一兆年の夜 第百十八話 七度生命として生まれ変わり、連合を倒して希望に報いん(六)

 午後三時四十四分十二秒。
(残り三十名、カ。良クゾ此処迄戦ったぞ、楠木傭兵団ノミンナ。必死に逃げて逃ゲテ、ソシテ見付けた戦線の薄い部分を突く。ダガ、何度も同じ鰭が通じないように銀河連合は敢えて薄い箇所に指揮官鯨型を配置シテイタ。結果は第二小隊長であるマグロコを含む五十名近くが指揮官鯨型と運命を共にした!
 倒した事が幸運だったお陰で俺達は一の時もの間ダケ、休息ガ摂れた。気休め程度の休息でも構ワナイ。死んでしまった団員達を黙祷する位の時間ハアルノダカラ。小隊長級ならタイン五世、サバッタ・サバラン、空藤マンボ助、ソシテマグロコ・デラクス……と彼等を含めた百七十名の団員達ヨ。お前達の事は決して忘レナイ。全て紹介出来ナイノガ辛い。名前を忘レル事は簡単だが、覚える事が難しいように百七十名すべてを紹介する事が今は欲するが故ニ。ダガ、俺達が百七十名に報いる方法ならアル。其れが北海に居る全ての銀河連合を退散させる事ダ。単純明快且つ別に捻る必要もない理由ダロ? 誰に伝えているのかを俺はまだ知ラナイ。其の話は死ぬ瞬間迄取って於くモノだ!
 其れよりも今は指揮官鯨型を倒して束の間の喜びを経験シタイ。例え糠の喜びデアロウトモ団員達の師で俯くよりもまだ希望がある。まだ可能性が十分ニアル。俺達は数の上では最初から可能性はナカッタ。ダガ、俺が全責任を取って決断した事ダ。絶対に適わないとわかって参加を取り合わない選択だって部下達は出来た筈ダ。其れをしないのは俺の意志を呑んだという証拠でもあり、何時でも白骨に朽ちる覚悟を決めた証デモアル。証ノ拠り所としてタイン等第四小隊が命を懸けて中間地点越えの為の殿を務め、サバッタとマンボ助が命懸ケデ指揮官鯨型の実態を知らせ、マグロコ達第二小隊が其の情報を頼りに自ラノ命を賭した!
 そうして俺達は三十名だけと成ッタ。其の内、団長である俺に副団長にして弟のホエール季、第三小隊長にしてホエール季の恋者であるホエーラに参謀役のブリ郎だけしか幹部が居ない状態。ダガ、ブリ郎は既に意識を朦朧とし始める。戦傷デハナイ。どれだけ寒冷適応しようとも長期間も此の地で活動をすればオノズト限界は訪れる。ブリ郎を始めとした環境適応出来ても長時間は戦えない団員達は其れが訪れ始メタダケダ。イヤ、俺も少し……眩暈を起コス。ドレダケ適応訓練をしようとも余りにも時間が経てば肉体は休みを欲す。然も寒冷地なのだから其の誘いは尋常では、ナイ!
 如何やら今日か明くる日が来れば俺達は全員氷漬けかも知レナイ。だが、其の前に命の炎だけは燃やさないと気が済マナイ!)
「ねえねえ、ねえねえ」此処から先はエラ会話で楠木傭兵団の状況を知らせよう。「なあなあ。なあなあ」
「大丈夫だ。俺は大丈夫だ。俺は大丈夫だ」
「私、ね。ホエール季。私はね。私は、私は--」
「もう伝えなくて良い、ホエーラ。俺は其れで涙を流すような生命じゃない」
 確かに、泣いていない--わかっていて敢えて真実ではない言葉を伝える虫族みたいな息をしたホエーラ。
「ホエーラ? ホエーラ?」
「もう十分だ、季。お前はどれだけの水分を水中内に放ち、氷に変えてくれるか!」
 何で俺達は、此の環境に苦しむ運命なのだよ--ホエール季は今迄の強い姿勢とは一転した態度でホエール成に問い詰める程追い詰められていた!
「俺の責任を知っているだろうが!」
「そうやって兄者は自分を責める。俺達だってわかっていた……だが、同時に甘く見てしまった。結果が--」
「止めなさい、ややああめなさい」満身創痍であるが、参謀役として間に入るブリ郎。「残り二十名を切ってしまったからと、いい、てもな」
「合わせて十一名も海に抱かれるのか。そんな状況下で残された選択とは--」
「ああ、そうですね。そろそろ、そろっそろだ」
「そうか……ははあぶば。はあ、はあ。わかった」少し鰓を整えてから話すホエール季。「あの作戦が実行される訳だ」
「最早空論の域だが、な」
 構わない……例え空論であったとしても俺が作戦中に軌道変更させて少しは使い物にさせてやる--そう伝えてホエール成は楠木傭兵団最後の戦いに赴いてゆく!

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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