一兆年の夜 第百十四話 初めてのお使い(二)

 地上に出るのはつらいよらしい。だって苦しいらしい。地上の生命は一体どうやって地上でこきゅう出来るんだらしい。本当に不思議だらしい。それに地上の生命はみんな普通にしゃべっているらしい。一体どうやってしゃべっているのか無茶苦茶気になるらしい。でも買い物する時に店員のおじさんがやさしくて良かったらしい。だって僕が水中種族だとわかってわざわざ四本足と一つの尻ぽと一つの舌しかないのに複数足会話で僕に応えてくれたんだよらしい。うれしくてうれしくて僕は地上が水中とかっ手が異なる事も知らずに同じように複数足会話をしようとして却って大変な目にあったらしい。それは僕も話すことないけどね、じゃなくてそっから先は話す事全くないけどねらしい。
 次に僕は慣れない地上から水中に戻る為に八本足を使って進もうとするらしい。でもいくら吸ばんがあってもつらいかったらしい。いたいし、たまに小石に引っかかって吸ばんの一つがさけてこまったなあらしい。でもお母さんもお父さんもそれは初めてのお使いをする上でこえなければいけないことだって言ってたらしい。吸ばんは良いけど、僕達はたこ族と同じように頭が大きいんだよらしい。重たい頭がどうしてもするからいたくていたくて仕方ないんだよらしい。何とか地上の生命でとら族だったかくま族だったか知らないけど、そのおにいちゃんが運んでくれたおかげで僕は水中に戻ることが出来たんだよらしい。出来れば放り投げるように水中に戻して欲しくなかったならしい。おかげで、じゃなくてそのせいで水面にたたき付けられていたかったらしい。
 水中に戻った僕は八本足を動かして……あ、途中で買い物した袋を取りわすれて来ちゃったらしい。たまたま、さっき僕を放り投げたおにいちゃんがわざわざ水中にもぐってまで運んで来てくれたおかげで助かったらしい。またあのつらい地上を進むのは何とか、えっと、あ……そうだらしい。こたえるらしい。
 でもそれだけじゃないらしい。おにいちゃん、そう……思い出したらしい。齢十四にして八の月と二十九日目に成るテレスくまぞくの生命らしい。名前は確かベアクル・真鍋だってらしい。そんなおにいちゃんがいたおかげで僕は後少しでぎんがれんごうに食べられる所だったんだらしい。助かったよ、ベアクルのおにいちゃんらしい。
 ベアクルのお兄ちゃんに助けられた僕は感しゃの気持ちを伝えて別れのあいさつをしたんだらしい。これで僕は安心して家に帰ることが出来るらしい。そう思っていたんだらしい。でも……ねらしい。

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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