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一兆年の夜 第百十二話 時間旅行 生物学者シーン・マウンテインが見た遺伝学(五)

 九月三十三日午後二時四十一分四秒。
 場所は真古天神武六虎府経済都市第四東北地区細菌研究所一階奥。
 最近研究所には空き室も存在する。其れは表門入り口手前と奥だけ。内一つは太間ガン流豆が使用する。当初はガン流豆自らシーン・マウンテインを始めとする研究員の情報収集の為に仕方なく暮らしていた。
 だが、最近は時間旅行機の開発の為に給与が支払われる。そんなガン流豆は此の時代に来て五回目と成る時間旅行機の開発に成功。偶々、昼過ぎの休憩時間の為にやって来たシーン。彼は昨の日に作り、昼時間に食べた辛汁からみじる御飯。其の残りをガン流豆の所迄持って来る。然も温め直すという足間も掛けて。何故か? 其れは一日二食を心掛けるガン流豆に少しでも一日三食の意義を伝える以外にもある。
「まだまだ此の時代には美味い物があるウウス。いい加減に元の時代に戻る意味を知ったら如何だアアス?」
「ソレハオウジラレナイ。オレハお前の説をシンジナイ」
 だがアアス、遺伝子学で言えば謎の老化現象はやはりガン流豆さんが分離して来た以外に可能性が無いのだよオオス--シーンはそう断言しに行く。
「ブンリだなんて……俺が二名も存在するかよ!」
「だから……貴方はもう此処で俺達の時代の恩恵を受け続けても良いのだぞオオス!」
 其処までシーンが訴える理由は何か? 二つある。其の内の一つが太間ガン流豆は二名存在する事。其の理由を説明すると次のように成る。
 太間ガン流豆は二名居て、一名は元の時代にて活動。もう一名は時間旅行が可能であるように一定の時代に括り付けられない自由な存在。各時代に跳ぶ事が出来るのは縦、横、高さの次に存在する次元である時を認識出来る唯一の存在だから。其れを意識しない内に秩序も法則もなく、太間ガン流豆は時間を旅行する。何故なら時間に括り付けられない為に時のみを移動出来る為。其の際に座標が異なるのは上手く直角に時に乗っからないのが原因と思われる。
 二つ目がシーン自身が既にガン流豆を変え替えの無い仲間だと認識していた。故に少しでも考え直しを期待して様々な物を出して気を引こうとしていた。まるで恋者の気を引くかのように……だが、此れだけは確かだ--シーンは既に婚約者が居て、決して雄に性的な好奇心があるなんて断じてない!
「ソレデモ、サ。オレハお前の説を余りシンジナイ。ソレガ正しいのだったら俺は一体何者ダッタノダ!」
「何者かってエエス? 太間ガン流豆以外の誰でもないイイス!」
「ソウジャナイ。オレが分離するのなら前は何者ダッタノダ?」
「其れは……前に語った遺伝の法則の事かアアス?」
「アアソウダ。ケツエキガタの組み合わせでわかりやすく教えてくれたのはオマエダ。ダッタラ俺が分離する前は俺は何と融合して何にン分裂シタノダ?」
「こうゆう例えはしたくないがアアス、仕方なイイス」シーンは解説する。「老いた何者かと若き日の太間ガン流豆が配合しイイス。其の結果は偶然にも元の時代に老いた太間ガン流豆が残りイイス、若い太間ガン流豆が様々な時代を跳んで行ったアアス!」
「ハイゴウシテの時間旅行……ならば益々、俺は何者なのかを迷ってシマウ!」
「此れはあくまで俺の説だから鵜呑みにせずにイイス」そう気休め程度の言葉を述べると辛汁御飯を目の前に置くシーン。「さアアス、冷めない内に是非イイス!」
 オマエモショーイと同じで好きなのだな、其れ……マテヨ--ショーイの名前を出して何かを閃くガン流豆。
「如何したアアス、ガン流豆さんンンス?」
「キオク……俺が時間旅行するとしたらお前の説は証明サレナイゾ!」
「如何ゆう意味ですかアアス?」
「オレハ最初の時間旅行の時に遥かなる時代に跳んで来た……なのに其の記憶が思いダセナイ!」
 何だってエエス--シーンは今よりも後の時代の事を思い出せないと言うガン流豆を信じる為に驚くのである。
 ガン流豆に依ると次のように成る。若しもシーンの説が正しければ時に縛り付けられないガン流豆はあらゆる時代の記憶を明確に思い出さないと説明が付かない事に成る。記憶だけが例えの外は流石に都合が良過ぎる話である以上は。とするとシーンの唱えた説は成立しない。理由は最初の時間旅行の時にガン流豆は此の時代よりももっと後の時代に跳んだ為だ。なのに其れを引き出せないのは何故か? 其れはガン流豆が時に縛り付けられていない或は元の時代のガン流豆と今のガン流豆が分離してない確固たる証拠である為。
(益々理解し難く成るなアアス。何故エエス、太間ガン流豆は時間旅行を可能にしたのかアアス? 彼がアアス、彼だけが時間旅行出来る理由はやはり前に彼が言っていた時間旅行機の性能に依る所なのかアアス?
 より強力な波動と暴れる銀河連合のうねりで起こる物なのかアアス? だが、何方も俺からすれば証明出来ないイイス。生物学的な観点からしてあの二つは組み合わせても小規模に焼き尽くすかアアス、大規模に焼き尽くすかアアス、或は小規模に消し飛ばすかアアス、其れとも大規模に消し飛ばすかアアスの四つの内のどれかが起こり得るだけだアアス!
 三つ目の配合があれば……三つ目エエス、そうかアアス!)
 何かを閃くシーンは其れを披露しようと口を開く--と同時に扉が強引に開かれる音が空き室中に響いた!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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