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一兆年の夜 第百十一話 時間旅行 証明者アントルー・ワームドの証明(二)

 三月六十三日午後七時十二分四十八秒。
 場所はワームド邸二階書斎。
 主にアントルーにとっては気分転換及び確認したい情報を引き出したい為に使用される部屋。彼は其処にガン流豆を呼んで様々な質問を投げる。
「アアア、しつこいなあ……だから時間旅行は俺の記憶を辿っても理解出来ない事だらけナンダヨ!」
「ンォだが、ダゥだからこそ僕達は一つずつ問題を突破しようとして投げて来るじゃないか!」
「スチューブみたいな事を何度も何度もタズネテエエ!」
「ンゥ数学者は細かい事を気にする種族だ……其処を解消したら難問に挑めないだろう!」
シゼンスウノサイシュウテイリを解く為なら其処までヤルカ!」
「ユァやるんだ……いや、ホォやってみなければ前進出来ない大変残念な頭脳労働者なのだよ!」数学者をそうゆう者だと断言するアントルー。「コィ一つの難問を解く為ならあらゆる技法を用いて何でも良いから……解く為なら何をしても良いのが数学者の定めだ!」
 ナント……銀河連合の様に生命を苦しめる為なら何をやっても良いと断言スルゾ--数学者の一種の真っ直ぐさをそう評するガン流豆。
「ブゥ物理学者とは異なるのだ。ブォ故に数学者は見返りも世に貢献する事も求めないのだ!」
「オソロシイ……まるで人生を懸けているかのヨウダ!」ガン流豆は其処に己を照らし合わせる。「オレが人生を懸けて元の時代に戻ろうとするのと……少しカサナル!」
「ンゥだがな、ギィガン流豆さん。ギゥ僕は今、オォ困難の中に漂う!」
「ドウシテダ?」
「マゥ自然数の最終定理に関して重大な矛と盾が発生した」
「ン、如何ゆう事ダ?」
 スゥ済まない、ワォわかりにくかったか--アントルーは少し赤面する。
 アントルーは自然数の最終定理を解いた事をガン流豆に話した。ガン流豆は其れを聞いて驚き、証明の印を持って来るようにアントルーに頼む。アントルーは其の際は少し、戸惑う。しかし、どんな事が在っても証明したのは己自身。己自身が証明した自然数の最終定理に何処に矛と盾があるのかを隠す訳にもゆかない。例え専門の外にある太間ガン流豆だろうとも。
 其れから一の分と二十七の秒の後にアントルーは全ての紙を運び終えた。此処まで時間を掛けた理由は次の通り。
(フゥ妻に迷い惑わせてしまった。ホォ全く僕の片付けの段階の低さと来たら、ムゥ身内に多大なる労いを与えてしまう物だな)
 アントルーは数学者としては高い段階にあっても平均的な一般生命で言えば其れ以外は鍛錬が足りない。誰もが何処かに秀でていれば必ず一方は捨てざる負えない此の世の真理が其処にある--アントルーとて逃れ得る事が出来ない。
 アントルーの片付けの足際の良くなさは後にある方法を思い出すきっかけにも成るが、其れはまだ話が早い。今は其の証明法をガン流豆に見せるのが先である。ガン流豆は其れを二の時と十八の分掛けて読み上げる。だが、ガン流豆はどんなに物理学の為に様々な数式を知る身であろうとも知らない方法に関してはアントルーに質問せざる負えない。故に読み上げて直ぐに尋ね始める。
 此れに対してアントルーは数々の方法が何なのかを直ぐに思い出せない。再び、自室に戻ってアントナに足伝う形で再び整理を始める。一の分と五十八の秒の後に数枚の紙を持って戻るアントルー。戻る前に妻から凡そ三の分と三十七の秒も説き教えを受けた。だが、意気消沈するのも束の間でしかない。ガン流豆の知らない方法についてアントルーは一の時も掛けて説明する。用意した紙を見ながら体に叩き込むように……「ンォ……何だ?」其の時、アントルーは何かを思い出そうとしていた--其れが何なのかをまだ彼は一旦しか思い出せずにいた。
 ナルホド……俺からすれば何処が良くないのかワカラナイケド、ナ--ガン流豆が主張するように彼のような段階の頭脳労働者でさえも気付かない致命的な点……其れがアントルーにとっては避けては通れない物である!
(ォサそうだ、スォそうなんだよ……僕は発表した時に如何して気付く事が出来なかったのか!
 ァア直前でちゃんと確認しておけば、ブゥ確認しておけば……こんなに苦しむ事もなかった!)
 数学者は少しでも証明論文に穴があると寿命を数十の年も縮めかねない程の苦悩をする。其れに耐えられずに自ら命を断つ生命は後を絶たない。完璧を求めるが故に完璧に囚われる。世の中に貢献しないと割り切れば苦しむ事もない現象も彼等にとっては存亡を懸けた戦いと同等の様に捉える!
 数学者と物理学者は同じように見えて実は繊細かそうでないかの違い位に或は世の中に貢献するしない以前に全体から見れば意味のない問題を追及するかしないかで大きく変容してゆく!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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