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一兆年の夜 第百十八話 七度生命として生まれ変わり、連合を倒して希望に報いん(四)

 午後十時零分四秒。
(銀河連合との逃泳劇は三の時モ掛けた。戦う時同様に逃ゲル時も全力で当たる。そして、奴等の戦線が伸び切った所を横から攻メ立テル。此れは戦イノ基本。伸び切った所は余りにも脆イ。そして、質では補エナイ。俺達はそうして最小限の犠牲だけで戦いを済マセタ。死者は三名。齢三十四にして二の月と三日目に成るルケラオス烏賊族のイカロマ・イカンに齢二十にして十九日目に成るエウク人鳥族の女性であるペギー・リーンに齢二十一にして九日目に成るプトレ鮟鱇族の女性であるアンコ・アエンコ。此れで百九十五名ダケニ成った。再編するにはまだ容易いが、僅か一名も増加する辺りに危機感を募ラセルノガ二名。俺と参謀のブリ郎ダ。
 銀河連合は俺達を追い詰める為に小出しに攻め立てているのではないかって考えたりモスル。若しもそうなら包囲だけはサレナイヨウニ話し合っても見た。するとブリ郎は半数だけ逃がすよう提言シタ。というのも奴は此れ以上の戦いは無用だと考えるミタイダ。何でも五名も犠牲者を出したのなら此れからは加速する番だと主張スル。そうすると意地を張って戦った所で意味は見出セナイ。骨が折レル位の覚悟で脱出戦を試みる番だと主張を始めた。其れから妥当な協調として半数を逃ガスヨウ提言。俺に気を遣ッテ其れを主張するとは、此れ以上は良い案は出せないと諦めた証拠ナノカモナ。
 ダガナ、ブリ郎には申し訳ないが退却という二文字ハナイ。俺は北海を攻め込むと決めた時から全てを懸けるつもりでアッタ。故に俺はブリ郎の提言を断ッタ。今更、提言を受け入れてしまったら益々北海は銀河連合の好き勝手を証明シテシマウ。俺が決めて此処迄来た以上は俺は気分次第で決定事項を変更する事は断じて有り得ナイ。好き勝手は責任を担う者ノスル事ではない。其れについてはブリ郎も既にわかってイタ。ダカラコソ、奴は瞬間を狙うように作戦案を出し始メタ!)
「団長もわかるように戦いに於いては」此処から先はエラ会話のみに終始する。「三つの基本が存在します」
「其れは初めに勝てる戦いをする。次に勝てないとわかったら逃げる。最後に出来る戦いだけをする……以上だろ?」
「はい、今回の作戦案を私が石板に彫って来ました」
 鰭が擦り切れる位に悩んだのだな--魚種族は尾鰭迄行使して石板に文字を書き起こす。
「戦いで傷を受ける事に比べれば大した問題ではありません」
「そうかい、其れで」ホエール成は少し注文を付ける。「俺達の役割は此奴で良いかい?」
 なななな何故そう思うのだ--ブリ郎はホエール成がある役割を志願する事に思わず泡が大量に飛び出す程の驚きを見せた!
「何だい、二名して密かな話かい?」ホエール季が近付く。「副団長には知られたくない作戦会議はいけないねえ」
「季か、丁度良かった。参謀のブリ郎が取って置きの作戦を立案したぞ!」
「どれどれ……フムフム、っと」
「副団長殿、わかっていると思いますが此れで確実とは--」
「参謀が強気でないのはわかるが、必ず勝てる戦いが無い事位は知ってるよ!」
「ならば理解して欲しい。此の作戦の成功には--」
「実は俺自身の命に懸けても此の作戦は成功に導かないといけないんだ!」
 いいや、俺も兄者と一緒に出るとしようか--ホエール季は既に腹を決めていた模様。
「楠木傭兵団は楠木兄弟が築き上げたような物だ。其れを僅か三の年--」
「楽観視しろよ、ブリ郎。兄者と俺の鰭から楠木傭兵団は離れて行く」
「そうだ、シャーク傭兵団の現団長がブリ郎の兄貴であるように必ずしも俺達だけの傭兵団ではない。お前でも第一小隊の小隊長サバッタでも良いんだ。俺は北海を攻め込もうと心に決めた時から既に遺言書を彫った後なんだ!」
「奇遇だな、兄者。俺もだ……だが、俺は兄者と異なって死ぬ事なんて始めから考えないがな」
「二名共……申し訳ありません!」
 責めるな、ブリ郎……お前は良く引き出してくれた--と涙を流しそうなブリ郎を宥めるホエール成だった。

 四十五日午前三時五十三分二十四秒。
(ブリ郎の作戦案は公表された。其の内容を語る前に幹部達の様子は次の通りだったな)
「其れならホエール季と運命を共にするわ」其処から先はエラ会話で展開される。「恋者が運命を共にしなくて如何するのさ!」
「んな事を許可する訳あるか、ホエーラ!」
「でもまだ交わりをしてないのでしょ?」
「ウベボビ……じゃなくて今の状況下で交わっている場合じゃない!」
「じゃあ子孫残せないわよ」
「雌口調のマグロコさんに言われてもねえ」
「良いじゃないっすか、暗い雰囲気を明るく出来る訳っすから」
「でも如何するのですか、皆さん。団員達はきっと命懸けで団長達を庇いに行きますよ」
「重要な情報を与えないのが幹部の役割だ」ブリ郎は参謀としてそう断言する。「全てを語る程、作戦立案者も最高責任者も責任無しではないのだ」
「そうゆう訳だから俺達は団員に表向きだけを発表する。其れが責任の取り方という物だ」
「此処に居る幹部以外には誰にも俺達の悲壮感は知られない訳なんだな」
「其れは正しい用法ですか、副団長殿?」
 作戦概要は知られる事なく、表向きだけが発表された。

 午前六時五十八分三十四秒。
(戦いは三十の分ヨリ前に開始。作戦は単純で『頭だけ叩け』という物サ……表向きハナ。ダガ、銀河連合に決まった頭ッテノハ無い。指揮官型だの百獣型だのと地上種族が良く口にする銀河連合は此の海の世界では聞カナイ。俺達が口にするのが大樹型だの拠点型ダノ。ワカッタダロ、決まった頭が無いというノハ。其れが海の世界に於ける最強と呼ばれる銀河連合の特徴という奴ダ。
 其れから早めの結果ハ、第四小隊が全てヤラレタ。小隊長であるタインは死んでシマッタ。ダガ、意味のない死ではない。両眼を刳り貫かれた状態であいつは特攻して俺達に道を示シテクレタ。こうして俺達九十八名は頭を目指して中間地点を突破シテユク。中間水点だ……あの常識魚のタインと小隊員達が命懸けで切り開いてやっと中間水点を突破シタダケ。
 此処からが本当の地獄かも知れないと思うと俺達は残り九十八名を何とかして頭の方迄導クシカナイトイウノカ!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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