FC2ブログ

一兆年の夜 第十八話 鬼ヶ島を行く(四)

 八月十四日午後五時二分十一秒。
 場所は南鬼ヶ島村西門。
 天同棟一ら三名と村民である蘇我ウキ麻呂は到着した。
「やーっと着いたーよ! 村ーまで長ーい道のーりだったー」
 アラ太は体中にある水色の体毛がすっかり土色で染まっていた。
「風呂あるか! 俺は風呂に! 入りたい!」
 シュギ朗は薄黒く染まった体毛を元の灰色に戻したいのかお湯に浸かりたい
様子。
「何だっよ! 直情な鳥かっと思ったが意外と頭は冴えってるな!
 風呂なら村に入って南地区にある地区で最も大きい建物に入るっといいぜ!」
 ウキ麻呂は小躍りしながら風呂のある建物がどこにあるかを教えた。
「俺は風呂に入らないぞ」
 棟一は訳があるのか、ウキ麻呂以外の村民に会うと何かを聞き出した後--
「ウキ麻呂殿! アラ太殿とシュギ朗殿を風呂まで案内してくれ!
 俺は用事を済ませたらすぐに入る」
「な、何ーか御用がおー有りなのでーすか?」
「こら! 棟一様はおいらっと話してんだっよ!
 放浪者は大人っしくおいらの後に続っけ!」
「そんなに! 偉いのか! ウキ麻呂は!」
 アラ太とシュギ朗の二名はしばらくの間、棟一と別行動をとった!
 棟一の後ろ姿を見たアラ太は考え事をする。
(棟一様ーが鬼ヶー島へ行く理ー由……そーこにあるかーな?
 天ー同の者達ーは代々避けられーない運命を背負い込ーむって聞くよ!
 今はもうー居なーい仙者生子様ーや壱生様もそうだーったよね!
 あの方々が六十以ー上長生ーきだったのは世界ー中の穢れを自ら背ー負い込む
為ーだったよーうな。
 あっ! 生子様はーそこまでー長ー生きじゃなかーったよーうな)

 午後七時五十七分一秒。
 場所は南鬼ヶ島村南地区タケルノキミ温泉。
 アラ太とシュギ朗、それにウキ麻呂は露天風呂に入って、棟一を待っていた。
「カゲヤマノタケルノキミという鬼族の者はかつては神武鬼族であっり、天同読四を
はじめっとした数多の者達の護衛を務っめた剛胆なる鬼だよ!」
「聞いたこと! ある! あの鬼は! 四十を過ぎると! 体力の衰えを! 理由に
引退し! 鬼ヶ島へと旅立つ! その途中! この地で村を守る為に! 銀河連合
と相打ちに! 何とも! 悲しきお話だ!」
 シュギ朗はタケルノキミの話で両眼から滝のような涙を流した!
「そ、そこまーで泣かなくてーも!
 そ、そんーなタケールノキミさんーの命は大地ーに還ーっても魂ーはこうしーて
温泉となって僕ー達を癒してるでーはないーか!」
「ウヘ! アラ太のあんちゃんにしては珍しっく当を射たこといっうな!
 普段っは気が弱っそうなのに!」
「何だとウキ麻呂ー君! その減ーらない口をー僕の前ー足で閉じてやーろうか!」
「やれるもんならやってみって!」
「こら! 喧嘩するな! 逆上せたらどうする!」
 アラ太はウキ麻呂に飛びかかり、ウキ麻呂は躱しながらアラ太をからかい、それを
迷惑がるシュギ朗の構図--その様子を一名の人族が黙って見ていた。
「はあ、三名は何やってるのかな?」
(はーっ! こー、この声はー!)
 小さな呟きに気付いたアラ太は発信源の方に振り返るとそこには天同棟一と
呼ばれる少年が今にも湯に浸かろうとしていた。
「む、棟一様ーが来られーた!」
「何! もう用事が! 済まされた!」
「あんちゃん達は後ろに続っけ! 先頭はおいらっだ!」
 三名はじゃれ合いながらも棟一の所に駆けつけた!
「待たせたな、アラ太殿にシュギ朗殿、それにウキ麻呂殿!」
「いいってー、いーいって!
 ササ、どーうぞゆっくーりと湯に浸かーって下さいー!」
「何か景気話でっもしますか、棟一様!」
「こら! 調子良いこと! 言える口か!」
 その後十の分の間、四名は互いの腰砕けな会話をした--それがやがて強固な
信頼関係を作る事となる。
(シュギ朗さんはー楽園ーを求めーて放浪をしてたーんだね! 僕に近ーいと
思ったーけどそうじゃーないんーだ。
 ウキ麻ー呂君の方は名ーを轟かーせる為ー。僕とーしては共ー感しなーいよ。
 結ー局、棟一様が何ーの為に鬼ーヶ島に行ーくのかわからなーかったね。
どんーな使命を帯ーびてるのだーろう?)
 その使命は棟一に成りすます所に理由がある事をアラ太は気付かない。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR