一兆年の夜 第百十六話 武士道とは死ぬ事と見付けたり(風)

(話術を駆使して何とか入った矛盾山高高度地域。最初に遭遇したのが選りにも依って指揮官型。当時の私は指揮官型は倒せる自信があった。指揮官型については随分熱心に研究した。隠し腕の存在も隠し包丁のような何かの存在も其れから尋常じゃない速度に身体能力何もかも全てを知り尽くした。後は実際に戦いながら誤った差を少しずつ埋めるか或は実際に戦う時に味わう強烈な気当たりを何とか制する事が出来れば序盤は有利に事が運んで仮に学習したとしても終始ある程度は崩さずに倒せるという自信があった。決して余裕ではないという事も踏まえていた。此れは長年のバルケミン家の分析し続けた机上の空論に頼らない為の思考法。決して相手と対峙する際は大分上方修正して挑まないと慢心を患ってしまうという。此れは全ての頭脳労働者に講演してやりたい思考法ではある。頭でっかちは如何しても肉体が頭脳と同じように動かない事を余りにも知らなさ過ぎる。知っている生命でもやはり頭の方が先行しやすい。無論、私の一族であるバルケミン家もバルケミン家から分かれた新生ボルティーニ家も依然として頭でっかちである事に変わりがない。其れでも私達バルケミン家は其の頭脳の先行を少しでも緩和する為に先程紹介した思考法を確立した。故に当時の私は勝てる自信があっても余裕で勝てるとは自己分析していなかった。
 先程紹介した以外の理由も紹介しよう。其れは指揮官型が最強の銀河連合という絶対的な優位性は何よりも尊重される。其れを何としても守る為にはあらゆる分野で他の銀河連合よりも勝っていないと説明が付かない。最強とは揺ぎ無い説得力を齎す為の理由付け。理由付けの為にあらゆる分野を駆使してでも最強の座を守り通すのはどの世界でも当たり前じゃないか。故に指揮官型の最強とは何よりも油を断っていられない条件。
 次に音を超越する速度。此れを迎撃するのは理論上は可能。何故なら最速に近付けば必ず一直線でなければ成らない。一直線ではないとは限らない? 最速のまま曲線を通るのは現実では実現し得ない。一直線でも肉体への重荷は強大で、尚且つ急に曲がる事は誰もが難しい。故に理論上は迎撃がやりやすい、理論上はな。だが、実際には間隔を合わせる事も攻撃した部位の位置を固定したまま迎撃するのは現実には可能とは言えない。目で追える速度ならば迎撃は可能。しかし、目でも捉え切れない速度に成ると相手の質量が重ければ重い程に迎撃する部位どころか自身の質量が其の場で固定出来るとは限らない。場合に依っては逆に吹っ飛ばされるのがオチだ。其れ位に圧倒的な速度は攻略するのが容易くない問題。
 最後はやはり豊富な攻撃の数々だろう。其処に銀河連合の性質も合わさると中々に肉体労働者に課せられる頭脳労働の量は膨大に成る。肉体の労力は反射の段階迄上り詰められば多少は反応が可能。だが、最後は文武両道が優先される。幸い、私は頭脳労働者の家系であるバルケミン家の出だから頭脳への自信は鬼族よりも高いという重荷がある。故に先読みの技術も二十代迄に習得した。其れでもあくまで私の優位性の一端に過ぎないと踏まえて覚え切れない攻撃を受ける可能性は認めるしかない。
 此のようにして当時の私でも余裕とはいかないように上方修正をかました。其れでも指揮官型を最も良く知る故に勝てる自信があった。だが、実際にやり合って思い知った。指揮官型は幾ら資料や頭脳分析しても其れは私の甘い指揮官型の姿でしか過ぎない。実際は勝てた事自体が運のお陰としか言い表せない程に指揮官型は二度と戦いたいと思わない銀河連合だった。
 理由を説明するのは余りにも労力が居る作業。既に私は寿命を迎える中で其れを克明に語るとしたらやはり指揮官型はs峰増を絶する以外の説明が付かない。勝利出来たのは環境のお陰。決して私自身の力で勝利を掴めた覚えはない。寧ろ此の年に成る迄指揮官型との戦いで無くした物は自身の力への絶対的な自信以外に無い。正に奇跡とは此の事だろう。そして指揮官型以降の私は強さについて再認識する機会を与えられた。再考する機会を与えられた。其れからは皆も知っての通り、私は優れた兵法家として真古天神武で名が知られる事に。
 そして、包丁の道は指揮官型を倒した所から始まった。私が本当の意味で包丁について只の銀河連合を倒す為に振り回す物だと勘を違えたのは余りにも恥ずかしき過ぎ去りし出来事の一つとして数えられる。其れだけ、私は包丁を知らなさ過ぎた。そして強さとは奥深い事も知るように成った。こうして折り返しは終わった。
 次は私独自の道について少しだけ語るとしよう……)

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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