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一兆年の夜 第百十七話 君死にたまふことなかれ(六)

 五月三十五日午前二時十四分四十七秒。
 場所は東海洋藤原新説不比等市中央地区他派蘭邸一階居間室。
 其処で深夜の一時過ぎから早朝の四時過ぎ迄各々の頭脳労働者達が議論する場にてアキは齢三十六にして二の月と二十二日目に成る雄略梶木鮪族の老婆である平塚カジチョウ三世と激しい議論を交わす。
「だから今の時代は雌の参政権をより誠実な物にする為の番でしょ!」
「雌は雌らしい生き方をしなさい!」
「其の雄に平伏す時代は終わったのです!」
「時代すら訪れていないじゃありませんか!」
 二名は雌雄平等について激しい議論を交わす。革新的な雌の地位を求める新鋭の雌活動家の平塚カジチョウ三世と本来あるべき雌雄の在り方を主張するアキ。二名の溝は深まるばかりなのか、いや初めから互いの道が交わらない事が決まったかのように噛み合わない!
「雌が将来の最高官に成る日が訪れます。其の第一歩を同じ雌が止めるというのですか!」
「雌は大人しく子供を産んで育てて夫の帰りを待つのです、平塚さん!」
「其れが雌の自由を自由にさせない行為だとわからないのですか、余佐野さん!」
 余佐野アキは今日も自由気ままに終わりへと向かって泳ぎ進む!
(新婚一の週が経つかもね。あの子はきっと新婚旅行から帰って行く頃なのよ。きっとチヨさんに尻を敷かれ始める頃合だわ、イイキミヨ。私から離れて行き、タタカイニミヲトウジタツミナノダカラネ。私は戦いなんて言うのは雄のするべき事なのよ、ソノセイデナンメイモノセイメイガイノチヲオトスホンライアッテハイケナイコトナノヨ。ベアール・真鍋だか誰だか知らないけど、タタカイノミチナンテススマセタツミハコウシテメスガオストオナジコトガデキルトカンヲタガエルセイメイヲウミダスコトニナッタノヨ!
 まあ脱線するのは此処迄にするわ。取り合えず、ワタシハメストシテノイジヲサイゴマデツラヌクワ。雌は夫の帰りを心より待つ。雌は子供を育てる喜びを楽しむ。雌は家の事に忙しく削ぐ事を何よりも生き甲斐とする。雌は……決して雄みたいに戦いを美しいと考えない効率重視の性別なのさ!
 其の為に戦いを好まない。戦いに依って大切な者が想念の海に旅立つ悲しみに耐え切れない。子作りの為に生命の波動を宿す。生命を産み落とす痛みに耐え切る。そして育てる苦しみ、カナシミ、ヨロコビ、イカリヲナニヨリモワスレナイモノニシナイ。そうでなければ何の為に雌は家を任されるのさ。雌が家に居るのは夫の帰る場所を作る為だろう。子供達の逃れる場所を作る為だろう。そして、ワタシガホネヲウズメルタメノバショヲマモルタメダロウ!
 そんな感じで私は余生をこうする。老後の生活を私がこれまで経験した事をすべて出し切るつもりで突っ泳ぐ!)

 ICイマジナリーセンチュリー二百七十三年五月三十五日午前三時零分零秒。

 第百十七話 君死にたまふことなかれ 完

 第百十八話 七度生命として生まれ変わり、連合を倒して希望に報いん に続く……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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