一兆年の夜 第百十二話 時間旅行 生物学者シーン・マウンテインが見た遺伝学(九)

『--突然、俺に致命打を与えた銀河連合が突如として消えた。其れと同時に俺の眼の前
から受けた致命傷もガン流豆さんもそして銀河連合も姿を消した。一体何が起こったのか
俺にはわからない。まるで此の世に存在しなかったかのように眼の前から姿を消した一連
の現象。
 恐らく、あれはガン流豆さんが死ぬ寸前だった為に矛と盾が発生して彼等を別の時代に
跳ばしてしまったのか?
元の時代に戻って死ぬ筈だった太間ガン流豆は姿を消した。
だが、其れだけでは足りない。世界観補正の為すように其の獅子型を基本として山羊型
の柔軟性と敏捷性、蛇型の曲芸を併せ持つ銀河連合も同時に姿を消した。姿を消した
という事は即ち俺の傷は必ず無かった事にしないと説明が付かない。或は代わりの傷に
成りそうな物が一つもなかったからなのか?
後は其れだけじゃあ十分ではないのか、
二度目に彼と出会った者達の記憶から太間ガン流豆は消え失せた。一階医務室に居た
アゲオラの記憶からも。何度聞いたって二度目に会ったとは奴は答えない。そうだ、
俺だけが二度目の太間ガン流豆との記憶を共有する。此れが時間旅行の意味なのか?
 そうゆう訳で不可思議な現象以降は俺の回想録にて顛末を紹介した。其れにしても
謎なのは俺が最初にガン流豆さんに唱えた時間旅行の真実。あれは決して全てが全てに
於いて認められない訳ではない。ガン流豆さんは明らかに時に乗っかっている。そして、
彼はあの銀河連合と同じく幾つかの配合に依りを受けて俺達の時代にやって来た。
 時には時代に残って時を過ごす事もある。けれども、其れは条件が整っているから時に
乗らずに時を過ごす。だが、条件は揃うなら若しや銀河連合の種類も関係するのか?
時に乗っかる条件は恐らく銀河連合。
 前に彼はこう言ったな。元の時代では矛盾山にて研究所を建てて時間旅行機を開発
した、と。若しかするとあの事件が影響しているのかも知れない。矛盾山が齢四十以上の
生命が登山するように成ったあの事件が。とするとあの銀河連合こそが太間ガン流豆を
時間旅行に導いたのかも知れない。其れから其の銀河連合と配合する事で時に
乗っかってしまい、時間旅行機の膨大な光を浴びて時を駆け抜けたのだろう。
 だが、不思議な話がある。如何して其の銀河連合は明日の時代に行く度、彼の元に
居なかったのか? 如何して彼は昨日の時代に戻り始めてから其の銀河連合と出会った
のか?
 いや、もう止そう。此れは一応俺の話だ。俺が太間ガン流豆と出会って時を過ごす内に
彼に感情を移入して無理な話を持ち出して彼を留めようとしたという話。結局、彼はもう
二度と俺の前から姿を消した。其の直後に俺の中での評価は上がってゆく気がするのは
如何してなのか?いや、関係ないか

 二度目の出会いと唐突な別れから一の月より後にかな? 彼等と出会った。最後に彼等
について紹介しよう。彼等は--』

 九月六十五日午後十時二十三分四十三秒。
 場所は真古天神武六虎府経済都市第四東北地区細菌研究所一階個室区域第二個室。
「--以上だアアス。如何して彼についておっているのだアアス。まるで彼に何かを謝ろうとしているように俺は感じるが……『サチカ・テッタリート』さん?」
「はい、私はガン流豆に謝る為に各時代の貴方方に尋ねて来ました。全ては私の時代に持って行き、恒久和平の実現の為に」
「恒久和平イイス? まるで銀河連合と対話をするみたいだがアアス、其れは叶わない話だアアス、サチカ・テッタリートさんンンス」
「其れは貴方方の時代の話です。私達の時代は既に其れの実現に向けて三世界の全ての科学技術の統合を可能としました」
「科学の統合ウウス? 一体どんな時代なのだアアス? ハイゼ・ベルルグが証明したじゃないかアアス、其れは実現しないとオオス」
「其れはまるで『あたし』達の世界に対する科学事情を視ず、して?」
「いやいやアアス、貴方方の科学力を肯定しないとは言ってないイイス。だがアアス、俺達の時代では其れは叶わないと言っているウウス。其れを俺は主張するウウス」
「そうですね。『僕』達の世界じゃない世界では実現出来ない事、僕達の世界では実現出来なくともある世界では実現出来た事……世界とは何とも理が尽くせないだらけですね」
「ところで……貴方方が『一名だけじゃない』のは理解出来たアアス。但しイイス、俺達の時代ならばある程度の推測も可能かも知れないけど……良いかなアアス?」
「如何ぞ、『私』達にお構いなく」
「貴方は仙者ですねエエス?」
「少し……違います。『あたし』達は統合者なのです」
統合者……益々わからないなアアス」
「其れが『僕』達の時代で言う……仙者なのです」
 齢六十三にして八の月と十八日目に成る神道人族の女性であるサチカ……彼女が如何して此の世界に居るのか? そして三位一体型の正体とは何か? 太間ガン流豆は如何ゆう要因で時間旅行者と成ったのか? 全ての謎は次の話で明かされる!

 ICイマジナリーセンチュリー二百六十四年九月六十五日午後十時四十五分四十五秒。

 第百十二話 時間旅行 生粒学者シーン・マウンテインが見た遺伝学 完

 第百十三話 時間旅行 時間旅行者太間ガン流豆の終着 に続く……

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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