一兆年の夜 第百十二話 時間旅行 生物学者シーン・マウンテインが見た遺伝学(七)

 午後四時三十二分十八秒。
 場所は一階奥空き室。
 シーンが見たのは驚く事に……「まさか……太間ガン流豆さんですかアアス!」齢三十七にして十の月と九日目に成る太間ガン流豆だった--時間旅行した筈なのに四の年近くも年を摂って現れた。
「ソノヨウダナ。オレだって信じられないオモイダ」
「此れは一体何が招いた事なのだアアス?」
 ソレハわからないが、わかる事だけをハナソウカ--ガン流豆は此れ迄の出来事をシーンに語る為に早速、少し焦げた臭いのする空き室から彼の研究室に案内を求めた。
 其れからガン流豆は夕食が出来る迄今迄の出来事を在るが侭に話した。一の時より前の時間旅行にて昨日の時代への旅行が始まった。最初は数学者の自宅に訪れ、彼の証明の翼伝いをしつつも銀河連合との遭遇を経て時間旅行。次に訪れたのが矛盾山で暮らす齢四十過ぎの集団。其の中でヒッスス粒子の元を作った南野ヒツ市との出会いで時間旅行が行われる本当の理由に気付いてゆく。其の次も又、昨日の時代へと跳ぶ出来事だった。だが、此れは最後の昨日へと跳ぶ出来事と成った。以降は再び明日の時代へと跳び続けて今に至った。
 更に詳しい事をシーンは尋ねるが、其の前に夕食の時間が来る。凡そ一の時もの間、夕食を楽しんだ二名。其の後はシーンの研究室に戻って話の続きをする。其処では時間旅行の本当の要因をガン流豆は知ってゆく。
 其れは今迄の様に膨大な波動と銀河連合の他には……矛盾山にてヒツ市が語ったような理論が成立しているようで実は寝ている状態で時間旅行が可能に成ったという理論。ヒツ市は此れを自発的対称性の破れと称し、更にはヒツ市の発見した理論を裏付けるようにチータン・ヒッススが発見したあらゆる物質に重みを載せるというヒッスス粒子。だが、時間旅行が成立しないという理論を寝かせるにはヒッスス粒子ではまだ足りない。其れからハイゼ・ベルルグの居た時代に再び跳んだガン流豆は其処である一団と遭遇する。そして一命を助ける事が出来ずにガン流豆は何度も明日の時代を跳んでゆく。まるで跳んで来た時代を跳ぶように。都合があって跳ばなかった時代もあった。だが、其れを思い出すには既にガン流豆は多くの生命の死を見過ぎた。

 九月三十四日午前八時三十二分四十八秒。
 場所は六虎府経済都市第五東北地区犬猿道弓八坂。
 シーンとガン流豆は走り込みをする。だが、昨の日に精神的に疲労し切ったガン流豆が如何して走り込みをする気に成ったのか? 其れは次のシーンによる深い瞑想がそうさせる。
(ガン流豆さんは一刻も早く忘れたい為に俺に再三頼んで来たアアス。一体何があったのだアアス。あそこ迄エエス、ガン流豆さんが体験した出来事とは一体イイス? だがアアス、実際にあれだけ時代を跳んで来ただけあって俺も彼の身だったら参るだろうなアアス。さっきから走っているのに全然我慢成らない本音を出さないのが証拠だアアス。走り込みに迷いが無くなったとは決して有り得なイイス。俺は彼の配分に合わせて走っているウウス。歳の影響もふんだんに含まれるのかアアス、息が思った以上に切れやすく成っているウウス。なのにイイス、あの時に比べて余裕がなくなっているウウス!)
 一旦、シーンは足を止めた。其れに対して……「フハアフハア……何故トメタンダ!」着地しつつ理由を尋ねるガン流豆。
「俺の読み違いかも知れないがアアス、あんたは元の時代に戻る事を--」
 ワカッタフウな事を、言って、んジャナイゾ--ガン流豆は肺への重荷を弁えずに激昂する!
「無理をするなアアス。今回はアアス、此の辺で止めにしよウウス」
「……アア、ワカッタ」
 二名が後ろを振り返った瞬間--銀河連合は立ち塞がる!
「ナ、ナ、何で……お前が此処にイルンダアアア!」

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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