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一兆年の夜 第百十三話 時間旅行 時間旅行者太間ガン流豆の終着(六)

 午後三時五十四分四十一秒。
 ガン流豆とサチカはマルコに思い留まるよう説得を試みる。歴史を変えたいからそうするのではない。困った生命を運命だからと切り捨てるのは銀河連合の行いと何ら変わらない。其の為に二名はトーヨルの亡骸を下ろそうと試みる。だが、マルコの意思は固かった。其れだけではない。
「太間さん、其のターニヤさんの亡骸には僅かに銀河連合の気配を感じます!」
「ナニ、そんな事はアリエ--」
 あ、いけますまいか--ガン流豆を庇うようにトーヨルの亡骸に潜んでいた何かに口から入れてしまうマルコだった!
「ウグッ……危うく角に、ッテ!」ガン流豆は角にぶつける事よりもトーヨルが命を懸けて倒した筈の銀河連合に愕然とする。「ドウシテダヨ!」
「ウウウ、あああああ、私は、私は、誰か、私を、私を……私は自分で、息の根を、止められ、なかろう、わ!」
「銀河連合……其の形状は、まさか、何で、何でサーチ兄さんの肉体を乗っ取った種類が此処に!」
 ドウユウイミダ--机に頭をぶつけないように立ち上がったガン流豆はサチカの言った何かを尋ねる。
「いえ、其れは答えられない……けれども、マルコさんを、助ける方法なら此の」サチカは左手からアマテラス文字には見られない数字を取り出して其れをマルコの首下の付け根に叩き込む。「方法で、やるしかないだろう!」
 ウグ、ぐぐぐ……あぐ、サチカさん、そ、其れは……いけましょ、うか--マルコは体内に数字のような物が注ぎ込まれてもまるで悟ったかのように両手羽先でサチカの左手を少しずつ後ろに退け始める。
 其れに気付くも既に遅かった。既に左手は彼女の首下付近の付け根から人族の成者雄である人差し指程距離を離していた--其れは即ち、もう一度体内に何かを流すには遅過ぎる距離と成る。
 だが、決して乗っ取られるのが遅い訳ではない。既にマルコは自らの意思で命を想念の海に運んだ後だった……サチカの方法で助けるにはマルコの自決を止めるには命の運びは許さなかった模様。
「マルコさん……自らの歯で、如何して助ける事が!」歴史通りだとしても助けたいサチカ。「御免為さい、私達には運命通りは理の無い話です」
「トーヨル……如何やらお前の跡を追ってマルコは旅立ってシマッタ」ガン流豆は涙を見せまいと後首を見せるように体の向きを変える。「ウンメイって変わらないように出来ているのか、一兆年の神々……いやユメウチュウ!」
 夢宇宙……如何して其の言葉が出たのですか、太間さん--其れが不思議と感じたサチカ。
「イワレテミレバ……如何してだ、オレハ?」己でもわからないガン流豆は適当にある理由を述べる。「キット悲しいからダロウ!」
「マルコさん……此の侭--」
「マテ、サチカ。サキニ俺達はマルコさんをスワラセヨウ!」
「わかったわ、座らせるのはあたし達がやる。太間さんは……何かを探して下さい!」
 アア、若しもあの話が本当ならば遺書があるハズダ--例え此の時代が前に来た時と事実が異なる可能性があってもガン流豆は引き出しから遺書を探す。
 だが、其の前に他の銀河連合に中を見られないようにガン流豆は先に玄関を閉める。其れだけではなく、ガン流豆は当時の状況を聞いて中から何かを塗り付けるように先に引き出しで見付けた接着液を塗り付ける。最後に再度引き出しの中を調べ、やがては燃え物の中で唯一無事であった三点の内の一点を見付ける。其れが遺書。其れに封を切ろうと椅子に凭れながら机の上に置いた時、マルコの体内に居た銀河連合は突然ガン流豆を襲った--其れはガン流豆にとって予想だにしない事態を招き……やがて!
「た、太間さんが--」
 其の場に居た時代にそぐわない者達を追い出すように彼等を霧のように消してゆく!














 十二月五十日午後九時三十二分三十八秒。
 場所は真古天神武東物部大陸ピタゴラス地方旧タレス山標高成人体型五十付近東北側展望。
 ガン流豆の意識が明白に成ると次のような考えが浮かぶ。
(ココハ……此処はシッテイル。カツテ、えっと……アレダ。ダイタイ八百の年より前にとある鼠族の少年と猫族の老年に入り立てが混合型の一種である百足人型に遭遇して難を逃れたという逸話がアッタナ。ムジュンヤマで暮らしていると周辺の言い伝えやらを知ってしまう身だ。マッタク--)
 其処でガン流豆は気付く--此の場にサチカが居ない事に!
(サチカ……さっきまでイタノニ!)
 だが、考えるのを止めたガン流豆は時間旅行機で元の時代に戻る為に原点回帰--いや、ガン流豆は其処である部分が抜けた状態に成る。そして、其れから二の年もガン流豆は此処を拠点に時間旅行機の開発を進める……

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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