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一兆年の夜 第百十四話 初めてのお使い(五)

 こわかったらしい。僕はこわかったらしい。だから僕は必ず死ぬと思ってもぜったいに生き残ってやるらしい!
 けれどもぎんがれんごうは僕をはなさないらしい。おじさんみたいに僕の吸ばん一つ一つにつかませることで僕を決してはなしたりしないらしい。ここに来て僕の吸ばんがかえって僕の命をきょうふ、いや何て言うんだろうらしい。どっち道僕は死ぬ寸前まで追い詰められるらしい。いくら烏賊族の生命である僕でもおじさんみたいなあんこう族が住み良いとされる深海ではまともに息が出来ないらしい。それにお母さんによるとエラ呼吸でもさんそのうどのこい場所じゃないと意味がないらしい。特に深海はさんそのうどのこい場所が極端に限られているらしい。そのために深海種族はみんなあんな姿だったりするらしい。それは低さんそおよび深海のあの急速なあつ力にせり上がることを何とかたえる為にそうなっているらしい。みんなお母さんから聞いた話だとらしい。ぎんがれんごうは二つの理由で僕を引きずりこんでゆくらしい。そして、はなさないらしい!
 それでも僕はあきらめないらしい。初めてのお使いでこんなに命をかけるとは思ってもみなかったらしい。それでも僕はおじさんやくまぞくのおにいちゃんが僕を助けたみたいに僕じしんの力をいっぱい使って助かるんだらしい。でもぎんがれんごうは僕の吸ばん一つ一つをあんこう型のなめらかな皮ふを使ってしがみつくんだらしい。それでも僕はその吸ばんを信じて逆にそのがんじょうあるいはやわらかしいのを傷つけようと考えるらしい。でも、でも……傷一つつかないらしい。そして僕の足の一つにかみ付いていきおいよく僕の中に何かを……いやだよらしい。僕がこんな所で死んでしまうのはいやだよらしい!
 そして僕の中に何かがしんとうしようと……した時、だれかが真上より僕を引き上げてくれたらしい。そのものは足がどこか分あついような気がしたんだらしい。後は僕の中に入って来た何かをあの生命は取り込んでいった気がしたんだらしい。おかげで僕の中にあった気持ちの良くないモノが全て晴れやかになったらしい。でも、でもそのものを僕は知っているらしい。くまぞくのおにいちゃんが僕のために探し出して、わざわざ得意とは言えない海の中まで入って来たらしい。僕のために……僕のためにらしい。そしておにいちゃんはぎんがれんごうとうんめいを、うんめいを……ウワアアアアらしい!
 それが僕がけいけんして学んだ初めてのお使いらしい。僕は一しょう二名のことを忘れませんらしい。僕は二名のおかげで生きることも死ぬこともどんな物かわかったらしい。僕は永遠に忘れないかららしい……

 ICイマジナリーセンチュリー二百六十一年三月百十七日午前十時二分三十一秒。

 第百十四話 初めてのお使い 完

 第百十五話 少年よ、大志を抱くんだ に続く……

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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