FC2ブログ

一兆年の夜 第百十一話 時間旅行 証明者アントルー・ワームドの証明(纏)

『--以上が僕と太間ガン流豆のお話さ。最後に僕は見てしまった。太間ガン流豆が--
も居るのを。おや、記した筈なのに記されていない?まあ良い。僕が自然数の最終定理
を解く為に用いたギルンヴァ・シップ範の数法は仮証明の時には役に立ったが後で指摘
されて其の穴を埋めるには至らなかった。フェルミナの遺した自然数の最終定理の前では
シップ範の数法を発展させたギルンヴァの足掛かりも力を成さないとはね現実は四百の年
もの間、僕に至る迄の数学者を苦しめた難題だけあって感服すると思った。
 さて、歴史を振り返ると自然数の最終定理を解く為の道程は正しく数多の数学者達が
挑戦した歴史だった。生命史に於いては半分にも満たない短い年表。けれども、甘美の
公式を解いた
足掛かりの一つを残したフェルミナは余白を残すだけ残して結局早期の
解決策を遺さなかった。仮に残しても其の方法はあくまで無限に近付く作業を簡潔に
させる足助けをしただけ。根本的な解決には程遠い。あの熟練中の熟練である
レオーネ・オーランドも挑戦した。流石というべきか、彼は自然数種が四の時の証明を
果たした。だが、全てを解明するには至らなかった。其れから少し時代が過ぎて
大陸藤原奪還作戦に参加して生き残ったあのソフェラ・レオルマンも此れに挑戦した。
彼女の場合は数学的な意味合いでの存在感こそは地味ではある物のを含めた著名な
数学者は少しずつ小さな数を攻略してゆく。少しずつ少しずつ。けれども、依然として
難問は沈まず。其れからガッブル・ボロメンと其の弟子久留間パルン栖は漸く二桁の全て
でも攻略した。だが、三桁目は手近な物の内の僅かしか証明出来なかった。
 段落を変えて次の展開に繋がる事がパルン栖の時代から訪れた。僕を含めて
数学者達は新たな足掛かりを求めるように成った。現状の足掛かりでは何百の年
掛けても理が無いと断じてね。な。そして悲劇の数学者トーヨル・ターニヤと彼の親友で
あるゴーロル・シムーが発見した所謂ターニヤ・シーム予想。此れは別段彼等が自力で
発見に至った訳ではない。だが、其れを説明する余裕がない。依って省略しておく。
 其のターニヤ・シーム予想はあくまで形を表す予想であり、自然数の最終定理を証明
する為に編み出された物では断じてない。だが、二名が発見した予想はやがて僕が良く
知る林鞭りんべんリッ研がターニヤ・シーム予想が正しければ自然数の最終定理は正しいという
前提を立証してくれた。此れで僕は
 僕達はそうして足の届かない難問に漸く足の届く所迄辿り着いた。齢五の時の夢が遂
に実現する時が来たと思うと胸が熱く成る思いだ。其れから僕は五の年もの間、誰にも
証明に熱を入れていると知らせずに孤独なる戦いに乗り出す。銀河連合との戦いを繰り
広げるように僕もコウモ・リックマンのように最強の百獣型を倒せる生命を探す旅に
出た。だが、かんを違える事で済まないがコウモとの違いは最後にコウモが選んだ
のはたった一名。組み合わせこそ僕と同じかも知れないがやはりたったの一名でそいつ
は最強の百獣型を倒した。間違いはない筈、多分。

 其れから僕はリッ研が証明したターニヤ・シーム予想を解く為の足掛かりとして
物部ゾウ吉の理論を用いようとした。だが、前述に紹介したパルン栖の証明式と噛み
合わない事を受けて断念する事に。其れから僕は蘇我シップ範の方法を応用したという
エリフィル・ギルンヴァの数法を使ってターニヤ・シーム予想に挑戦。其処に僕独自の
方法をぶつける事で四百の年以上もの間、数多の数学者を苦しめて来た難題を証明
する事に成功した。
仮証明する事に成功。後は審査の結果を待つのみと成った。ところが
審査期間中にある穴を発見。其れを埋める為に神経を使い続ける僕。だが、如何足
掻いても無理だった。追い詰められた僕は一時は自らの命を断つ気で居た。だが、済んで
の所で最愛の妻アントナに救われた。家族が居るのと居ないのとでは覚悟が心に幾分か
の余裕が出るのだと知った。心に余裕が出ると僕は証明した事を撤回する決意をした。
そんな時に太間ガン流豆が現れた。そして彼のお陰で僕は物部ゾウ吉の理論を見直す事
の意味を知った。
 ゾウ吉の理論もギルンヴァ・シップ範の数法も単体では上手く機能しない。お互いが
お互いに穴を埋め合わせる事で初めてフェルミナが遺した最後の一つを突破する一撃と
成る。そうか、数学者も武者なのだな。こうして僕はゾウ吉の理論も用いて本来の証明を
果たした。
 完全なる証明を果たした時は大いに喜び、新婚旅行から帰宅したばかりの一番下の
息子夫婦に奇異な目で見られたのは今思い出しても恥ずかしいな。アントナが
居なかったら銀河連合扱いされていたかも知れない。そんな事は有り得ないがね。
 此れで僕は子供の頃に夢見ていた自然数の最終定理を解く事に成功。解いた時の
心境は実に晴れやかで何も全生命体に貢献するような大きなことを達成したとは思って
いないさ。数学者にとっては数の世界の謎を一つ解明したに過ぎない。
 そんな僕だからこそ、太間ガン流豆が如何して--居たのかも理解出来るかも
知れない。あれこそが本来の時間旅行なのかも知れない。ああゆう条件が出来て初めて
時間旅行はあらゆる意味で効果を為す。まるでゾウ吉の理論とギルンヴァ・シップ範の
数法が互いの穴を埋め合わせるかのように機能してね。
 証明して直ぐに僕の所に完全証明を発表して一の週も経たない内に何者かが僕の所に
尋ねて来たさ。折角、新たな謎に挑戦しようとしている僕に何を尋ねるかと思ったな。
まあ、適当に答えて退散して貰おうと思った。でも僕は数学には詳しくても其れ以外は
てんでって訳だ。長話に成ったのも無理ない。だが、日記に記すとしたら太間ガン流豆が
百獣型が倒されたのと同時に消えた事だ。其れを伝えた。あの光は僕を助け、そして
太間ガン流豆をもう一つの時代へと転移させる為の光なのだな。だとしたら其の時の
太間ガン流豆はきっと僕達が出会った者よりも昨日の世界からの来訪者なのかも
知れない。
 以上で終わりにしたいと思う。少し消化不良気味だが許してくれ。後は--』

 ICイマジナリーセンチュリー二百六十一年三月百三日午後十一時二十七分四十四秒。

 第百十一話 時間旅行 証明者アントルー・ワームドの証明 完

 第百十二話 時間旅行 生物学者シーン・マウンテインの見た遺伝学 に続く……

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR