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一兆年の夜 第十七話 猫と鼠(五)

「チュウ兵衛殿! 今、イデデ!」
 ニャ朗は立ち上がろうとするも思い出したかのように体中に走る痛みでうまく
いかない!
「だ、だいじょう、うわ!」
 チュウ兵衛は喋ってしまった為、頭を真下に落下--幸い筍のお陰で致命傷に
至らなかった!
「イデデ! あ、ありがとうございまちゅ! 筍のお陰で……ってお礼を言ってる間に
ニャ朗さんが!」
 十兵衛は立ち上がるとニャ朗めがけて走ってゆく!
 一方、ニャ朗はやっとの事で立ち上がるも満足に動ける状態には程遠い。
「イダダ! 銀河連合が我様に向かって--」
 そう言う暇も与えずに銀河連合の放った血飛沫で両眼を塞ぎ込まれた!
「ワアアア! 眼ガアア! 眼がにゃアア!」
 ニャ朗が悲鳴を上げる間に銀河連合は口を大きく開けて食らおうとした!
「間に、あえええ!」
 十兵衛は髪の毛の寸前で銀河連合に飛び込む--左襟首を強く噛み、次第に
血が流れ出す。
「ウググガガガウガググ……」
 精一杯の力で襟首にある頸動脈を噛み千切ろうとする!
 銀河連合は阻止しようと、翼を閉じて大地を強く踏むと勢いよくニャ朗の周りを
走る!
(う、動け! 我様の身体を動かしにぇくれ!
 このままじゃチュウ兵衛殿が! チュウ兵衛殿ガアア!
 こ、こんにゃに身体の自由が利かないにゃんて!)
 激痛が癒えないのか、ニャ朗の肉体は震えが止まらない!
 一方のチュウ兵衛はとうとう--
「あぐあががあが、アア……」
 咀嚼筋そしゃくきんが弛み、後方へ振り飛ばされた!
「アアチュウウ!」
 チュウ兵衛は真ん中より三番目に小さな木の根っこに激突して意識を奥へと
沈める!
「チュウ兵衛殿!」
 とうとう銀河連合は念願のニャ朗を食らおうとしたその時、左首筋から大量の血液
が飛び出す--正に絶命の印だ!
「ま、まさか我様が噛みついた所とチュウ兵衛殿が噛みついた所と併せにゃら、身体
に流れる血のおよそ三分の一が出たにょか?」
 どれくらいの量の血が出れば銀河連合が死ぬのかは放浪歴二十もあるニャ朗で
さえわからない。ただわかる事は--
(我様は守ったにょだな。守るべき若い命を!
 いやこれは我様とこの少年の勇気あにゅ行動が命を守れた!
 これならベルニュア、ハヤ人、それに九眉だって浮かばれるにゃ)
 ニャ朗はふらつきながらも気絶したチュウ兵衛の方へと歩いて行く。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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