一兆年の夜 第百十五話 少年よ、大志を抱くんだ(説)

『--「先生」人生一の日目は何としても授業を熟す事にある。元々、顔や超え、喋りが
全く似た人族である私が食われてしまった内村苦楽と同じように授業するのは苦労した。
抑々、台本通りにやる事自体が難しい。何せ、私が教えるのは小学校の生徒ではない。
増してや論文発表会みたいに数多くの頭脳労働者でもない。其処には齢十四から
二十三迄の幅広い雌雄。合計十八名を教えなければいけないのだから苦労が絶えない。
まるで鴨下政治塾のようで非常に心苦しい話だ。タドロギノカモミチは寿命の短い中で
良くぞ教え切った物だ。
 さて、悲しい観方の話は余りにも希望がない。楽しい観方が大事なのはどんな世界
だろうと共通する話。誰かがこう言ったな。「悲観は気分、楽観は意志。一般生命は
如何しても悲観に成りがちである」と。確かに悲観的な考えで今後の対処を考察するのは
正しい。だが、批判的な程、立ち止まる物だ。だったら物事を楽しいと思って進んで
ゆく方がどれだけ生産的なのかはわかるまい。一般生命は何事も楽観的に考えないと
人生を謳歌するなんて出来る筈がない。私はそうゆう話から始めたな。余りにも能力の
如何こうを考えるのは参ってしまうからな。
 次に形だけ教鞭を振るい始めた。最初は軽い授業をするのはどの教師も同じだと聞く。
最後に今日の授業の総括を軽くして乗り切る。最初はまだ良い。まだ授業に勢いを付ける
必要はないと「恩師」は助言してくれた。だが、「恩師」曰く二の日の目、三の日の目
からが正念場。其れ迄に「物にしろ」と勧めた。
 何故「物にしろ」と勧めるのか? 其れは技術を習得する為には技術を持つことが重要
ではない。そんな事では体を動かすように技術を振舞う事は出来ないと「恩師」は語る。
だが、其れに気付かない生命が多い。如何しても技術を好きなだけ習得するのは
構わないが、其れを手足及び尻尾のように振舞う事も出来ないから持っているだけで
終わってしまう。其の点だけ私は恵まれていると「恩師」は語るようだ。
 だが、技術の無い状態で二の日の目以降も生徒の前で教鞭を揮うのも大変難しいと
考える。悲観的な話に成るが、筋肉だけ付けて技術を知らないという事は芸が少ない事
の証左でもある。芸が無ければ客は離れて行く。こんな事は自明の理。故に客が
離れない為にも芸を磨かなくてはいけない。故に技術の習得を鈍るならば子供達は授業
を子守唄を聞く程にだれてしまう。子供達は芸を見る為に出席している一面もあるのだ。
我慢させるようでは「先生」はやっていけない。
 悲観とは物事の対策をする時にこそ、やる物だ。全ては完全とはいかないまでも普段
は一割にも満たない力を一割に届かせる為に必要。悲観とは一般生命を努力させる為に
行われるのである。決して楽観にばかり比重を置けない理由は其処にある。楽観過ぎると
今度は努力する気が起こらない。故に私は努力する為に悲観をした。
 要は楽観も悲観も使い方次第だ。気分が左右されやすい悲観は努力の方面に使えば
己を鍛える体の一部と化す。一方で楽観とは追い詰められた時に笑っていられる余裕を
形成させる為の起爆剤。私は楽観の意思を貫く為に悲観も使い熟して二の日の目以降も
乗り切ろうと考えた。
 ま、私の場合は今迄働かなかったいや努力しなかったから余計に誰よりも努力
しなければ追い付けない部分ではあったな。とはいえ、一の日より前も二の日より前も
決まって成果が得られたとは言えない。努力の道は困難極まりない。まるで一生懸けても
追い付けない道であるかのように途方に暮れたな。
 成果が得られないままに二の日の目に入った。強張った肉体を奮い起こす為に私は楽観
を以て前に進むしかなかった!』

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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