一兆年の夜 第百十四話 初めてのお使い(四)

 それからもう少しで帰れそうな時にぎんがれんごうがやって来たんだらしい。きるもおじさんは僕を守るために海の戦いにたけた何とかのさめがたに挑んだらしい。あのさめがたとの戦いでおじさんはたくさん体を食べられていったらしい。なのにおじさんは僕のために自らのみを考えなかったらしい。勝てないとわかっているのにおじさんがさめがたに挑んだりゆうは何なのからしい? それは「勝てないとわかっていてもだれかを守るためにいどむ戦いははかり無きを気のいさましさへと変える」って言葉が僕の中で響いたんだらしい。
 そして、おじさんは勝てない戦いを勝てる戦いへと持ち込んだらしい。自らの命をかけて深海へと叩き込んでらしい。どうやってやったのか今でも僕は考えるらしい。でも考えることが出来ないらしい。だって涙で見えないらしい。いや、海の中だから涙流した位で見えなくならないらしい。お母さんが後で言ってたからかく実らしい。でも、でも……僕は見えなかったらしい。おじさんがどうやってさめがたを倒したのからしい。
 それから僕はおじさんが死んでしまったことをいつまでも悲しんでいたらしい。月が出ているころまでずっと泣いていたらしい。僕は信じることが出来なかったらしい。おじさんはきっと生きていると信じていたらしい。あの深い海から必ず顔を出してくれると信じていたらしい。それで僕はずっとおじさんがさめがたをさそった深い深い海の底を見つめたらしい。ぜったいにおじさんは帰って来るらしい。おじさんがぎんがれんごうなんかに命を落とすなんてありえないらしい。僕はそう信じていたらしい。
 そして僕のお願いはかなったらしい。おじさんが深い海の向こうから帰って来たらしい。僕はおじさんを見て涙があふれんばかりだったらしい。だから僕は八本足を動かしておじさんの所まで泳いだらしい。僕のおじさんが帰って来たらしい。おじさんはそう簡単に死なないと信じていたらしい。深海に強いあんこう族だからぜったいに助かると信じていたらしい。僕は我も無くす中で泳いで近付いたらしい。だが……近づけば近づくほどおじさんはあまりにもむき出した姿をさらし、僕を……食べに来たんだらしい。僕を、僕をらしい?
 おじさんじゃないらしい。おじさんは僕を大事にしてくれたらしい。じゃあこれは……ぎんがれんごう。僕はここでおじさんが今も生きていることはもうないと思うようになったらしい。おじさんを信じていた僕はそこで現実が心を突き刺してゆくように感じたらしい。それから僕は現実をいたいほど思い知る生命になってゆくんだらしい。おじさんが死んだということを初めて知ることで僕は……にげるしかなかったらしい。こわい時は逃げるのが一番だと教えてくれたのはおじさんだから僕は……にげるらしい。
 だが、ぎんがれんごうは……はなさないらしい!

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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