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一兆年の夜 第十八話 鬼ヶ島を行く(三)

 八月十三日午前八時二分八秒。
 場所はタレス山脈標高成人体型十付近。
 三名は空腹で倒れ込んでいた。
(物をー飲まーず食わずーで二日目になーった。まさかシュギー朗さんがー食べー
物を持っていないーなんて!)
「このままじゃ! 自分達全員! 餓死決定だあ!」
「騒がないで、くれるかあ、シュギ朗殿。も、もうこ、言葉も」
「お、おきーあが、るこーとも、まーま、ならないー、よう」
 三名は匍匐前進するように南鬼ヶ島村を目指して進むが、空腹の為に成人体型一進むのもままならない。
(このまま僕ー達は一昨日ー逃げるー事が出来ーた銀河連ー合に食べーられる
かー、そーれともこのまま餓ー死するのかーな?)
 そんな状況になっている三名の目の前に齢十八にして九の月と十日目になる
成人体型一以上ある猿族の少年が自身の身長の三分の二ほどあるタレス竹製の
籠を背負って現われた。
「おやおっや、おじさん達は何っを地べたで遊んでっいますか?」
「これが! 遊んで! いるのか! うう! 腹あが!」
「もしかしって空腹? それなっらおいらが持ってるタレス芋を差し上げるけっど?」
 その言葉を聞いた三名はまるで空腹が本当でないように飛び上がった--猿族
の少年が抱えた籠めがけて駆けつけた!
「だ、誰だか知らないが金はいつか払う! だ、だから籠にあると言われるタレス芋
を俺達三名にくれ!」
「べ、別に断ってーも良いよー! どこのー骨とも知らーない僕ー達に芋を与ーえ
たら君の生活ー基盤を揺ーるがすかーも知れなーいし!」
 アラ太は余計な事を言ったせいで--
「そうっか! じゃああげっない!」
「アラ太! 余計だ! お前のせいで! あの子供から芋を! 食べる機会が! 
無くなったぞ!」
「無くなったも何も食欲一つで元気になっるならこのまっま空腹にさせってもいいかっ
も?」
 少年は少々意地が良くない性格だ。
「このまま餓死させたらどうなるか分かってるのか、少年!」
「何かっな、緑髪の君!」
 棟一は両眼を大きく開いて少年の小指よりも小さい眼を見つめた!
 そして--
「ここにいる雄がもし天同の者なら君はどうする?」
 その言葉を聞いた少年は黄色い体毛を逆立てながら整列した!
「ま、まさっかあなた様はかっの有名な--」
「そうだ。俺の名前は天同棟一だ! 神武族の長、人族の天同家の天同弐雄の
第一子であるぞ!」
 少年は棟一の言葉を聞いて思わず涙を流した!
「ああ、感動的だっあ! まさっかこの蘇我猿族の蘇我ウキ麻呂は天同の者に
会っえて有り難き幸っせです!」
 そう言ったウキ麻呂と呼ばれる少年は今までの態度が本当でないみたいに棟一
の前で土下座をした!
(礼を尽くーすのはわーかった! だかーらさっさーと僕達にー芋を!)

 ウキ麻呂が土下座してから二の時が経つ。
 三名はようやくタレス芋を口にした!
「う、まい! うまい! うましい!」
「冷たいが、美味い! 食べ物を口にすると生きてるって実感が湧くなあ!」
「棟一様ー! ちゃんと噛んーで食べないとーお腹ーの虫さんは困ーりますよ!」
「どうっだ! おいらの畑で採れったタレス芋の味は! 涙が溢れんだっろ!」
「どや顔は! 何だか腹立たしい! と思わないか!」
「僕はー頭に来ーたよ! 食べーるまでにどうーして二のー時くらい過ぎなきゃー
いけないーか!」
 アラ太はウキ麻呂に飛びついたが、ウキ麻呂はアラ太の背中に乗っかり逆にして
やられた!
「くうーう! 僕がこんーな子供にやらーれるなんーて!」
「子供とか言うっな! こう見えて通過儀礼を果たしたんだっぞ!」
「と言う事は君の年は俺より上なのか?」
「え? 棟一様はまっだ十五歳じゃっないの?」
「いやあいつの年齢から考えて今は十七歳だが、ってあ!」
 またもや余計な事を口にした棟一は今度こそ覚悟を決めるが--
「おいらより若いんっだ! それで立派ならおいらっはますまっす棟一様を尊敬
するっよ!」
「自分達より若い! お前の口か!」
「それーよりも早く僕の上かーら降りてよー!」
 三名は全く気付かない。
(何だーか棟一様の周りーが賑ーやかになってーいくなあー。これがー僕の探し
求ーめた意味なーのかな? いやこれじゃーないようーな。
 まっ、いっかー)
 アラ太はそれでも棟一と呼ばれる少年が誰なのかを知らない。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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