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一兆年の夜 第百十話 時間旅行 天才南野ヒツ市の閃き(立)

 午後六時十二分一秒。
 場所は標高成人体型百九十九中央側。
 其処にはファウ俊の研究所がある。但し、ファウ俊を始めとした老者達が移住を始めたのが四の年よりも前。依って研究所としてはまだ完成途上にある。此れについて、到着早々にヒツ市は次のように記す。
『--恐らく、何かの状況に陥らなければ早くて後二十の年より後に完成するだろう。
そう、算出するのは工事の状況を見て判断したまでだ。ファウ俊は此れが完成する前に
此の世を去る事に別段思い残す事が在れども悔いはないだろう。何しろ、矛盾山なの
だからな。矛と盾がぶつかり合うような山では一体何時世界観補正が引っ繰り返るか
わからない。銀河連合は未だ出没して舞の年に年毎に此処に移住する一般生命は命を
落とす。だが、仕方がない。四十以上で心身共に老いて行く身を如何して若い者達に足を
引っ張って貰う必要があるのか。
 さて、悲しい観方は此処迄にしてファウ俊が此れを建造しようと考えるのはたった
二つだ。一つは蒼天電光を作りたかった。老後迄自分の趣味に精力を尽くすのは
正しい事だからな。余り悲しい死に方をせずに済む。好きな事をして果てるのが老後の
生活の理想郷だ。もう一つは矛盾山の謎の解明だな。此れは重要な事であり、現在も
矛盾山が安全か如何かを探る上で必要な事。其の為に老後の生活で心身を動かさない
私達四十代以上の生命を動かす事にも繋がる。
 とまあこんな感じか。今は--』

 午後八時二十八分三十二秒。
 場所は紺柴ファウ俊研究所一階居間。
 ヒツ市とガン流豆、そして研究所の主であるファウ俊は会話を交わす。
「成程、つまり太間ガン流豆さんは……明日の時代からやって来たという訳じゃなうん」
「ヒツイチの言う通り確かにそうかもシレナイ。ソノ証拠に俺は明日の時代で出会った筈の数多の生命の事が全然思いダセナイ」
「時間旅行をする代わりいーでしょうな。確かに時間旅行をした生命は一般生命史では複数存在しーイた。だが、どれも明日に跳ぶだけで昨日に跳ぶ訳じゃないー。そうゆう訳で昨日に跳ぶ彼は世界観補正も相まって明日にーイも昨日にーイも跳ぶ事が可能に成った。代わりに明日の世界で出会った数多の生命の名前も種族もあらゆる時間にーイ影響する事柄を其の時代に合わせて封じるように」
 ホッホッホうん、困った補正じゃうん--呑気に酒樽の蓋を開けるファウ俊。
「マテ……又酔うのは勘弁してクレ!」
「私もだーア。流石に何度も二日酔いすると死んだかみさんに叱られてしーイまう!」
「まだまだ若いのおむ、ヒツ市君はうん」
 オレカラ言わせればみんな年寄りダロウ--少なくとも此処にはガン流豆を除けば若い生命は一名も居ない。
 彼等は矛盾山が安全である事を立証する為に隠居を決め、自らの生命を燃やし尽くす事で其処に潜む銀河連合と戦いを繰り広げる。
 そして……酒樽から酒を注ごうとする時--矛盾山に潜む銀河連合の意思は安全を求めない!
(物音に気付いてみたら……折角作った装甲板を叩きーイ壊す象型ですか!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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