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一兆年の夜 第百二十話 天地相為す 地同翔和は旅立つ(終)

 ICイマジナリーセンチュリー二百九十六年十一月百二日午前九時四十二分三十一秒。

 場所は真古天神武マンドロス山標高成人体型百五十西側。
「--以上が俺の話だ」
 ぼくとであうまえからそんなはげしいたたかいにみをとうじていたのか--相武は翔和の話を聞いて己の悩みが小さなものであると痛感してゆく。
「何、恥じる事はない。そうゆう歳の生命が細かい事を大袈裟に思うのは誰だってある。俺だってある」
「それでもぼくはちっぽけだ。こんなどうでもいいことでなやんでいたなんて」
「まあそうだな」翔和は今も昔も容赦しない。「お前は天同の雄なのに細かい事を今から悩み過ぎだ!」
「ああ、つみぶかいよ。ぼくはとんでもなくつみぶかいよ」
「だが、俺との出会いは……お前を強くする」
 しょうわさんとのであいが、ぼくを--出会いが如何して強さに変わるかを理解出来ない相武。
「俺が地同、お前は天同。本家と分家が結び付く時こそ、俺は考えるんだ」
「どんなことを?」
「うーん、其れは」計画性が無いのは昔も今も同じ翔和。「此れから考える!」
 たのみますよ、しょうわさん--相武は呆れる。
(お袋と永遠の別れを迎える前に聞いた事がある。地同家の初代は天同躯伝くでんの第一子だった正伝せいでん。真古式神武領内で建国予定だった新生国家神武を立てる構想を練っていたな。結局、正伝は親よりも早くあの世に逝ってしまった。所詮、背伸びした息子は親父に届く事はない。其れと同様に地同家も俺の代で果てようとしていたな。まあ背伸びして出来た一族ではある。時には二派に分かれたりもしたが其の内の一つは天同家の存続の為に嫁いだまま天同を名乗り、消滅。もう一つは俺の代で終わろうとしている。そう言えばこんな話をしていなかったな。
 少し思い出そう、確か此処へ来る去る年の夏の終わりだったか? えっと--)

 八月百五日午後十時五十三分二十七秒。
 場所は真古天神武雄略大陸南側。
 齢十七にして四の月と九日目に成る地同翔和は姉である翔真と同じ年齢に成った。其れに気付き、一度参る為に南雄略へと赴く。崖の上で待っていた生命が居た……「やはり来たのね、あの時の坊やは」齢二十一にして三の月と五日目に成る雄略人族の女性だった。
「ソレイユ十八代だな」
「随分傷を付けちゃって……でも良い顔しているよ!」
「此処迄に俺は随分道に迷った。そしてすっかり姉ちゃんの墓参りも忘れてしまった。勿論、此処を出て行った後はもう一名の墓参りにも行かないとな」
「ええ、そうね。其れで如何するの、翔和様?」
「翔和で良い、今は……甘えたい気分だ」
「此処では風邪を引きますので如何か中でゆっくりしましょう」
「ああ、初めてやりたい事もあるんだ。まあ、其の後は一切保証しないけど……良いか?」
 南雄略に又一つ種を残して去るのですね……全く此れだから南雄略には雌しか残らないのです--と島がそうゆう経緯に成った理由を短く述べたソレイユだった。
(確か三の時も激しくしたな。初めてやったのにあそこ迄やっちまった俺が如何しようもない。そして二度と此れをやりたいとは思わない。如何にも雌と違って雄は何だか命を削っている気がして困る。けれども、地同は絶えても種は残した。そして若しも諦める時に帰るべき場所を作った……最も子供達からは怒りの眼差しを向けられるけどな。俺には親は務まらない。余りにも銀河連合を倒して回る旅を続ける俺に子供の親は難しいしな。そうゆう訳で後は宜しく頼むぜ、愛するソレイユ!)

 十一月百二日午前十時零分一秒。
 場所は真古天神武マンドロス山標高成人体型百五十西側。
(其の後に紆余曲折の末に漸くお袋の眠る墓地を発見。何と天同家と同じ場所にあったなんて思いもしなかった。色々、探し回って見付けた花を据えている所に相武が行方不明だって知って此処にやって来た訳だ。連れ戻す資格が俺にあるかは此の際、視ずに先ずは相武を勇気付ける事でしか其の後は決まらない。そう思い、俺は話をした。だが、其れだけじゃあいけない。そうだなあ、如何すれば良いのか?)
「あのー、まだきまらないの?」
「いや、決まった」翔和はこう宣言する。「今から俺がお前の教育係に成る。俺が全てを教えてやるから必死に付いて来い……強く成りたければ、な!」
 うん、よくわからないけど……やってみる--根拠はないが、翔和と一緒なら何でも出来ると相武は直観!
 こうして二名の物語は始まる。翔和と相武、天同と地同が相為す時、水の惑星に於ける物語は前半戦を終える為に転がり始める……

『--翔和は連れ戻した際に私の父に懇願して来た「如何か自分を養育係に付けてくれ」
と。お陰で私は此れからの毎の日が兎にも角にも今以上に厳しいと思った事が無かった。
だが、同時に彼のお陰で私は本当の強さに目覚める事が出来た。
 そして、此れから始まるのは彼だけの物語だけじゃない。彼と私の物語彼に託される
物語
私が覚醒する物語、そして私が行方知らずだったもう一名の天同と出会う迄と
こうして迫り来る銀河連合の嵐が執筆中の私をも喰らう迄の物語
だ。
 次は彼と私の物語を始める。其れ迄暫くは休憩を挟んで良い。では--』

 ICイマジナリーセンチュリー二百九十六年十一月百二日午前十時十一分二十二秒。

 第百二十話 天地相為す 地同翔和は旅立つ 完

 第百二十一話 天地相為す 地同翔和に前に壁が立ちはだかる に続く……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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