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一兆年の夜 第百二十話 天地相為す 地同翔和は旅立つ(中)

『--少し休息に入ろう。地同翔和は決して最初から出来た人族ではない。最初は
情けない話で何も出来ない生命だった。少しでも背伸びしようとして何時も誰かに
助けられる生命だった。彼を助けたのは何時だって姉の翔真。彼女は翔和の事が心配で
仕方がなかった。だから独りで旅に出ようとする弟の為に命を懸ける気だったのかも
知れない。今ではもう雄略海に真相は沈んでしまったんだろう。当時は何もわからない
私には彼女の名前を聞いたって如何ゆう顔で如何ゆう性格なのかを想像する余地さえ
ない。
 だが、はっきりする事もある。彼女も私と同じ新仙者である事。瞳が青く輝くのは
新仙者でないと発動しない。其れから僅か一の分も激しい動きをする事もそうでないと
説明が付かない。だが、幾ら新仙者でも先天的には出来ないとすれば何でも出来ると
いう彼女の生命像だろう。地同翔真は紛れもなく希望を体現した才能の持ち主で単独
なのに酋長と会談出来る所や先を読むように当時のソレイユ十八代を翔和の下に
行かせたり、サーベン三世を行かせて二名を助けたりするのは何かを予報する能力も
備わっているだけじゃあ難しい。まあ其れがはっきりする前に彼女はある銀河連合の
腸煮えくりかえりそうな手段で死なれてしまった。あの銀河連合だけは私は絶対に
許さない。其の為に私は此れを記している。まあ、其れについては後にしてもだして。
 ああ、最初に記した事と一致しない点があるそうだよな。誰だってそう思うな。だが、
記した事は本当だ。寧ろ、此処からが地同翔和の才能が開花する時でもある。師で
あったサーベン三世を目の前で亡くし、唯一の姉である翔真があの銀河連合に依って
命を落とした。其れは同時に彼を成長に至らせる道を開かせる。其れはある年の--』

 ICイマジナリーセンチュリー二百九十六年三月四日午前十時七分四秒。

 場所は真古天神武プロタゴラス大陸ソフィス地方ソフィス湾。
 其処は奪還されて以降、砂漠地帯一の港湾として発展した歴史を持つ。砂漠地帯では作物も満足に取れないだけではない。水も地下水から汲み上げるだけでは足りない。水湧き湖も限られる。故に銀河連合に喰らわれようとも砂漠地帯は生命にとって過酷なのは依然として変わらず。そんな生命にとって過酷な大陸を変えたのはやはり真古天神武。そして凡庸とされた天同くれないがプロタゴラス開発計画に判を押す事で始まり、三十の年を掛けてソフィス湾は完成。以来、砂漠地帯に光明が差し込んだ。
(そして、俺はこうして砂漠地帯とやらがどんな物なのかを見にやって来た)
 齢十五にして四の月と二十日目に成る地同翔和は泳いで湾に入った。そんな翔和の前に現れるのは齢二十三にして二十一日目に成るタゴラス鶏族の青年。彼は注意しに飛び出す。
「おいコッラ、お前は銀河連合か何かっかあ!」
「俺だよ、俺」一般生命である証明は何時だって言葉を発する以外にない。「此れで俺が一般生命だってわかっただろ?」
 いや、体内に銀河連合を宿していっるに異成らない--其れでも銀河連合を入れる訳にはゆかない……鶏族の青年の決意は固い。
 其れから三名のカンガルー族の同僚が其の青年の合図に従って翔和の身体検査をした。結果は……「如何やらお前には其れは宿ってなっいな……良かったな、俺の為にっも」何も出なかった。
「はあ、成者に成っても子供扱いか……全くこんな気分は如何かと思いたいな」
「ところで名前っは?」
「今は名乗るつもりはない」
「じゃあ名乗って貰うっからな、俺は禾野コケラー汰っだ。宜しっくな、其処のっ人族!」
 はあ、鶏族の雄は何時もこんな感じの性格が大量に居るのか……少しは性格が少し異なるのと当たりたい--如何やら鶏族の雄と出会うのは初めてではない翔和。

(砂漠地帯で俺は此奴と短くもそして長い付き合いの始まりの出会いをする。此奴の別れは決して死ぬ事で果たされる物ではない。だが、僅かな付き合いで俺は此奴の存在が如何しても欠かさない物に成って来る。有り得ない話だったな、最初の迷惑そうな俺と比べて……はあ、今でも迷惑だったかな?)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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