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一兆年の夜 第百十一話 時間旅行 証明者アントルー・ワームドの証明(一)

 ICイマジナリーセンチュリー二百六十一年三月六十二日午後十一時二十三分十一秒。

 場所は真古天神武西アデス海ラテス島新ラテス市第二北西地区。
 近年ではラテス島の重要性を知った現政権に依る再開発計画が地元を通じて行われ、既に村は町に、町は市へと繰り上がる。其れだけ、生命口せいめいぐちが増加傾向にある。然も年平均一万もの増加し、此の傾向が今後も続けば何れは後十の年より後に埋め立て島計画が立てられ、県へと繰り上がる見込み。即ち、生命口問題が市議会では喫緊の問題と成る。島に住める生命は限られている為に県に繰り上げるには埋め立て島が必須課題と成る。だが、埋め立てする事は即ち自然環境を少し穢れを宿す事に繋がる。当然其れは銀河連合を呼び込む事に繋がるが故に自然保護を訴える有権者の支持を集める野党からの猛反発は避けて通れない。野党だけではない、与党議員の中にも自然保護と神々への敬意を求める支持層も居るが故に埋め立て島計画はそう簡単には決まらない。
 では話を進めると此処第二北西地区で三番目に大きな建物にて齢三十三にして十の月と八日目に成るラテス蟻族の中年が二階自室にて悩んでいた。然も百枚にも上る紙を束にして一つずつ確認するが如く!
(ンォやっぱりそうだあああ!)
 彼の名前はアントルー・ワームド……五十八児の父にして数学者。去る年の雪が積もる季節に四百の年以上も数学者達を苦しめた難題を解いた雄。だが、証明しても一の年以上は精査は必要。故に数学者達は証明を宣言したからって簡単に完全なる決着を断言する立場にない。故にアントルーは自室にて苦悩する。其れは次の理由からである。
(ンァやっぱり無理だったんだ。ンォ何が自然数の最終定理を解いた先駆者だ……全然解けてないじゃないか!)
 自身が発表した証明式に誤りが見付かり、彼は部屋に籠って約十一の月も掛けて補完しようと苦心する。だが、幾ら補助を用いようとも矛と盾のぶつかり合いが激しく成る。アントルーは其れが原因で時には物も喉が通らない程の深刻な状態が続いた。助けるのは何時もアントルーの最愛の妻と五十八名の子供達だった。故に彼は何時諦めてもおかしくない心境であった。
(ソォそうだ。ォモもう諦めよう……今の僕には挑戦したという十分過ぎる箔が付いたじゃないか。ォオ此処で諦めよう……何時までも拘っていてはあいつらを苦しめる事にも繋がる。ァダだから此処で--)
 突然、一階居間室前の庭にて爆発音が自室迄轟く。アントルーは驚く余り、部屋から飛び出して齢三十二にして八の月と一日目に成るラテス蟻族の熟女にしてアントルーの妻アンナトを確認。無事がわかるとアントルーは一安心した後に庭に繋がる窓を開けて、様子を確認する。
(ヌゥ何だあれは?)
 アントルーは何かが砕けて中から齢三十三にして十一の月と二十七日目に成るサッカス雁族の中年が転がっていた。アントルーはアントナと共に安否を確認する。
「ゥヅ大丈夫かね? ゥダ死ぬなよ!」
 ンァねえ、ァン大丈夫かしら--アントナは雁族の中年の傷が深刻である事を触ってみて直ぐにわかった。
「ンォ今直ぐ、ゥグ居間迄運ぼう……死なせて溜まる物かあああ!」
 二名は蟻族の根気強さと仕事ぶりを信じて急いで運んでゆく。

 午後十一時五十七分三十一秒。
 場所は一階居間室。
 二名の賢明な治療もあって無事に一命を取り留めた雁族の中年。彼は左眼と右翼がない。故に左翼を広げ、右眼を開いて視界に入ったモノを確認してゆく。
「ココハ……ウグッ、頭が、イタイナア」
「ムゥ無理しないで下さいね、ンォ雁族の御方」
「ンゥ妻もそう言っているのだ。ンォだから貴方も無理を為さらずに出来る範囲から言って下さい」
「オレノ名前はサッカス雁族、の太間ガン流豆だ……ウググ!」
 んぁ太間ガン流豆……何だと--アントルーは其の名前に聞き覚えがあった!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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