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一兆年の夜 第百十話 時間旅行 天才南野ヒツ市の閃き(激)

 午後八時三十二分十八秒。
 今日完成した新たな研究所の装甲板……其れは四の年掛けて三回も付け直したり、付け焼刃で作ったりと試行錯誤を繰り返した物。やっと付け焼刃ではない物を完成したにも拘らず、其れは僅か三の時程で銀河連合の突進で破壊された。
「あちゃあうん、また衝撃の内に死ぬ生命が出てきてしまうなあうん」だが、最も思い深い筈のファウ俊は呑気に迎撃準備を始める。「まあうん、又作り直せば良い……そんでおむ、二名共準備は良いなあうん?」
 アンタハ此れを現場監督を叱りつけながら作ったんだろう……なのに如何してそんな前向きナンダヨ--ガン流豆はそんなファウ俊の精神力に呆れつつも酒樽を転ばせるべく其の上に乗っかる。
「そうゆう雄だよーオ、ファウ俊という男はアーア。経験値が高いーイ故に失敗の一つや二つをまるで道の一つだと考えてしまう程に歳を摂り過ぎたんだよーオ!」
「ダガ、相手は象族ダ。ソレニ経験値を物ともしない銀河連合ダ。アンタタチは歳を摂り過ぎて奴にカナワナイダロウ!」
「かも知れないがうん、だから如何したうん?」
 私達は若造に勝てる要素があるーウ……其れが太々しーイく生きるという前向きさだアーア--ヒツ市は此の前に自らを助けたファウ俊の持っていた自作製四足歩行用電磁望遠砲を背中に担いでから線に繋がった引き金に蹄を通す。
「オマエタチハ既に死んでも構わないと思っても子供達はそうはオモワナイゾ!」
「まだまだ歳を摂っていーイないな、太間ガン流豆よ。本当に歳を摂るって言うのは見返りも後先も考えないで悲観も楽観もしない生き方が正しーイのだよ!」
「そうゆう事だうん。歳寄りは甘やかされるよりも図々しく若造達の立ちはだかる壁でなくてはいけないんだよおむ……そろそろ会話は終わりだうん。行くぞおむ、老いたる足枷共よおおおむ!」
 オレマデ……まあ年齢的にそうだけどさあ、ソウダケドサア--ガン流豆は自らも老いぼれの一員であると何時かは認識しなくてはいけないと思いつつもまだ心の中では若造だという思いが強い模様。
 だが、ガン流豆の言葉通りに象型相手に簡単には行かない。ヒツ市は試しに望遠砲を放とうとしても象の技の原点たる長い鼻の最大射程は思った以上に脅威--つまり放つ前に両前足を浮かされて奪われまいと下がりつつも回収する羽目に!
(あんなにイーい届く物か、象の鼻は。もっとゾウ真さんから間合いについて尋ねるべきだったアーア!)
 そう言いつつも既にヒツ市もファウ俊も実は銀河連合との戦いを熟知しており、お陰でガン流豆に依る酒樽倒しは成功し、転ばされるのを避ける為に動いた筈の象型……其処にファウ俊の射撃が繰り出されて前右足に一発当たる--象は望遠弾を足に一発撃たれても問題なく動かせる程に尋常じゃない皮膚と筋繊維、そして骨を持つ……だが、其れはあくまで従来の望遠砲で受けた時のみ!
「ゾウガタが右前足を崩しただと……今がショウキ!」ガン流豆は敢えて自ら囮と成って惹き付ける。「オレハ此処で死なん……だが、此処で出なくて時間旅行が果たせるとオモウナヨ!」
 象型はガン流豆を相手にしている場合ではないとわかっていた。狙うべきは砲台と成って狙撃し続ける四十代後半の二名……だが、ガン流豆の狙う場所が一般生命及び銀河連合にとって生命線の一つである眼--視力に頼るのはどんな存在でも同じ故に反射的にガン流豆に向けて鼻を伸ばしてしまう!
 結果、ヒツ市の一撃をガン流豆が狙うのとは対照的な左眼に受けて怯んだ--其の隙に牽制だったもう一つの方を突進の嘴攻撃で少し尖った部分を丸くしつつも潰したガン流豆!
「いやあうん、止めはわしですかうん」そして粛々と左眼に向けて撃ち込むファウ俊。「まあ脳天迄届くかは別ですがなうん」
 脚に一発当てるだけで膝を崩す程の威力を持つ自作製電磁望遠砲。意外と頑丈な眼球を潰すだけじゃなく、其の眼球事脳天に押し込むなど朝飯を食べるよりも早く可能とは此れを指す--そして象型は俯せに倒れて……果てた!
 ウグ……イデデデ--釣られるように激しく地面に打ち付けるガン流豆。
「だ、大丈夫かアーあ!」
「除去作業は後にして誰か医に心得のある者を呼びに……ウググ、又腰がうん!」
 ダ、大丈夫だ……俺は受け身の取り方を、シッテイル--打撲だけで済んだガン流豆。
「まさか此れも--」
「アア、ソウダ。オレは時間旅行に戻ると大分昨日の時代では証明されているらしい……最も俺は過信しないケド」
 ガン流豆は必ず生きる……其の事についてヒツ市は何か考える。
(時間旅行とて一体何が起こるかわからないーイ。特に時間旅行しいーた生命が死ぬような事に成ればあらゆる因果は元に戻そうと機能する……此れも又、世界観補正の為せるウーう話。だが、同時に様々な矛と盾も発生するうー。其れを解消するべく、私達学者は日夜無用な事に首を突っ込んでゆくーウ。特にスチューブの言ってたように親死なせの矛と盾がある限りは時間旅行は実現しないーイ。光が最速だと証明されたように実現しない物は実現しないーイ……が例外として必ずしも確実ではないという完全じゃない状態なのが今の世界。矛盾山の存在も太間ガン流豆の存在もそうであるようにイー!)

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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