノダ!」
 何なのかなあ--此の時、相武は流すように聞いていた……だが、後に相武の中で大きな物へと発展する事に成る!

『--類似学講座のとある話については翔和に語る事はなかった、永遠に。だが、翌の
年だったかな? 二つ目の隠し事があったんだ。其れはある生命との出会いから始まる。
彼女は明らかに此の時代の生命ではない。なのに此の時代にやって来た。其れは--』

 ICイマジナリーセンチュリー二百九十八年三月二十七日午前零時二分十一秒。

 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区神武聖堂天同相武の間。
 齢十三にして十の月と十一日目に成る相武は目を覚ます。深く眠っていても不図したきっかけで目覚める事もあった。目覚めて直ぐに気付くのは其処に翔和が居ない事で在る。其処で相武は付き者を呼ぼうと電磁信号機に触れようとした時--
「其れはいけないいけにゃい」齢二十三にして八日目に成る謎の猫族の少女が二足歩行で布団から出ない相武に近付く。「にゃあ、君が真古天神武十代目国王の天同相武にゃ?」
「だ、誰だ? 二足歩行の猫族なんて珍しいとかそうゆう問題じゃないだろ!」
「質問に答えてにょ、君がファーストスモールコスモアマテラス銀河にあるスサノヲ太陽系去第三惑星水の惑星にある真古天神武第十代国王の天同相武にゃの?」
「……天同相武は確かに僕だが、真古天神武迄はわかったけど其の前が全然何の事かさっぱりわからないよ」
「本当に頭の方は其れ程でもないのは確かにゃ。あ、御免にゃさい。あたしはニャレーダーだよ。まあどんな種族かは教えませんが、時間旅行者とだけ覚えておいて下にゃい。今はあたしの住む時代は既に終わりを迎えようとしておりにゃす。天同総司令の命じるが侭に救済の術を探り、あたしが選ばれて--」
 ちょっと待て……一つずつ教えてくれよ、一編に話されても全然わからないって--流石に規模の大きさが数万にも倍乗されそうな話に待ったを掛けた相武だった。
「そうだにゃ。確かに其れはあたしのミスでしにゃ」
「ミス?」
「勘の違い……と呼ぶべきにゃしら?」
 時代の差が浮かぶよ--幾ら頭脳が優れなくとも時代の異なりは何となく感じる相武だった。

『--此れが二つ目の隠し事だ。ニャレーダーは天同と呼ばれる人族なのか或は猫族
なのかわからない上司に命じられるが侭に此の時代にやって来て元の時代にある宇宙を
救済する為に私に何かを得ようとしたのだろうな。だが、今の時代の救済する術に夢中な
我々が大分後の時代の宇宙とやらを救済する術を持つ筈がない。後の時代にとって
旧時代はそう映るそうだな。全くの夢幻ではないか。何とか成らないのか、と。
 さて、二つ目も伝えた。三つ目の秘密を此処に書き記そう。実は私には翔和と姉秋雨
の秘密は知っていた。知っていながら私は其れを知らない振りをしていた。何時から其れ
に気付いたのかは今じゃあ思い出せない。だが、私がそんな二名に告白する勇気が
あればどれだけ感謝の気持ちを伝える事が出来たのかわからない。
 あの日が訪れなければ良かったのに--』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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