一兆年の夜 第百十三話 時間旅行 時間旅行者太間ガン流豆の終着(一)

 ICイマジナリーセンチュリー二百四十五年四月二十日午前十一時二十三分十一秒。

 場所は真古天神武東物部大陸ピタゴラス地方矛盾山標高成人体型百六十七密林地点。
 齢三十九にして三の月と二十日目に成るサッカス雁族の老年である太間ガン流豆は此の研究所一階居間室にてある者達から話を聞かされる。其の者達は物語の終わりにて紹介する。
 --そして貴方の物語に戻るのですね。
「アアソウダ。ワシは数多の時間旅行を経験した為に最早……ゴボオオ!」
 --だ、大丈夫ですか……しゅ、出血量が甚大ではありません!
「キヅカイカンシャスル。ダガ、わしはもう気付いてイル。アクルヒか或は今日にてわしは命を落とす事に成ろう……だから余計な延命は用いないでクレ」
 --ええ……死期の迫った生命を長く生きさせる方法は知れども、我々は此の時代に其れを使用したりはしない。
「ダロウナ。アンタタチとの遭遇がわしを、わしを時間旅行に向かわせたのダロウ」
(ソウ、其れは時間旅行する十の年よりマエ。トウジのわしは、齢十三の誕生日を迎える少しマエダッタ)

 ICイマジナリーセンチュリー二百四十一年二月八十七日午後十一時三十八分四十三秒。

 場所は真古天神武テオディダクトス大陸サッカス地方サッカス市第二南側禁止区域。
 其処は銀河連合の襲撃に依り、立ち入りが禁止された区域。其処へ齢十二にして十一の月と二十四日目に成るサッカス雁族の少年太間ガン流豆が潜入した。
(イクラ立ち入りを認められないからって逆に入りたくなるのがオレダ。ソシテ痛い目見て初めて生命は立ち入る事の謀り無しをシルンダ。マア……俺にはワカラナイガナ)
 太間ガン流豆は自らの才能に少し溺れていた。故に命が幾つあっても足りない程に危ない橋を渡っては常に叱られる毎の日を送る。今回も禁止区域には何か閃きがあると予め感して少年は入ってゆく。
 其処で少年は閃光に襲われる。思考する間もない程の閃光が少年の視界だけを遥か明日から遥か昨日まで追いやる。遥か明日に待つ変え難い結末は少年の心を燃やすものの、逆に遥か昨日より決められた報われない結末は少年の心に暗い物を残す!
(ヒ、光が収まって行く……今のはナンダ? 先に見せられたあの戦いの中心部に居たのは……天同蒼穹様か紅蓮様の何方かでもナイ。カトイッテ歴代の仙者の中の誰かにもオモエナイ。ダガ、カナリツヨカッタ。アノ中心部に居た生命は紛れもなく歴代最大の存在かもシレナイ!
 ソレと同時にあれは何だ……あんなのが始まりだとしたら、俺にとってはあれ程の悲しい事は他にない。ヒトツの時代が終わる為に誰かが全てを背負うなんて余りにも俺達は……いや、ヤメヨウ。
 ソレヨリモ明日に向かって俺は……ああ、イタ!)
 少年の目の前に立つのは齢六十二にして十一の月と八日目に成る神道人族の少女。
「此処は……ねえ、其処の君」少女は少年に声を掛ける。「此処は確かにICイマジナリーセンチュリー二百四十一年二月八十七日ですか?」
「エ……えっと良くわからないけど、きっとソウダロウ」計りを正確に測定するに至らない時代の出身者である少年の言葉。「モシカシテ--」
 ええ、私達は此の時代の--そして少女は突然、光に呑み込まれて少年の眼の前から消えた!
(キエタ……生命が点滅するように、姿を付けたり消したりナンテ!)
 其れが少年太間ガン流豆が初めて時間旅行を決意した瞬間であった!

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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