一兆年の夜 第百十九話 日は又、昇る(六)

 午後五時十八分三十二秒。
 場所は拠点型心臓型区域。
 其れは旧楠木傭兵団最後の区域。其処で更に半数の命を糧に前線部隊は心臓型を倒す事に成功。だが、本番は此れからだった。
「ヒラメ来さん、やっぱり拠点型の内部に居た拠点型を倒すべきでしたか?」
「だから目的は此の拠点型を倒す事だ。其れに此の数に成ってしまったんだ。まんまと奴は心臓型無しでも動ける状態か或はもう一体の心臓型が何処かに居る証拠だろう」
「銀河連合め、正々堂々という言葉はそうゆう意味じゃないぞ!」
「叫んだって頷きませんな。叫ぶよりも何か案はありませんか?」
「……脳は如何だ?」
「脳、か」ブリ伝が伝えた何かにヒラメ来は何かを閃きそうな感覚に陥る。「だが、拠点型と俺達が必ずしも同じ個所に脳と心臓を配置しているとは限らないな」
「其れでしたら僕の中隊に所属する第七小隊の生き残りに脳内地図が得意な生命が居ます」
「連れて来てくれないか?」
 わかりました--格上に勝つ為なら頭を捻る……其れが力が及ばない者の戦いである。
 其れから中隊長級の五名は十の分欲しい所を僅か五の分と二の秒で脳内地図を形にして脳型のある地点を三つに絞った。何故か? 其れは動き出した次のヒラメ来が考える事で説明される。
(心臓型を倒した時に僅かだが、銀河連合が匍匐前進する速度で迫って来ているのを見たット。あれ以上は時間は掛けられないット。だからさ、だから俺達は拙く速まって脳内地図を描いたット。彼も同意してくれたが、待たせてくれるほど世の中は上手くいかない物ット。其れに十の分掛けても銀河連合の包囲網を突破出来なければ俺達に生き残る道は薄いッテ。ならば生き残る為には拙く速まるしかないット。
 さて、さてさて三つに絞った理由を少し解説すると第七小隊の小隊長を任される齢二十四にして二十三日目に成るエウク蛸族のサカリサー・チングは脳内で地図を描くだけでなく各地の遊戯大会に於ける勝利予想でも絶妙過ぎる予想を立てるット。其れだけに、其れだけに彼の予想と脳内地図は俺達にとっては有難い物ッテ。ん、ああ三つの地点の事だったよなット。誰に向かって考えているかわからない俺も居るット。
 三つは其々、其々なあット。一つは従来の生命の頭から手足に掛けての配置を指すット。其れだけに心臓型よりも先でちょうど俺達とは、俺達が入って来た入り口とは反対方向に脳型があるという予想だット。単純で簡素な理由からして楽とはいかない迄も三つの中での激戦度は限りなく低めだット。二つは中に居る拠点型に隠れているという予想だッテ。此方は拠点型を相手に七割も死んだ事もあって全滅は避けられないッテ。けれども可能性としては極めて濃厚だット。銀河連合の考えそうな策と考えればなッテ。最後は中に居る大樹型に潜むという所だット。此方はサカリサー曰く外側だけで判断が可能で緊急離脱に向くット。が、だが奴等との戦いは液状型に感染する事と直結するッテ。そうゆう訳だから一つ目に比べて生存率は低いット。液状型の恐ろしさは生き残ったとしても、生き残ったとしても感染者を通じて内部から食われてゆくという所にあるット。
 其れで俺達が向かうべきなのは……三鰭に分かれてだッテ。三つ目は戦い好きで観戦しようがしまいが如何でも良いイカロム率いる第三中隊が単独で向かう……死ぬ気だなット。二つ目は激戦もあってブリ伝とサバッツの極めて頭脳と経験を活かした二中隊が向かうッテ。彼等だって無事では済まないッテ。最後の一つ目だけは俺の率いる第一中隊とタイン六世率いる第二中隊が突入するッテ。然も此方だけは補給小隊一つも付けない状態で突入するから弾が切れたって、弾が切れたって文句を言う資格はないット。
 さあ、てット。俺達は無事でいられるかッテ?)
 突入前から無事ではいられない事を知っていた。だが、拠点型を倒さないと勢いは確実に成らない。倒せない場合は士気は大きく上がる事なく、新楠木傭兵団は北海からの撤退を余儀なくされる。そんな博奕をヒラメ来は打った!
 残り二千一……

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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