一兆年の夜 第百十三話 時間旅行 時間旅行者太間ガン流豆の終着(五)

 ICイマジナリーセンチュリー二百五十五年一月九十六日午後十時五十七分四十一秒。

 場所は不明。
 其れは工業都市中央地区にある森林生い茂る場所にてガン流豆とサチカは時間旅行機の部品を集め、製作し、完成させた。
 だが、問題なのは其の場所。禁止区域に指定されていない。だが、暗黙の了解で入る事は許されないとされた場所。だが、サチカは時間旅行を起こすきっかけに誰かに認識させられる事も視野に入れる。故に其処へ入るようにガン流豆を説得させた。ガン流豆は其の場所を恐れ多く感じながらも自らが時間旅行者であるという自覚……以上にサチカならば入っても罪に成らないと想定して其れに応じた--薄々サチカがある系譜に通じる生命であると察していたのかも知れない。
(サチカが若しも父系を通じて天同家に繋がるとしたらこんな畏れ多い場所に堂々と乗り込むとはイワナイ。オカゲデ天同家の者が入る迄は此の穢れ無き場所で静かに時間旅行機の開発に専念デキタ。オマケニ此の場所は俺達が品種改良しなくても豊富な水と果物資源に恵まれてイル。
 ダガ、長居はイケナイ。ソウソウニ此の場所から立ち去らないとイケナイ。ヨクナイコトが起こる訳ではナイ。オレタチ生命は畏れ多い場所に立ち入る際は感謝の気持ちを忘れずに扱わないといけない……感謝の気持ちが薄れて楽をしてしまっては神様方に礼を失するというヤツダ)
 焦る気持ちもわかるが、僕達が許可したから快く作業して--サチカはまるで神々と交信するかのように青き眼を輝かせてガン流豆を宥める。
「キヅカイハ感謝する、が俺は其れでも感謝の気持ちをワスレタクナイ。ダカラ早急をシイルサ!」
「そうね。王、大王、法王の言葉でもいけないの?」
「ソコマデ凝られたら流石に膝を崩すデショウ」
 全く……私達の周りは何時も此れね--サチカは昔から此の様子の模様。
 其れから五十一の分より後、完成。日が変わる頃合に起動。其の波動は高熱を発して危うげな様子ながらも起動から一の分と二十四の秒の後に--
(コノヒカリ--)
























 ICイマジナリーセンチュリー二百五十五年十一月百十四日午後二時三十二分十四秒。

 場所は真古天神武プロタゴラス大陸フィスト砂漠名無しの水湧き湖。
 仙人掌が生い茂る水湧き湖。其の真ん中に湖とやや北側に小屋が建つ。決して仙人掌だけで隠せるような小屋ではない。遠目からでもわかる程の小屋が1軒。
 そんな小屋に齢十九にして八の月と一日目に成るエウク燕族の少女が焼け焦げて最大一の週は経つ小屋の玄関を開ける。すると中でプトレ燕族の青年が天井の梁に縛り付けた縄を首に括って宙を浮くのを見える。彼女は悟った。青年は死を選んだ事を。少女は青年の死を知るなり、何かを探し始める。そんな矢先に小屋の周辺で轟音が鳴り響く!
「な、何であろうさあ!」
 少女が翼をはためかせて狭い玄関口を一飛びで通過。すると其処に四散した時間旅行機が見える。後に続くようにあれだけの爆発にも拘らず、軽い軽傷で済む二名の生命が飛び出した。内一名は右翼と左眼が全くない状態。少女は大いに驚きながら最寄りの雁族の中年に声を掛ける。
「一体、な、何事だろうか!」
「コ、ココハ」中年は時代に合わせるように光景を思い出す。「マサカ……そうか、トーヨルと過ごしたあの場所ジャナイカ!」
「トーヨルさんを……貴方はトーヨルさんを知っておられるのですか!」
「アア、君が……彼の言うマルコ・ターニヤさんダナ」
 はい、そうであろうと--流暢な燕訛りで応える少女マルコだった。
(ソシテ彼女の命は……いや、運命はノコリスクナイ)
 雁族の中年である太間ガン流豆はマルコの死を既に知っていた--けれどもその運命を変えるべきなのか如何かを……少し迷っていた!

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR